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自由渦 速度ポテンシャル
自由渦の二次元円周方向速度uは u=k/r (k=定数) である この流れ場に速度ポテンシャルは存在するか また存在する場合はそれを記述せよ という問題なのですが 解き方が全くわかりません教えてください
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No1、lycaonです。 冒頭で divをスカラー演算子としたのは誤りで、スカラー量を作るベクトル演算子でした。訂正します。
まとめておきます。 ■円筒座標のベクトル演算 数学のベクトル演算に内積A・Bと外積A×Bがあるが、Aにナブラ(▽) ∇=(∂/∂r、 (1/r)・∂/∂θ、 ∂/∂z)・・・(1) Bに例えば流速ベクトルUをとると、divが内積、rotが外積に対応。 ベクトル演算子・量:grad、rot、∇、U、ζ スカラー演算子・量:div、△、r、θ、z、φ、k、Γ、Ψ 添字を<>で示す。 ☆ 3次元円筒座標(r,θ,z) gradφ=∇φ=(∂φ/∂r、 (1/r)・∂φ/∂θ、 ∂φ/∂z)・・・(2) divU=∇・U=(1/r)・∂(r・U<r>)/∂r+(1/r)・∂U<θ>/∂θ+∂U<z>/∂z・・・(3) rotU=∇×U=( (1/r)・∂U<z>/∂θ-∂U<θ>/∂z, ∂U<r>/∂z-∂U<z>/∂r, (1/r)・{∂(r・U<θ>)/∂r-∂U<r>/∂θ} )・・・(4) Δφ=∇^2φ=(1/r)・∂/∂r(r・∂φ/∂r)+(1/r^2)・∂^2φ/∂θ^2+∂^2φ/∂z^2・・・(5) ☆ 2次元極座標(r,θ) gradφ=∇φ=(∂φ/∂r、 (1/r)・∂φ/∂θ)・・・(2') divU=(1/r)・∂(r・U<r>)/∂r+(1/r)・∂U<θ>/∂θ・・・(3') rotU=(1/r)・{∂(r・U<θ>)/∂r-∂U<r>/∂θ}・・・(4') Δφ=∇^2φ=(1/r)・∂/∂r(r・∂φ/∂r)+(1/r^2)・∂^2φ/∂θ^2・・・(5') ■渦度ζと速度ポテンシャルφ 流体力学では rotUを「渦度」と言い、至るところ渦度がない流れを「渦なし流れ」または「ポテンシャル流れ」と言う。 渦(渦度)なし⇒ ζ=rotU=▽×U=0・・・(6) ポテンシャル流れには速度ポテンシャルφが存在する。 速度ポテンシャルを微分すると流速が出る。 速度ポテンシャル→ U=∇φ=gradφ ・・・(7) ■【問題】(改題) 自由渦の二次元円周方向速度uは u=k/r (k=定数) である。 強制渦の二次元円周方向速度uは u=kr (k=定数) である。 各々半径方向速度は0とする。 これらの流れ場に速度ポテンシャルは存在するか。存在する場合はそれを記述せよ 【解答】 (4')にU<r>=0 を代入。 rotU=(1/r)・∂(r・U<θ>)/∂r ☆自由渦: rotU=(1/r)・∂(r・k/r)/∂r=0 原点(特異点)以外の至る場所で渦度=0となるから、速度ポテンシャルφが存在する。 (2')と(7)より gradφ=(∂φ/∂r、(1/r)・∂φ/∂θ)= U=(0、 k/r) ∂φ/∂r=0 ⇒ 積分して φ=C1(θ)・・・(a) C1 はrについては定数で、θのみの関数 (1/r)・∂φ/∂θ=k/r ⇒ ∂φ/∂θ=k ⇒ 積分して φ=kθ+C2(r)・・・(b) C2 はθについては定数で、rのみの関数 (a)(b)両式は恒等的に等しい。両方を満足する形はφ=kθ+C、Cはr、θによらない定数。 θ=0のときφ=0としてよいから、 φ=kθ・・・(答) ☆強制渦: rotU=(1/r)・∂(r・kr)/∂r=2k≠0 速度ポテンシャルは存在しない。・・・(答) 【解説】 自由渦: 中心からの距離に反比例し、中心に近いほど円周方向の流速が大きい。 自由渦の原点は特異点で、ポテンシャル流れか否かの判定時には、特異点は除外して考える。 ビーカーの水をマグネット攪拌子で攪拌、風呂の栓を抜いたとき、鳴門の渦潮等で見られる。 中心付近の液面は朝顔の花弁のように陥没し、その下に渦糸が存在。 強制渦: 中心からの距離に比例し、中心から遠ざかるほど円周方向の流速が大きい。 流体要素が剛体のように一定の角速度で回転。 遠心分離機内の液で見られる。 中心付近の液面は回転放物面。 自由渦で、定数kを-Γ/(2π)と書き換えると φ=-(Γ/2π)・θ Γは「渦流れの強さ」と呼ばれる。 自由渦の流れの関数Ψは Ψ=(Γ/2π)・lnr 自由渦のφもΨも、非圧縮性流体なら Laplaceの式 Δφ=0、ΔΨ=0 を満たす。