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生化学系論文の和訳の添削 その3.5

今回も,これまで頂いたアドバイスを私なりに解釈して,自然な訳にもチャレンジしました.誤訳していないか,お気づきの点があればアドバイスをお願いします.(訳し忘れた部分です) (1)For that reason, large amounts of protein are no longer required anymore for analysis; nevertheless, a persistent problem is how to prepare many kinds of proteins. (1)このような訳で、多量の蛋白質は分析のために要求されない。 それにも関わらず繰返される問題はいかに多種類の蛋白質を準備するかである。 自然な訳:このように分析では,多量の蛋白質を必要としないが,多種類の蛋白質を合成するという問題はつきまとう. (2)Miniaturization of a cell-free protein synthesis system has great potential to provide useful platforms to produce many kinds of proteins. (2)無細胞蛋白質合成システムの小型化は、多種類の蛋白質を生産するための有用な環境(プラットホーム)を提供するための際立った潜在能力(可能性)を有する。 意味:無細胞蛋白合成システムを小型化することは,多種類の蛋白質を合成する有用なプラットホームにつながる. (3)Physico-chemical phenomena in micro-sized channels and reaction chambers intrinsically involve a short diffusion length, which engenders rapid thermal conduction and mixing, so that reactions on a micro-scale will be faster and more uniform than those on a macro-scale. (3)マイクロサイズ化された流路および反応室中の物理化学的現象は、本質的に短い拡散距離を必然的に含む。そして、それは急速な熱伝導および混合を発生させる。 自然な訳:微小化された流路および反応室は,(物質の)拡散距離が短いので,熱伝導や混合が短時間で完了する.従って,マイクロスケールの反応はマイクロスケール以外の反応と比較して反応速度は速く,副反応も起こりにくくなると考えられる (4)Another benefit of miniaturization arises from the possibility of integrating control devices and sensors into a single unit to realize a completely compact chemical processing system, which is essential not only for high-throughput analysis but also for on-site protein analyses such as medical and environmental services in the workplace. (4)小型化の他の利点は、完全にぎっしり詰まった化学処理システムを実現するための、単一ユニット中の統合制御装置およびセンサーの可能性から生じた結果である.そしてそれは,本質的な高速処理分析のためばかりでなく,現場における医療および環境業務のような現場での蛋白質分析に不可欠である.←自信なし (5)As fundamental technologies for miniaturized cell-free protein synthesis, several microreactors based on silicon-made microdevices and plastic microdevices have been proposed. (5)無細胞蛋白質合成に関する基礎技術として、シリコン製小型装置およびプラスチック製小型装置に基づいた(分類される)いくつかのマイクロ装置が提案されている。 自然な訳:無細胞蛋白質合成の基礎技術はシリコン製とプラスチック製の2つに分類され,いくつかのマイクロ装置が提案されている. (6)However, those microreactors have no embedded temperature control device; consequently, reactions must be performed with external temperature control devices such as an electrical oven or a water bath. (6)しかしながら、それらのマイクロリアクターは温度制御装置が埋め込まれていない。このため、反応は電気オーブンあるいはウオーターバスのような外部温度調整装置とともに実行されなくはならなかった。 自然な訳:しかしながら,これらのマイクロリアクターには温度制御装置が組み込まれていないので,反応に際し,電気オーブンあるいはウオーターバスのような外部温度制御装置を併用しなくてはなかった. (7)We have recently developed a microreactor array chip with an embedded temperature control unit and have demonstrated its performance experimentally by synthesizing fluorescent proteins.19 (7)最近、我々は温度調整ユニットを埋め込んだマイクロリアクターアレーを開発し、その性能を蛍光蛋白質の合成により実験的に証明した。

みんなの回答

回答No.2

「自然な訳」、良いお心がけと思います。 全体的に、なかなかいい感じで書かれているなと思いました。 No.1さんが見ていただいたので、補足のみ。 ●「platforms」の訳として「環境」と書かれていますが、これは筆者が「cell-free protein synthesis system」とか「microreactor array chip」と呼んでいる、具体的な物体を指していると思います。  「台、土台」といった意味。 ●「channel」、「chamber」は、チャネル、チャンネル、チャンバーと言う人もいますね。  (発音はチェインバーみたいな音ですが) ●「マイクロサイズ化(微小化)された流路」は「ミクロな流路」でもいいかもしれません。  また、「マイクロスケール」は「ミクロスケール」のほうがやや一般的かもしれません。  しかし、「マイクロ」とよく書かれる言葉も多くありますね。 ●「マクロ」は日本語でも「ミクロ、マイクロ」と対になる言葉と認識されているので、「マクロスケール」と言えば素直かもしれませんね(笑) ●「arises」の訳は、「生じた結果である」ではなく、「生じる」ですね。 ●(4)の前半のお書きになった訳では、「integrating」の意味がはっきりとは入っていないですね。  いわゆる直訳では「デバイスを集積できる可能性から新たな利点が生じる」となっていますね。  要するに、「集積できたら利点があるだろう」ということ。 ●「device」という単語がたくさん出てきて、その意味はもちろん「装置」ということで合っているのですが、マイクロアレーのシリコンなどの話だと、「素材、材料」といったイメージが実際には近いかもしれません。  もう少し大きめに見ても、「部品」、「器具」とか。  「デバイス」と片仮名で書かれることも多そうですね。 ●「essential」に近い日本語は、「欠かせない」、「重要」あたり。  ですから「不可欠」は良いですね。 ●「based on ~」(~に基づいた)は、結果的に「分類される」ことになると思いますが、マイクロリアクターの基本的な仕組み、材料、原理などがシリコンやプラスチックでできているということを言っています。  その点を理解された上での意訳でしたら、よろしいかと。 ●「実行されなくては(併用しなくては)ならなかった」は、英語としては、「…併用しなくてはならない」ですね。  日本語ではこういうとき過去形で言ったりもするので、許容範囲かと。 ●「electrical oven」、「water bath」はNo.1さんのおっしゃるように、「電気炉」、「湯浴(水浴)」としましょう。  「ウオーターバス」は片仮名なので、ありですね。

kasudako
質問者

お礼

MarcoRossiItalyさん 丁寧なアドバイスありがとうございます.後ほどもう一度訳し直してみます. >「自然な訳」、良いお心がけと思います。なかなかいい感じで書かれているなと思いました。 これからも,がんばりたいと思っています.また,過分なお言葉にとまどいを感じています. (中学校から英語は苦手科目でしたので…)ただ,最近英語(論文)を読むことが楽しくなってきたのは事実です.今後とも宜しくおい願いします.

kasudako
質問者

補足

MarcoRossiItalyさん お礼の追伸です. 今回はお二人の方から,丁寧なアドバイスを頂いており,ベストアンサーをお一人に決めることはできません.ご容赦ください.

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noname#175206
noname#175206
回答No.1

>(1)For that reason, large amounts of protein are no longer required anymore for analysis; nevertheless, a persistent problem is how to prepare many kinds of proteins. >自然な訳:このように分析では,多量の蛋白質を必要としないが,多種類の蛋白質を合成するという問題はつきまとう.  いいと思います。要は、分析に使う、一つ一つの蛋白質の量自体は減らせるけど、相変わらず多種類の蛋白質は必要、ということですね。 >(2)Miniaturization of a cell-free protein synthesis system has great potential to provide useful platforms to produce many kinds of proteins. >意味:無細胞蛋白合成システムを小型化することは,多種類の蛋白質を合成する有用なプラットホームにつながる.  いいと思います。それがマイクロアレーチップのメリットだということなんでしょうね。 >(3)Physico-chemical phenomena in micro-sized channels and reaction chambers intrinsically involve a short diffusion length, which engenders rapid thermal conduction and mixing, so that reactions on a micro-scale will be faster and more uniform than those on a macro-scale. >自然な訳:微小化された流路および反応室は,(物質の)拡散距離が短いので,熱伝導や混合が短時間で完了する.従って,マイクロスケールの反応はマイクロスケール以外の反応と比較して反応速度は速く,副反応も起こりにくくなると考えられる  いいんじゃないでしょうか。「マイクロスケール以外の反応」は思い切って原文通り「マクロスケールの反応」でもいいかと思います。  要は、小型化すればするほど、反応は早く終了し、均一であるということですね。均一であることを「副反応」という言葉で意訳された点はなかなかかもしれません。そうするならさらに「副作用」として邪魔な反応というニュアンスを出してもいいかもしれません。 >(4)Another benefit of miniaturization arises from the possibility of integrating control devices and sensors into a single unit to realize a completely compact chemical processing system, which is essential not only for high-throughput analysis but also for on-site protein analyses such as medical and environmental services in the workplace. >(4)小型化の他の利点は、完全にぎっしり詰まった化学処理システムを実現するための、単一ユニット中の統合制御装置およびセンサーの可能性から生じた結果である.そしてそれは,本質的な高速処理分析のためばかりでなく,現場における医療および環境業務のような現場での蛋白質分析に不可欠である.←自信なし 「制御デバイスとセンサーをたった一つのユニットに組み込み、非常にコンパクトな化学処理システムを実現すれば、そういう小型化のメリットが他にもあると考えられる。それは、高スループットの蛋白質分析だけでなく、医療や環境関連の現場業務での蛋白質分析にも有用であろう。」  マイクロアレーチップを意図しての文章でしょうね。そういうチップであれば、研究室での高率化だけでなく、いろんな現場でも使えますよ、ということでしょう。 >(5)As fundamental technologies for miniaturized cell-free protein synthesis, several microreactors based on silicon-made microdevices and plastic microdevices have been proposed. >自然な訳:無細胞蛋白質合成の基礎技術はシリコン製とプラスチック製の2つに分類され,いくつかのマイクロ装置が提案されている. 「無細胞蛋白質合成の小型化の基礎技術は、シリコン製やプラスチック製のマイクロデバイスが、いくつかも提案されてきた。」  andをどうするかなあ、ということと、この文脈で完了形のニュアンスを出すには、ということを考えてみました。  今まで提案されてきたマイクロデバイスが、この研究者らのマイクロリアクターアレーチップの競合相手、という意識で書かれた文章だと思います。 >(6)However, those microreactors have no embedded temperature control device; consequently, reactions must be performed with external temperature control devices such as an electrical oven or a water bath. >自然な訳:しかしながら,これらのマイクロリアクターには温度制御装置が組み込まれていないので,反応に際し,電気オーブンあるいはウオーターバスのような外部温度制御装置を併用しなくてはなかった. 「しかしながら、これまでのマイクロリアクターは埋め込み型温度制御デバイスがなく、電気炉あるいは湯浴による外部からの温度制御が必要であった。」  まあ、趣味の範囲でこういう訳し方もありかなあ、という程度です。お示しの訳で何ら問題はありません。 >(7)We have recently developed a microreactor array chip with an embedded temperature control unit and have demonstrated its performance experimentally by synthesizing fluorescent proteins.19 >(7)最近、我々は温度調整ユニットを埋め込んだマイクロリアクターアレーを開発し、その性能を蛍光蛋白質の合成により実験的に証明した。 「そこで新たに、埋め込み型温度制御ユニットを持つマイクロリアクターアレーチップを開発し、その優れた性能を蛍光蛋白質の合成実験により示すことができた。」  というのでもいいかなあ、と。これも、お示しの訳で何ら問題ありません。

kasudako
質問者

お礼

cozycube1さん お礼が遅くなり失礼しました. お陰様で,論文1報読み切ることができました. 長い間,丁寧に添削して頂きありがとうございました.頂いたアドバイスをもう一度も直してみます.ほんとうにありがとうございました.論文を読むことが楽しくなってきました.実は次の論文も目星をつけています.今後とも宜しくお願いします. (今回はお二人の方から,丁寧なアドバイスを頂いており,ベストアンサーをお一人に決めることはできません.ご容赦ください.) 

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