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気体の状態変化
化学IIの問題です。 1molで0°のPV/RTのグラフがあります。 圧力は0~10*10^5の範囲です。 Aは右上がり(一番ブレが少ない)で、 Bは右下がり、Cは極端に右下がりです。 (1)この圧力の範囲でもっとも圧縮されにくいものはどれか。 答えはAですがそれはなぜでしょうか? (2)A~Cはアンモニア、水素、メタンのうちどれか。 これはどうやって見分けるのでしょうか。 よろしくお願いいたします。
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- htms42
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理想気体としたときの変化からずれる理由は体積の影響と分子間力の影響です。 圧力を上げると体積が小さくなります。 その小さくなるなり方が理想気体よりも大きいか、小さいかです。 右下がりというのは体積の小さくなるなり方が理想気体よりも大きいということです。分子間の距離が小さくなると余分に体積を小さくする効果が生じているのです。これは分子間力の影響です。分子間力がどれくらい効いてくるかは温度によって変わります。 1つの目安は沸点です。沸点は分子間力によって決まると考えられますから沸点が高いか低いかで分子間力が大きいか小さいかが判断できます。 沸点の順が 水素<メタン<アンモニア というのは予想がつくとおもいますからこの順がA,B,Cの順になります。 (沸点は水素 -252℃(=21K)、メタン -161℃(=112K)、アンモニア -33℃(=240K)です。) 分子間力が沸点の違いに現れているとすると荒っぽく考えて メタンと水素は5倍の違い、アンモニアと水素は11倍の違いがあるということになります。 分子間力がどの程度効いてくるかは沸点と測定温度との比で考えるといいでしょう。水素の場合ぐらい違いが大きくなってくると熱運動に隠れてしまって分子間力はないものとして考えたのと変わらないということになります。むしろ分子に大きさがあることでぶつかり合いが生じて圧縮が少ない目になる効果の方が強く出てくるというのが上にずれる理由です。分子の大きさはどの物質にもありますからいったん右下に下がったような変化をした物質でも圧力をもっと上げると変化の方向が右上がりに変わります。 もっと高い温度で測定をすればメタンもはじめから右上がりになるでしょう。最初の変化が右上がりになるか、右下がりになるかの境目の温度はボイル温度と呼ばれています。 (ボイル温度の値は 水素110K,メタン510K,アンモニア860Kです。) ※沸点を分子間力の目安にして測定温度との比で考えました。 詳しくは臨界温度との比で考えるというのが正しいです。 高等学校では臨界温度がでてきませんので沸点で代用しています。
- lialhyd
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PV/RTを圧縮率因子といい、Zとよく書きますから私の書き込みにもこのZという文字を使わせていただきます。 単原子理想気体であれば、いかなる場合であってもZ=1となるはずですね。 理想気体というのは2つ、無視されていることがらがありました。 これが何であってのかは、調べればすぐにわかることだと思います。 ここで、ZのうちR,Tについては一定に保っているので不変。 ということは、 Zが1より大→同じ圧力をかけても、理想気体のときよりVが大きくなってしまう、ということになるわけです。 つまり圧縮されにくい。 これが(1)をAと判断する理由になります。 (2)は、さきほど言いましたとおり 「理想気体において無視されているファクター」が重要になってきます。 ヒントは「立体的かさ高さ」と「分子間結合力の強さ」です。 特に高圧にして分子同士が近づいてくるような状況だと、これらの影響が大きく出てきます。
お礼
理解できました。 ありがとうございました。
お礼
非常に詳しい解説ありがとうございます。 おかげて、「なぜ」の疑問が晴れました。