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未成就の停止条件付法律行為について、ふと疑問に思ったのですが、
未成就の停止条件付法律行為について、ふと疑問に思ったのですが、 効力を生じないだけであって、法律行為自体は有効である 言い換えれば、 条件成立となるまでは法律行為が無効というのではなく、効力が発生しないだけ、 つまり、法律が有効か無効かということと、効力が発生することとは別物という 捉え方で合ってますでしょうか。
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それを書いた者です。 はい、そのとおりです。 法律行為の有効要件(正確に言えば、意思表示の有効要件の場合もある)は類型的に決まっていますが、そのなかに条件は入っていないのがおそらくほぼ異論のない考え方です。詳しくは内田民法I[総則・物権総論]の冒頭部分辺りを読めば載っていると思います(契約で説明していると思いますが、契約というのは法律行為の中で最も重要かつ一般的だからであって、契約以外でも若干の修正はあっても話は一緒です)。 ちょっと色々例を挙げて考えてみましょう。 「停止条件付」の法律行為が無効だとすれば、なぜ停止条件以外の条件では有効となるのでしょう?同じ条件なのに。 停止条件付契約で条件成就時においてなぜ契約が当事者を拘束するのでしょう?条件成就時に有効になるから?ではその条件成就により有効となる根拠はなんでしょう?条件成就により有効になるのではなくて、条件成就により効力を生じるという拘束力を有する契約として既に"有効に"成立しているからと考える方が素直だと思いませんか? 131条2項に「条件が成就しないことが法律行為のときに既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし(以下略)」という規定があります。また、133条1項に「不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする」とあります。要するに、実現不能な停止条件が付いている場合は効力を生じる余地がないから法的拘束力を与える意味がないものとして無効としているのですが、停止条件付=無効ならば、実現不能である場合を殊更に「無効」とする必要はありませんね? 前の回答でも書いた134条では「停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする」となっています。これは、そんなやる気のない話は法的保護を与える意味がないから無効ということなのですが、停止条件付法律行為自体が一般論として有効でなければこのような話にはならないはずですね? という程度で理解できるでしょうか? なお、参考に契約の要件を簡単に説明すると、 1.成立要件 申込みと承諾の意思表示が内心または外形において主観的及び客観的に合致すること、というのがおそらく通説。 2.有効要件 2-1.主観的有効要件 錯誤その他、意思表示の一般的な有効性の問題。 2-2.客観的有効要件 確定性、実現可能性、適法性、社会的妥当性という4要件。 3.効果帰属要件 代理の問題。 4.効力発生要件 4-1.条件 4-2.期限 というのがほぼ争いのない考え方です。つまり、有効性の問題と効力の有無は別の問題というのが民法学では支配的と考えてよいです。
お礼
度々のご回答をありがとうございます。 >条件成就により有効になるのではなくて、条件成就により効力を生じるという拘束力を有する契約として既に"有効に"成立しているからと考える 確かにそうですよね。 この一文で「ああ、なるほど!」と確信できるようになれました。 お忙しい中、本当にありがとうございました。