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基底の向きについて
ベクトル空間Vの基底が2組{v1,v2},{w1,w2}で与えられていて,{v1,v2},{w1,w2}が同じ向きという書き方を見たのですが,これはどういう意味ですか?
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ANo.6さんのご指摘の通り、「向き」は、ベクトルの集まりである基底自体で定まるのでなく、基底を構成するベクトルの並べ方に依存します。したがって、「座標系の向き」というべきなのでしょう。 ANo.7さんとは、問題のとらえ方が異なるようです。 補足のご質問にお答えします。変換行列の行列式の正負も、ベクトルが左か右かも、ベクトルの長さと関係ないので、v1,v2, w1,w2の長さがどれも1だという前提で示します。 v1=(cosα,sinα)、v2=(cosβ,sinβ)、w1=(cosγ,sinγ)、w2=(cosδ,sinδ)として、v1,v2からw1,w2への変換行列をAとします。すると、Aの行列式detAは、 detA = sin(δ-γ)/sin(β-α) となります(下図参照)。v2がv1の左か右かは、sin(β-α)の正負で定まり、w2がw1の左か右かは、sin(δ-γ)の正負で定まるので、結局、v2とw2が同じ側かどうかは、detAの正負で定まります。 余談ですが、向きの概念は、電磁気学では基本的なテーマですし、生化学でも、L-アミノ酸とD-アミノ酸の関係を説明するのに使われます。また、球面は向き付け可能でメビウスの帯は向き付け不可能、ということをきちんと記述するためにも、向きの概念は必須です。
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- ramayana
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ANo.8です。 ご質問「ベクトル積 v1×v2 と w1×w2 の向きが等しいということにもなりますか?」 はい、なります。
#10において訂正 --------------------------------------------- ここで、v1(OA)とv2(OB)との内積を考える。 cos(β-α)=cosαcosβ+sinαsinβ+0(π/2>α>0、π/2>β>0、β>αのとき) cos(β-α)>0で右手座標系となる。 ------------------------------------------- ここで、β<αの場合を考える。 しかし、この場合もcos(βーα)>0となる。 正しくは左手座標系にならねばならない。 つまりは、向き付けを説明するのにVector内積では 表現できないことになる。
#7でVector内積論を述べた。 この説もまんざらではないのだ。 再度、復権を目指して発言する。 質問の趣旨は 「基底が2組{v1,v2},{w1,w2}与えられたとき、同じ向きとは どういうことか?です。」 基底Vectorの集合V{v1、v2}において 基底Vectorv1、v2を v1=(cosα,sinα、0)、v2=(cosβ,sinβ、0)とする。 ここで、v1(OA)とv2(OB)との内積を考える。 cos(β-α)=cosαcosβ+sinαsinβ+0(π/2>α>0、π/2>β>0、β>αのとき) cos(β-α)>0で右手座標系となる。 cos(β-α)<0のとき左手座標系となる。 同じようにW{w1,w2}についても内積を計算して 右手系か左手系かを見てやる。 ------------------------------------------------------- cos(β-α)>0、cos(γ-δ)>0のとき右手系となり V{v1,v2},W{w1,w2}は同じ向きづけとなる。 cos(β-α)<0、cos(γ-δ)<0のとき左手系となり V{v1,v2},W{w1,w2}は同じ向きづけとなる。 ---------------------------------------------------- 注)向き付けと言っても”+”か"-"しかない。 正か負しかない。右手系か左手系しかない。中指系とかはないのである。
X軸ーーー>Y軸ーーーー>Z軸・・・・(1) の向き付けを右手座標系という。 ベクトル外積>0となる。 それ以外はどうなるのか? 例えば、Y軸とZ軸を交換すると ベクトル外積<0となる。 一般的にN次元空間において (1)の標準基底Vectorに於いてj軸とk軸を交換すると 偶置換か奇数置換かによってVector外積は”+”、”-”になる。 私は、以前、N次元のVector外積を定義したことがあった。 これを利用すると 2組の基底Vector系{v1,v2},{w1,w2}が同じ向き付けとは ------------------------------------------ 基底Vector系{v1,v2}を基準基底Vectorとして 基底Vector系{w1,w2}の外積を計算してやり、 Vector外積>0の時,この2組の基底Vector系{v1,v2},{w1,w2}は 同じ向き付けとなる。 --------------------------------- 私の創った定理がこんなところで応用できて 大変うれしく思っています。
2組の基底を V={1,0} W={0,1}とする。 すなわち v1=1 、v2=0 w1=0 、w2=1 cosα=(v1w1+v2w2)/|V||W| =0 故にα=π/2 =90° ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 2組の基底を V={1,0} W={1/√2,1/√2}とする。 すなわち v1=1 、 v2=0 w1=1/√2 、w2=1/√2 cosα=(v1w1+v2w2)/|V||W| =1/√2 故にα=π/4 =45° ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2組の基底を V={1,0} W={ー1/√2,1/√2}とする。 すなわち v1=1 、 v2=0 w1=ー1/√2 、w2=1/√2 cosα=(v1w1+v2w2)/|V||W| =ー1/√2 故にα=3π/4 =135° という訳で、2組の向きが同じとは内積が正、 すなわち、cosα>0、90°>α>0°であることである。 3例を示したのだから文句はなかろう? 文句のある御仁は反例を示してくだされ。
- felicior
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座標系の向きとは言いますが、基底の向きとは言いません。 向きは基底ベクトルの並び順に依存するからです。(「基底」は順序を問いません。) 任意のふたつの基底ベクトルの順を、 (…,v_i,…,v_j,…)→(…,v_j,…,v_i,…) のように入れ替えると「向き」は逆転します。 つまり偶置換なら向きは変わらず、奇置換なら逆転します。 ですから、順序が決まっていない単なる集合{v1,v2,…}ではダメで、 順序付き組(v1,v2,…)でないと向きは定まりません。 ちなみに座標系とはこの順序組に加えて原点の位置Oを決めたもの(O,(v1,v2,…))のことです。 ユークリッド(またはアフィン)空間上の幾何ベクトルで言えば、向きとは 基底ベクトルの指す方向の順序付き配置を2種類のクラスに分類したもののことです。 ちょっと意外ですが何次元であっても2種類で済むことがポイントです。 n次元ベクトル空間Vに適当な基底をとって順序を付けた組を、 (v_1,v_2,…,v_n) とします。この中から基底ベクトルをひとつ、例えばv_iを選びます。 このとき残りの基底ベクトル {v_1,…,v_i-1,v_i+1,…,v_n} もまた線型独立であるので、n-1次元部分ベクトル空間 V'=<v_2,…,v_i-1,v_i+1,…,v_n> を生成します。このV'は、幾何的イメージとしては、 元のn次元空間に対するn-1次元超平面(n=3なら空間に対する平面)を表すので、 元のVは、V'を境界としてH1、H2の2つの半空間(と境界自身)に分かれます。 このとき、v_i∈H1の場合とv_i∈H2の場合とでは向きが異なる、ということができます。 このことをn=2(平面)に落として考えるとNo.5さんのおっしゃることが言えます。 i=2として基底ベクトルv_2を選べば、残りのv1が張る空間<v1>は、 XY座標でいうところのいわゆるX軸(第1軸)ですから、X軸で隔てられた2つの半平面の どちら側に、v2ベクトル、すなわちY軸(第2軸)正方向があるかで向きが替わります。 n=3(空間)のときは、 i=3として基底ベクトルv3を選べば、残りの{v1,v2}が張る空間<v1,v2>は XYZ座標でいうところのいわゆるXY平面ですから、XY平面で隔てられた2つの半空間の どちら側に、v3ベクトル、すなわちZ軸正方向があるかで向きが替わります。 このように、2種類の「向き」は相対的に決まるものであり、 生来的にどちらかが基準となっているといった非対称なものではありません。 もし人為的に標準基底なるものを定めれば、それに対する「正・逆」をいうことはできます。 例1:n=2の時、「右をX軸、上をY軸」とする位置関係を「通常の向き」とする。 例2:n=3の時、(v1,v2,v3)が右手の(親指,人差し指,中指)を向く取り方を「右手系」とする。 順序付き基底(v_1,v_2,…,v_n)と(w_1,w_2,…,w_n)が相対的に同じ向きかを知りたければ、 (v_1,v_2,…,v_n)の基底ベクトルをひとつずつ(w_1,w_2,…,w_n)の対応する番号の基底ベクトルに 交換していき、その都度上記の方法によって相対的に向きが変わったかを調べていけばわかります。 例: (v_1,v_2)→(w_1,v_2)→(w_1,w_2) No.5さん添付の図を参照して確かめてみてください。
- ramayana
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ANo.3です。基底の向きが同じというのは、「変換行列の行列式が正」ということですが、これの図形的なイメージを補足します。 (1) 1次元ベクトル空間の場合 ベクトルvとベクトルwを2つの基底とすると、0でない実数aにより、w = av と表されます。向きが同じというのは、a>0ということです。これは、まさに、vとwを矢印で表したとき、矢印の向きが同じということです。 例えば、2vや0.3vはvと同じ向きですが、-2vや-0.3vは、vと逆向きです。 (2) 2次元ベクトル空間の場合 {v1, v2}を基底とします。ベクトルv1とベクトルv2を、xy平面状の原点から伸びる矢印で表すことにします。原点に立って、v1が伸びる方向に顔を向けたとき、v2は、右側か左側のどちらかに見えることになります。{w1, w2} を別の基底として、同じように原点でw1の方向に向いたとき、w2は、右側か左側に見えます。v2が見える側とw2が見える側が一致するとき、2つの基底の向きが同じだということになります。 例えば、v1 = (1, 0)、v2 = (0, 1)とするとき、v2は、左側に見えます。したがって、次の(a)、(b)の{w1, w2}は{v1, v2}と同じ向きですが、(c)、(d)は逆向きになります。 (a) w1 = (cos(10度)、sin(10度))、w2 = (cos(120度)、sin(120度)) (w2は左側) (b) w1 = (cos(-10度)、sin(-10度))、w2 = (cos(90度)、sin(90度)) (w2は左側) (c) w1 = (cos(10度)、sin(10度))、w2 = (1、0) (w2は右側) (b) w1 = (cos(-10度)、sin(-10度))、w2 = (cos(-90度)、sin(-90度)) (w2は右側) 基底の向きは、多変数関数の積分で変数変換を行うとき、重要な意味を持ちます。
補足
> ramayana さん 詳しい回答ありがとうございます. No.3の回答では w1 = av1 + bv2 w2 = cv1 + dv2 と書いたときに,「ad-bc>0⇒基底の向きが同じ」ということでしたが,それと今回回答してくださった図形的な意味にはどういったつながりがあるのでしょうか? 主張は「基底の向きが同じ」ということですよね. 一見すると同じことを述べているように感じられないのですが,そこをもう少し詳しく教えていただくことは出来ますか? 理解不足ですみません. 重ね重ね申し訳ありませんがよろしくお願い致します.
V・W=|V||W|cosα =v1w1+v2w2 故に cosα=(v1w1+v2w2)/|V||W| 内積が正であればcosαは正 つまり、90度>α>0
- ramayana
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基底の変換行列の行列式が正のとき、「向きが同じ」と言います。 すなわち、適当な数字a,b,c,dにより、 w1 = av1 + bv2 w2 = cv1 + dv2 と書けます。そこで、基底{v1,v2}と基底{v1,v2}の向きが同じとは、ad-bc>0であることを意味します。 この説明では、w1,w2をv1,v2の式で表していますが、v1,v1をw1,w2の式で表しても、結果は同じになります。
基底{v1,v2},{w1,w2}の交わる角度cosαが90度以内と言うことでは。
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補足
> ramayana さん 補足に答えていただきありがとうございます. これで「幾何学的イメージと変換行列Aの行列式の正負」の対応関係がわかりました. ここで,No.5の方の幾何学的イメージでは, ・v1から見たときのv2の位置(左右) ・w1から見たときのw2の位置(左右) この2つの位置関係(左右)が一致するときに,「{v1,v2}と{w1,w2}の向きが同じ」ということですが,これは言い換えると,ベクトル積 v1×v2 と w1×w2 の向きが等しいということにもなりますか?