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特許法第三十六条5項について

特許を勉強している者です。 第5項に記述されている「発明を特定させるために必要と認めるすべてを記載しなければならない。」とあるのですが、これをうまく解釈できません。判断が別れるような記述はしてはいけないと言うことでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

弁理士です。 簡単にいうと、「請求項の記載=発明の構成」ということです。 つまり、  請求項に記載されていないこと→発明の構成ではない  請求項に記載されていること→発明の構成である ということです。 請求項に記載していない構成が発明の構成であるという主張は、× 請求項に記載しているにも関わらず、発明の構成ではないという主張も× つまり、請求項は、発明の構成と一致させるように記載することは出願人の責任である、 というのが36条5項の意味するところです。 逐条解説に詳しく書いてあるので、読んでみるといいと思います。 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/hourei/kakokai/cikujyoukaisetu.htm

fu-jin
質問者

お礼

ありがとうございます。よく読んで勉強します。

その他の回答 (2)

  • santamona
  • ベストアンサー率61% (26/42)
回答No.4

 請求項が、「鉛筆」とか「鉛筆又は色鉛筆」と記載されていることは絶対にありません。このような請求項の記載では、「『発明』が存在していない」ので特許のされようが無いのです。 法第36条第5項には、「特許を受けようとする『発明』」を特定しなさいと書いてありますよね。  請求項=特許を受けようとする発明=特許という独占権を得たい発明=特許権の権利範囲 ということになります。即ち、請求項を記載することは、特許を受けたいとする発明を特定するということ、自分が得たいとする特許権の権利範囲を決定するということです。  特許法では、「発明」とは「自然法則を利用した技術的思想であって高度なもの」とされています。発明は思想ですから形がありません(無形)。形が無いのですから、権利範囲を特定することが出来ません。  そこで、特許を受けたいとする発明を特定するのに、『技術的思想(発明)を包含した、皆が権利範囲を理解できるような具体的なもの』に形を変えて特定するのです。何に形を変えるかというと、物又は方法の形に具体化して表現します。発明(思想)は、必ず『物』か『方法』に形を変えて実施されるからです。  特許公報等を読むと、請求項は、必ず「〇〇する(の特徴を有する)物」「〇〇する(の特徴を有する)方法』という表現されていますがそのためです。  請求項とは、技術的思想である発明を包含した上で特許を受けようとする範囲が具体的に表現されたもの(特許を受けようとする発明)ということになります。  多角形の鉛筆の例え話とはこういうことです。 昔、鉛筆の軸が丸かった頃、コロコロ転がるという課題を解決しようと考えた人がいた。この人は、課題を解決するため、鉛筆の軸を多角形にするという手段を創作した。その結果、鉛筆がコロコロ転がらないという効果が得られた。課題を解決でき一つの発明が生まれた。  この課題を解決する(手段)技術的思想が発明であって、ここでは「鉛筆の軸断面を多角形にする」という思想(アイデア)が発明に該当します。 請求項の記載の一例として、「鉛筆の軸断面が多角形である(ことを特徴とする)鉛筆」と記載することが出来ます。技術的思想(発明)を包含し、権利範囲を特定できるように記載されています。 「鉛筆の軸断面が6角形である(ことを特徴とする)色鉛筆」と記載することも出来ます。この表現でも、技術的思想を包含し権利範囲が特定されています。しかし、権利範囲は限定されています。  出願人が、特定するための全てを「鉛筆の軸断面が6角形である(ことを特徴とする)色鉛筆」と過不足なく記載したのであるから(明細書にいろいろ書いてあっても)止むを得ません。

fu-jin
質問者

お礼

ありがとうございます。とても勉強になります。 鉛筆の例はわかりやすく説明をして頂くためだと思います。実際にはもっと複雑な出願ばかりですし、読むのにも専門の知識が無いと把握できません。発明の請求項全てが絶対に正しく記載されているものかなと思ったので、特許法をまずは解釈できないと思い最初の質問をさせて頂きました。

  • santamona
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回答No.3

回答2を記載した者です。回答を補足します。 「特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項の全てを記載しなければならない。」を特許請求の範囲の意義と合わせてつきつめれば、  「特許を受けようとする発明の技術的範囲は、原則として、明細書にいかなる記載があろうとも、特許請求の範囲の請求項の記載のみによって決定される。」  「特許請求の範囲の記載は、それ自体で、発明の技術的範囲が明確に把握されるようになされていなければならない。」 ということに繋がります。  例えば、多角形の鉛筆の発明があるとします。明細書には、軸断面を楕円形にしたもの、4角形にしたもの、6角形にしたものなど、実施の形態が広く記載されていたとします。 そして、特許請求の範囲には、請求項X:軸断面を6角形に形成した色鉛筆と記載されていた。  この場合、権利範囲は、「軸断面が6角形に形成された鉛筆、しかも色鉛筆」にしか及びません。 出願人が請求項に記載した『全て』は、「軸断面を6角形に形成した」「色鉛筆」ですから、軸断面が4角形の鉛筆や、普通の黒い芯を持った軸断面が6角形の鉛筆には及ばないことになります。 出願人が、「いやそうではないんだ。明細書には、多角形の鉛筆・黒い芯の鉛筆も含んで書いてある。」と主張してもその主張は受け付けられません。  何故なら、軸断面が4角形の鉛筆も黒い芯の軸断面が6角形の鉛筆も、出願人が請求項に記載した『全て』の中に含まれていないからです。

fu-jin
質問者

お礼

ありがとうございます。 例えばの件ですが、請求項が「鉛筆または色鉛筆」(断面の形状が記載されていない)の場合は 断面が記載されていないので、全ての鉛筆または色鉛筆が対象になるでしょうか?「鉛筆または色鉛筆」は請求項として認められないのでしょうか?「鉛筆または色鉛筆」のような不十分な記載の請求項は絶対にないでしょうか?

  • santamona
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回答No.2

 以前は、請求項には「特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載する。」とされていましたが、現在は、「特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項の全てを記載する。」となっています。  特許出願人が特許請求の範囲の請求項を記載するのに、特許を受けようとする発明を、a,b,c,d,eで特定できると考えるのであれば ( 特許を受けようとする発明をを特定するのに、必要な全ての事項はa,b,c,d,eであると考えるのであれば)、請求項には過不足無く、a,b,c,d,eを記載しなければならない。「 f が含まれていないのに f が含まれている」と主張したり、「 c が含まれているのに c は含まれていない」と主張することは出来ない。  要するに、全く不要な事項を記載したり、逆に、必要な事項を記載しないことがないようにするために、特許請求の範囲には特許を受けようとする発明を特定するための事項を過不足なく記載すべきことを記載したものである。(審査基準 第1章 2,1 第35条第5項)

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