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色彩に関する技法にお詳しい方お願いします

 「色彩による遠近法」の中に、「空気遠近法」というものがあるそうですが、「スフマート」と同じような技法として扱われいる場合と、遠くのものほど淡い色で塗るという方法として扱われている場合があるように思います。  そこで、  (1) もともとの「空気遠近法」がどのようなもので、どういう由来で生まれてきたものか。  (2) 「遠くにあるものを淡く着色する」「遠くにあるものには青や白を混ぜる」「遠くにあるものほど彩度が落ちる」というものの中でもっとも本来の意味に近いのはどれか。  ということについてご存じでしたら、是非教えてください。

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  • biwa_kuri
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回答No.1

写実的に空間を描写する上で一般的に用いられる遠近法には、大雑把に言って二つ、透視図法と空気遠近法があります。前者は、いわゆるパース(perspective)といわれるもので、平行なものが遠くに行くにつれ1点に消失するように見える性質を利用した遠近法です。消失点の設定の仕方により1点透視、2点透視、3点透視といった図法があり、図学的に作図することも説明することもできます。(実際のものの見え方はそう単純ではないのですが) それに対し、空気中の塵や水蒸気によって、同じ物でも遠くにあるときと近くにあるときでは明度、彩度、色相、コントラスト、シャープネスが変化する物理現象を色彩学的な考え方と結びつけて遠近表現に利用したものが「空気遠近法」であるといってよいでしょう。古今東西の絵画の中にはどちらか一方の手法のみで描かれたものもありますが、大気圏外など極端な例を除いては、見えている風景の全てに両者は存在しています。 リアリティを対象のどこに求めるかは、作者の意図であり、ある作品を捉えて図学的あるいは色彩学的に正しい、正しくないという議論をするのはナンセンスですが、自然界を写実的に表現しようとしたときには双方の正しい知識と描写力が必要になってきます。 私は研究者ではないのでご質問への的確な回答にはなってないかもしれませんが、(1)の由来という意味では、とにかく写実的に描きたいとする先人の執念が、ひたすら自然を観察することで獲得した法則であろうと思われます。それが長い歴史の中で理論と結びついてハウトゥー化したものが現在「空気遠近法」とよばれているものだと思います。(2)に関しては、どれもが正解であり、これらの手法を総合的に駆使することが、いわゆる空気遠近法であると理解しております。 「スフマート」は遠くにあるものもエッジのシャープネスのコントロールに用いられることも多いでしょうが、本来描画法の一種ですので、遠近法の問題とは同列に考えないほうが解りやすいかもしれません。

apiyon
質問者

お礼

大変詳しく、ありがとうございました。どうも「これが色彩遠近法だ!」とか「これが空気遠近法だ!」という明確なものがあるようでないみたいですね。本によっては『空気遠近法(スフマート)』という表記になっているものもあったりするところを見ると、そんな気がします。実際の表現方法も、季節や時間帯によって微妙に異なるはずですし、こういう技法なのだと決めつけない方が良いのかもしれませんね。本当にありがとうございました。

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