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高校化学の理論計算、有効数字の扱いについて
こんにちは、受験生のものです。 例えば、 各イオンを4個ずつ含む塩化ナトリウムの結晶格子で、塩化ナトリウム密度が2.18g/(cm)^3と分かっていて、結晶格子の1辺のの長さが5.63×10^-8cmであるとき、塩化ナトリウムの式量Mを有効数字3桁で求めよ。ただし、アボガドロ定数=6.02×10^23とする。 という問題では、式量Mを用いて密度を表し、=2.18として解けばいいことは簡単にわかりますが、そのときに、 M=2.18×(5.63×10^-8)^3×6.02×10^23×1/4 ……(※) となって、これをまともに計算すると、 M=58.54882424≒58.5 などという、とてつもない数になり、とても手計算で出来ようなものではないし、そもそも、この問ではそんな計算を要求しているとはとても思えません。 他にも、PV=nRTを使って、ただ代入してnを求めるといった計算でも、 n=PV/RTとすると、P、V、R、Tが複雑な数値で計算がぐちゃぐちゃになることがよくあります。ほかにも、化学の計算問題では数値が見るのもいやになるような値になることが多くて困ります。 こういった計算をすばやく且つ有効数字に見合った正確な値を出すためには、どういった計算の工夫をすればいいのでしょうか? 東大をはじめとした入試問題など理論計算の分量が多く時間の少ないような試験では、ただがむしゃらに計算するだけではいけないようにも感じるのですが、いろいろ見た結果大抵の参考書、問題集では、はじめの計算式(この問題では※のような式)からすぐに答えが書いてあり、その途中の計算過程が省かれているのがほとんどで、どのように計算していいのかがわかりません。そこで、そのような計算問題を計算の仕方を教えていただけないでしょうか?また、この問題や他の計算問題でもなんでもよいので、それを例に挙げて計算の方法を説明してはいただけないでしょうか? なお、引用した問題は、旺文社の【化学I・II基礎問題精講】の必修基礎問12の甲南大学の問題です。
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- htms42
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#1です。 有効数字のもともとの考え方に戻ってみましょう。 測定を前提としている量には必ず曖昧さが伴います。 測定値だけが与えられている場合、その曖昧さは数字から判断するしかありません。表されている数字の次の桁が四捨五入されたものだと考えます。 2.18×6.02 で考えてみましょう。 2.18という数字の曖昧さは最大限2.175~2.184であるとします。(測定によってはもっと曖昧さが大きいものもあります。±0.02と注が添えられているものもあります。実験に信頼性がなければ2すら怪しいという場合もあります。この場合は測ったらこういう値が出てきましたということで3桁の数字がのっているだけなのです。) 同様に6.02は6.015~6.024の範囲にあるとします。 掛け算の結果は 13.082~13.156 になります。 これを見ると13.1まではほぼ確かですがその下の数字は意味を持たないことがわかります。 これが有効数字の桁数について「3桁かける3桁の場合の結果は3桁がせいぜいである」と言われているものです。 こういうのを5回繰り返すのです。 幅があって当然だということになります。 3桁目もかなり動くだろうという予想がつきますね。 でも全く信用できないわけではないでしょう。 58.5と出てくるか、59.2と出てくるか 計算の順番を変えるとまた変わるでしょう。 信用できるのは59までだというのが正直なところでしょう。 問題によっては 5.63^3=178.5 という数字が添えられているものもあります。難しいと言われている大学の問題の方がこういう数字が添えられている率が高いです。3乗を計算することが問題の中心ではないということがわかっているからです。 補足 出題者は有効数字という考え方がわかっていないのではないかと思うようになりました。 手元にある教科書や辞典を見てみました。 結晶格子の1辺の長さとして0.564nmという数字がでていました。理科年表を見るとNaClは格子定数決定の標準物質であると書れています。0.5640nmと4桁の数字が載っています。化学辞典(東京化学同人)で調べるとやはり0.564nmです。0.543nmとは3桁目で異なります。 密度の値を調べると辞典では2.164g/cm^3(20℃)と出ています。wikiでも2.16g/cm^3という値です。これも2.18g/cm^3という数字とは3桁目で異なります。 原子量から計算した58.5という数字に合うように数値を修正しているのです。合うはずのない値に対して合うはずだと考えて3桁の計算を要求しているのです。 >なので、多少の計算誤差があっても正解になります。 こういう大学ですから58.5と出さないと間違いであるとして採点している可能性があります。 もとに戻って考えます。 NaClの式量を求めるために結晶構造を使うなんてことがあるでしょうか。原子量も化学式もx線回折による方法が確立する以前に分かっています。23.0+35.5=58.5はわかっていることです。 だからもしこういう計算をするとしたらx線回折で得られた結晶格子に関する結果が妥当なものであるかの検算に使うだけのもののはずです。その場合は58が出てきても59が出てきても妥当な範囲です。 密度を求める計算もよく見ます。でも密度のようなマクロな量を結晶構造から求めるなんてことはしないはずです。上と同様に考えられます。 x線回折用の試料を用意した段階で化学式も密度もわかっているはずです。 高校化学で結晶構造が出てくるのはそれがアボガドロ数を求める方法の1つだったからです。ペランの「原子」という本(岩波文庫)を見ると出てきます。 ふつうに考えれば固体物理の教科書にあるような話を高校の化学の最初でやる必要はないはずです。不思議に思うはずなんです。 現在ではアボガドロ数が定数としてすでに与えられてしまっていますから問い方が逆転してしまったのです。 目に見えない、小さな原子や、分子、イオンの数はどうすれば分かるか、というのがアボガドロ数の測定ですが、大きさはどういう風にして知ることが出来るかというのも大きな問です。x線回折の方法はこの問に対しての解答だと位置づけるのが妥当だろうと思います。
まあ、基本は求められている桁数+1で計算して、最後に四捨五入ということになります。それと、計算の際にできるだけ式をまとめて、約分してしまうというのが有効な場合があります。かけ算を先にして最後に割り算をするとか。 ただし、その辺りはあまり神経質になる必要はありません。計算の過程で誤差が出るのは避け難いことです。かけ算と割り算のどちらを先にするかで誤差が生じることもあります。なので、多少の計算誤差があっても正解になります。
- c80s3xxx
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>M=58.54882424≒58.5 これで有効数字3桁を要求する問題を出すとは,いい度胸ですw 一般的には,58.5で切り捨てて計算した場合でも不正解にはできませんし,58.55 で計算すると,どこかで切り上げの連鎖で誤差が累積することもありえます.このような数値にならないようになんとかするのが作問の王道というものでしょうw 正答率はどうでもいいですが,採点のしかたを見てみたいですよw
お礼
>このような数値にならないようになんとかするのが作問の王道というものでしょうw ですよね!いろいろな問題をやってますが、計算問題でとても数値がきれいな値になるときはいいですが、複雑な値になるとこの野郎!って思うことよくあります。これは悪問なんですね(笑)。それがわかって、少しほっとしました。 ご回答ありがとうございました。
- htms42
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>M=58.54882424≒58.5 これはいくらなんでも計算しすぎです。 最終結果が3桁であるということがわかっているのですから途中計算はいくらか省略が可能です。 普通言れているのは1桁余分に計算するというものです。 途中計算は4桁でやるのです。それ以上の桁は四捨五入します。 それでも大変です。 手計算でやることが前提の問題で有効数字3桁はひどいと思います。 この問題で言うと3桁の数字を5回かけないといけません。 2桁にすべきでしょう。 出題者が実際に手で計算しているとは思えません。 考える時間を取ることが出来なくなります。 甲南大学の受験生でこの計算を楽にこなすことのできる人が何人いるでしょうか。回答率、正答率を教えて欲しいと思います。 初めからこの問題を捨てるか、またはこの問題だけに絞って他の問題を捨てているかのどちらかが多いでしょう。この問題を選んでも正答まで行きつかないものがかなりあるでしょう。 よくある問題で困るのは 「有効数字3桁で出せ」と指定してあるのに与えられている数字の中に有効数字が2桁のものが含まれているというものです。 工業系の大学に多いです。 工業の人は有効数字の意味を違って理解しているようですから困ります。
お礼
>途中計算は4桁でやるのです。それ以上の桁は四捨五入します。 つまりこういうことでしょうか? M=2.18×(5.63×10^-8)^3×6.02×10^23×1/4において、 (5.63×10^-8)^3=5.63×5.63×5.63×10^-24 =31.6969×5.69×10^-24 ≒31.70×5.69×10^-24 =180.373×10^-24 ≒180.4×10^-24 2.18×6.02×10^-23×1/4=13.1236×1/4×10^23 ≒13.12×1/4×10^23 =3.28×10^23 よって、 M=180.4×10^-24×3.28×10^23 =591.712×10^-1 ≒59.2 ということなのでしょうか?だいぶ、模範解答と異なった値になってしまいますが、誤差の範囲でしょうか? ご回答ありがとうございました。
お礼
>計算の過程で誤差が出るのは避け難いことです なるほど、計算はやはり誤差が出るのですね。今まで、問題を解いていたときに、微妙に値が違うなあ、と思ったときもそういう誤差だったのですね。有効数字の桁数とかによっても違うのだと思いますが、誤差の許容範囲ってだいたいどのくらいなんでしょうか? ご回答ありがとうございました。