- ベストアンサー
「こころ」の「上二十三」
日本語を勉強中の中国人です。夏目漱石の「こころ」の中国語版を読み終えました。いま日本語版を読んでいるところです。「上二十三」の中に理解できないところがありますので、お伺いしたいと思います。原文が載っているサイトは次の通りです。ご参考になさってください。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html 1、二人とも無精な性質(たち)なので、炬燵(こたつ)にあたったまま、盤を櫓(やぐら)の上へ載(の)せて、駒(こま)を動かすたびに、わざわざ手を掛蒲団(かけぶとん)の下から出すような事をした。時々持駒(もちごま)を失(な)くして、次の勝負の来るまで双方とも知らずにいたりした。それを母が灰の中から見付(みつ)け出して、火箸(ひばし)で挟(はさ)み上げるという滑稽(こっけい)もあった。 ここの「櫓」はどんなものでしょうか。日本の炬燵を使ったことがありますが、どうもここの炬燵はいまの炬燵と違うような気がします。二人は炬燵の上ではどのように将棋を差すのか、イメージが湧いてきません。 2、「碁(ご)だと盤が高過ぎる上に、足が着いているから、炬燵の上では打てないが、そこへ来ると将碁盤は好(い)いね、こうして楽に差せるから。無精者には持って来いだ。」 (1)「そこへ来ると」はどういう意味でしょうか。 (2) 碁は「打つ」と言い、将棋は「差す」と言うのでしょうか。 (3)「無精者には持って来いだ」はどういう意味でしょうか。 3、かつて遊興のために往来(ゆきき)をした覚(おぼ)えのない先生は、歓楽の交際から出る親しみ以上に、いつか私の頭に影響を与えていた。 「かつて遊興のために往来(ゆきき)をした覚(おぼ)えのない先生は、歓楽の交際から出る親しみ以上に」はどういう意味でしょうか。 4、私は自分の極(き)めた出立(しゅったつ)の日を動かさなかった。 「出立」という言葉は現代でも使われるのでしょうか。 また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
わかっていらっしゃると思いますが、「こころ」は古い作品なので、 今の日本語とは少し違います。日本人が読んでも読みづらいもので、 出て来る物がどういうものかよくわからないこともあります。 さらに私は「こころ」をすべてよく読んだわけではないのですが、 ご質問のところだけを読んでお答えします。 1、「櫓」はどんなものでしょうか。 ここで言われているこたつは、たぶん「堀りごたつ」というやつなのではないかと思います。 床を四角く切って、テーブルみたいな物をのせ、ふとんをかけ、中に炭などを入れてあたためたようです。 そのテーブルみたいな物のことを「櫓(やぐら)」というのだと思いますよ。 http://www.jca.apc.org/MONODUKURI/wg/rekisiko/koremade/kore04.html 2、「碁(ご)だと盤が高過ぎる上に、足が着いているから、炬燵の上では打てないが、そこへ来ると将碁盤は好(い)いね、こうして楽に差せるから。無精者には持って来いだ。」 (1)「そこへ来ると」はどういう意味でしょうか。 {それを考えると」「それにくらべると」というような意味です。 ちなみに、碁盤も将棋盤も、本格的なものは足がついていて、それ自体が小さなテーブルみたいな形をしています。 しかしここでは、たぶん、薄い板みたいなものに盤を描いた物を、こたつの上にのせているのだろうと思います。 碁盤にもそういう物はあるし紙に描いてもできるので、なぜこんな事を言うのか私にはよくわかりませんが、昔はそういう将棋盤はあっても碁盤はなかったのかも知れません。 (2) 碁は「打つ」と言い、将棋は「差す」と言うのでしょうか。 そうです。なぜかはわかりませんが、将棋は駒をすべるように動かすことが多く、碁はパチンと上から置くからかもしれません。 また、ルールの特徴から、それがふさわしいと思われたからかも知れません。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213056847?fr=rcmd_chie_detail (3)「無精者には持って来いだ」はどういう意味でしょうか。 「持って来い」というのは、「ちょうど良い」という事です。 日本語の辞書にも載っていると思うので、調べてみると良いと思います。 この使い道にちょうどピッタリだね、というような感じです。 3、かつて遊興のために往来(ゆきき)をした覚(おぼ)えのない先生は、歓楽の交際から出る親しみ以上に、いつか私の頭に影響を与えていた。 「今までに、遊びのためにつき合っていたわけではない先生は、楽しみのための付き合いから起こる親しみよりも強く私の頭(精神)に影響を与えていた」ということですね。 ちょっと難しい言葉を他の言葉に言いかえてみただけですが、どうでしょうか? その後に続く文章で、「頭」(で考えるようなこと)よりも、「胸」(感情で感じる事も含めて)で 先生への親しみを感じていた、ということを言っていますね。 4、「出立」という言葉は現代でも使われるのでしょうか。 やや形式ばった言い方ですが、小説やニュースなどでは普通に使います。 若い人ではこの言葉を知らない人も多いと思います。 日本語はたいへんお上手です。変なところはありません。
その他の回答 (5)
- hakobulu
- ベストアンサー率46% (1655/3578)
#3です。 >櫓の上に布団を掛け、その上に将棋盤を置きますね。そうすると、持駒はどのように灰の中に入ったのでしょうか。 :掛け布団の上に置いた持ち駒を、 掛け布団から手を出し入れする際に、袖などで(数個)払い落としてしまったりすることがあったのでしょう。 駒の落ちた場所がわからない場合、掛け布団の裾をパタパタさせたりして探したりすることが想像されます。 こういった動作の結果として駒が畳の上に出てきて見つかるわけですが、パタパタさせた勢いで運悪くコタツの中の方に飛んでいって灰の中に落ちてしまったものも時にはあったでしょう。 持ち駒は全てを使い切るわけではないので、たとえ対戦が終わっても、一個や二個であれば失っても無くなっていることに気づかないことがあります。 しかし、次の勝負の時に、盤上に初期陣形としてきれいに並べると、「あ、駒が一個足りない!」などと気づくことになります。 そんな時、お母さんが「もしかして灰の中に落ちているんじゃないのかい?」などと言って火箸で探ってくれて、「ほら、あった(笑)」などという滑稽な場面もあった。 ということだろうと思われます。
お礼
再びありがとうございます。納得いきました。ありがとうございました。
- sanori
- ベストアンサー率48% (5664/11798)
湖さん、謝辞をありがとうございました。 コメントにお答えします。 >>>1についてですが、こたつやぐらの写真を拝見しました。しかし、疑問がまだ残っています。こたつやぐらの上に布団を掛け、その上に将棋盤を置きますね。そうすると、持駒はどのように灰の中に入ったのでしょうか。 私は将棋ファンなので、ちょっとムダ話をしながら説明したいと思います。 将棋も囲碁も、盤には大きく分けて2つの種類があります。 一つは、値段が安い「折りたたみ盤」というもので、 正方形に近い板であり、片付けるのが便利なように蝶番(ちょうつがい)で2つに折りたためるタイプの盤です。 (折りたたまない単なる板のタイプもあります。) A 折りたたみ将棋盤 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/nichieido/cabinet/syogi-single/8602.jpg A’折りたたみ将棋盤を折りたたんだ状態 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/nichieido/cabinet/syogi-single/8602b.jpg B折りたたみ碁盤 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/nihonkiin/cabinet/goban/img55787337.jpg もう一つは、値段が高く、高さが何寸もあって足もついている高級なタイプです。 C 足付きの将棋盤と駒台 http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Shogi_S09_1.jpg D 足付きの碁盤 www.tanaka-goban.com/img/g_05_103_1.jpg 現在、Dの碁盤を所有している家庭は、結構あります。 ところが、Cの将棋盤を持っている家庭は、かなり少ないです。(私は持っていますが。) おそらく湖さんもご存知と思いますが、囲碁は国際的なゲームです。 しかし、日本においては、「縁台将棋」(えんだいしょうぎ)という言葉があることからもわかるように、 昔から庶民の間では、将棋の方が流行っていました。 「こころ」が書かれた当時はそうでしたし、現在でも日本では囲碁人口より将棋人口の方が多いはずです。 8種類の駒の動かし方を覚えるのは大変ですが、 相手の玉を取るか詰めれば勝ち、という明快なルールが庶民に受け入れやすいためだと考えられます。 つまり、 「碁(ご)だと盤が高過ぎる上に、足が着いているから、炬燵の上では打てないが、そこへ来ると将碁盤は好(い)いね、こうして楽に差せるから。」 という文においては、将棋盤はAのタイプ、碁盤はDのタイプのことを言っているわけです。 そして、上記Cの写真からわかるとおり、 プロが指すような正式な将棋では、持駒は駒台の上に置かなくてはいけないルールになっています。 また、たとえ折りたたみ将棋盤を使う場合であっても、持駒は盤の右に置いて、相手から見えるようにしなくていはいけません。 ところが、庶民同士の将棋ではマナーが悪い人が多く、持駒を見えるところに置かずに自分の掌で握ったまま指したりします。 つまり、 手を暖めるために、マナー悪く、持駒を持ったままの手をこたつぶとんの中に入れて、 そして持駒が手からこぼれて、後でその駒が、こたつの灰の中から発見されたということですね。 以上で、1番の文章全体の意味がおわかりいただけるかと思います。 ご参考になりましたら幸いです。
お礼
再びありがとうございます。わざわざ写真をたくさん探してくださり、心から感謝いたします。イメージがよくわかりました。本当にありがとうございました。
- uekido
- ベストアンサー率44% (35/79)
「どのように駒が炭の中に入ったのか」ですが、まず「持ち駒」は、将棋で、相手の駒を取っていったん手元に置いた物だと思います。(その後、自分の駒として使う事もできるのですが) 手元にあるから、ふとんから手を出し入れするときにこたつの中に落ちて入ったのではないでしょうか。 ゲームを進める中でどちらかが「持ち駒が足りない」と気づき、探し回っているのを見て、母親が「ここでしょう」と拾ってくれたということなのかなと思います。
お礼
再びありがとうございます。理解できました。ありがとうございました。
- hakobulu
- ベストアンサー率46% (1655/3578)
全く#1さんのご回答どおりですが、#3についてだけちょっと私見を。 この箇所は、 「かつて【私が】遊興のために往来(ゆきき)をした覚(おぼ)えのない先生は、歓楽の交際から出る【と思われる】親しみ以上に」 という意味で、 『私は今まで、先生とは遊びのために行き来をした記憶はないが、遊び相手として感じる親しみ以上のものを先生から受け取っていた』 のように解釈しています。
お礼
ご親切に回答していただきありがとうございます。理解できるようになりました。とても参考になりました。まだ一箇所よくわからないところがありますが、もう一度教えていただけないでしょうか。
補足
1についてですが、櫓の上に布団を掛け、その上に将棋盤を置きますね。そうすると、持駒はどのように灰の中に入ったのでしょうか。
- sanori
- ベストアンサー率48% (5664/11798)
湖さん、こんばんは! ^^ 1 >>>ここの「櫓」はどんなものでしょうか。 こちらに、こたつやぐらの写真があります。 http://www.ikidukurikagu.com/kotatu.html 2、 >>>(1)「そこへ来ると」はどういう意味でしょうか。 「そういうことに関して言えば」あるいは「その一方」というような意味で、文と文をつなぐために使われます。 >>>(2) 碁は「打つ」と言い、将棋は「差す」と言うのでしょうか。 そのとおりです。 日本将棋連盟によれば、「差す」ではなく「指す」と書くようです。 ちなみに、「囲碁(碁)を指す」という間違いをする人は少ないのに対し、 「将棋を打つ」という間違いをする人は、かなり多いです。 >>>(3)「無精者には持って来いだ」はどういう意味でしょうか。 「無精者にとっては便利だ」というような意味です。 「無精者」は、「なにごとも面倒に思う人」というような意味です。 3、 >>>「かつて遊興のために往来(ゆきき)をした覚(おぼ)えのない先生は、歓楽の交際から出る親しみ以上に」はどういう意味でしょうか。 「(金を使う)遊びの店に出入りした経験のない先生は、遊び友達のような親しみよりも強く」 という意味です。 4、 >>>「出立」という言葉は現代でも使われるのでしょうか。 現在でも、たまに聞きますね。 若い人は、ほとんど使わないと思います。 >>>また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。 日本人が書いている文章にしか見えません ^^
お礼
さのりさん、おはようございます^^。早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。まだ一箇所よくわからないところがありますが、もう一度教えていただけないでしょうか。
補足
1についてですが、こたつやぐらの写真を拝見しました。しかし、疑問がまだ残っています。こたつやぐらの上に布団を掛け、その上に将棋盤を置きますね。そうすると、持駒はどのように灰の中に入ったのでしょうか。
お礼
ご親切に回答していただきありがとうございます。よくわかりました。大変参考になりました。まだ一箇所よくわからないところがありますが、もう一度教えていただけないでしょうか。
補足
1についてですが、櫓の上に布団を掛け、その上に将棋盤を置きますね。そうすると、持駒はどのように灰の中に入ったのでしょうか。