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「集合・位相」を学んで思ったことを教えてください

皆さん、数学が好きで大学に入ったのに、高校との数学のギャップに苦しんだ方はいませんか? 私は特に「集合・位相」の教科(?)は 抽象的な概念で、その中でも中心となる「位相」が全然理解できず、 最近やっと 「あの時言ってたのはこういうことだったのか~」 と少しですがわかるようになってきました。 それでも、まだまだ理解できず悶々としています。 ここを理解するのに苦労した、こうやって自分は乗り切ったなど 同じ経験をされている方の意見を聞きたいと思い、投稿させていただきました!

みんなの回答

noname#221368
noname#221368
回答No.3

 参考意見で思いつきです。カッコつけて言うと、位相に関するエッセイです(←ホントか?)  きっと距離関数dはご存知と思います。距離関数の定義をそのまま読むと、距離関数が連続である事は必須にはなっていません。でも現実的な距離は、どれもみな連続関数です。そこで距離関数に連続という現実的な条件を加えてみると、距離関数の最初の2つの公理、  D1) d(x,y)≧0.  D2) d(x,y)=0 ⇔ x=y. から、数値としての距離値の大小順序と、距離関数の等高線(基点から等距離にある点集合)が囲む領域の包含順序に、きっちり対応が付くのがわかります(ここでは2次元で考えてます)。もちろん、ある距離で定義される領域は、それより小さい距離で定義される領域を全部含むです。このあたりで発想が逆転したのかなぁ~と、個人的には勝手に思っています。すなわち距離概念とは無関係に、集合(領域)の包含順序で遠い近いを定義できるのではないか?、と。  連続性を仮定した距離関数で、距離値の大小順序と領域の包含順序とに対応を付けるときに本質的なのが、等高線が囲む領域の境界を無視した開集合(開領域)を考える事です。この立場で言うと、開集合とは当面、次のように定義できます(2次元の開円板や開区間を想像して下さい)。  定義1.(開集合-1) Xを集合,DをXの部分集合の集合として、次の性質を満たすとする。    O0)A∈Dとすれば、任意のx∈Aについて、x∈V⊂AとなるV∈Dがある.   上記を満たすXの部分集合の全体Dの事を、Xの開集合全体と言い、Dの要素をXの開集合と言う。特にXに属する要素x∈Xは、Xの「点」と言う事にする。  定義1.のもとに、Xの一点xに関する近傍を定義できます。 定義2.(近傍-1) Xは集合で、定義1.による開集合全体Dを持つとする。x∈Xについて、x∈V∈DとなるV全体の事を、Xの点xの近傍全体と言い、β(x)で表わす。β(x)に含まれる集合は、xの近傍と言い、これは開集合である。  定義1.,2.と、具体的な開円板や開区間を考慮したとき、β(x)の集合について、次の性質が言えます。 V1) β(x)の集合を含む集合は、β(x)に入る. V2) β(x)の集合の有限個の共通分は、β(x)に入る. V3) xは、β(x)の各集合に入っている. V4) 任意のV∈β(x)の点z∈Vについて、V∈β(z).  この段階では、近傍は開集合です。従って今わかった事を、開集合に伝えるべきです。すると、次のようになります(重要なのはV2)です)。  定義3.(開集合) Xを集合,DをXの部分集合の集合として、次の性質を満たすとする。   (O1) Dの集合の任意の合併は、Dの集合.   (O2) Dの集合の有限個の共通分は、Dの集合.  というわけで位相空間とは、定義3.の開集合全体Dを持つ集合Xの事で、このときXは位相構造を持つと言われ、位相空間Xとも呼ばれます。Dを除いたXそのものを考えたい時は、位相空間Xの土台になった集合Xといった言い方をします(なんか、言葉の歯切れが悪いですが)。  ところで定義3.において、定義1.はどこへ行ったのかと言うと、次のようになります。まず、   定義4.(近傍) Xを位相空間(定義3.の意味において),x∈Xとする。xを含む開集合を含むXの部分集合を、xの近傍と言う。xの近傍全体をβ(x)で表わす。 と定義します。この時点で、近傍とは必ずしも開集合ではない事になりますが、定義4.においても、xを含む開集合は必ずβ(x)に入るので基本は同じです。本質的に定義3.,4.からV1)~V4)は全部導けます。そして定義1.は、次の命題(定理)になります。   命題1.Xを位相空間,A⊂Xとする。Aが開集合である条件は、Aがその各点の近傍である事。  これは明らかに定義1.の言い換えです。このように手の込んだ事をするのは、開集合の概念と近傍の概念を独立させたいという、技術上の訳だけがその理由です。定義3.,4.から、β(x)の集合の性質として、次の命題が導かれます。   命題2.β(x)の集合は、以下の性質を持つ。    V1) β(x)の集合を含む集合は、β(x)に入る.    V2) β(x)の集合の有限個の共通分は、β(x)に入る.    V3) xは、β(x)の各集合に入っている.    V4) 任意のV∈β(x)について、W∈β(x)あり、任意のz∈Wに対してV∈β(z).  近傍が、xを含む開集合そのものではなくなったために、V4)で一個余計に集合W∈β(x)が現れますが、基本は開集合によるものと変わらないのは、見て取れると思います。近傍を、開集合を含む集合としたために、その開集合のために、集合Wが一個余計に現れただけです。  開集合の概念と近傍の概念を独立させるという技術上の理由とは、次のWell-Difined性(ちゃんと定義できる事)の証明を、ちゃんと完成させたいという以外に、理由はありません。   定理1.V1)~V4)の性質を持つβ(x)は、集合X上に開集合全体Dを(定義3.による位相構造を)定義する。この(Dによる)位相によって、β(x)は点x∈Xの近傍全体になっている(定義4.の意味において)。  定理1.の証明とは、定義3.,4.と命題1.,2.を全部使用したWell-Difined姓の証明です。つまり近傍と開集合(開領域)によって遠い近いを定義できる事、それを抽象化したものが位相である事を、明文化するわけです。  この記述の目的は、定理1.に関する状況説明です。位相へのつまづきの第一歩は大概、定理1.の目的に関する訳のわからなさだと思います。これを越えれば、位相空間の本も比較的ふつうの数学書を読むように、読んでいける気がします。もちろんこんな事は、どんな本にも書いてありません。何故ならこれは、参考意見で思いつきだからです。そして、#2さんの仰る歴史の勉強は、とても大事だと思います。そこには動機付けの情報が含まれるからです(でも、なかなか出来ないですよね)。 [参考文献]  集合・位相入門,松坂和夫,岩波書店(きっと同じ本を読んでると思います).  ブルバキ数学原論 位相1、ニコライ・ブルバキ,東京図書,

GtoE
質問者

お礼

丁寧に解説付きで書いてくださりありがとうございます♪ 同じ本を読んでいますが、ddtddtddtさんの文章は堅苦しくなくとても楽しく読ませていただきました! ありがとうございます。

  • naozou
  • ベストアンサー率30% (19/62)
回答No.2

あんまりギャップに苦しんだ記憶はないのですが・・・。 どちらかというと高校の数学に苦しんだほうなので(笑) とはいえ、もちろん分からないことはたくさんありました。 それらは、大抵は「綺麗にできすぎている」ものでした。位相などは代表例ですね。 昔の頭のいい人たちが作り上げましたから、そう簡単にはボロはないですから、とっかかりがつかめないんですよね。完璧すぎて。 そういうときは、 まず、身近なモデルを思い浮かべる。ユークリッド空間とかヒルベルト空間とか。 つぎに、病的な例を探してみたり、へんてこな例を調べたり考えたりする。似たような方法で、定義を1つ外してみる人もいるみたいですね。 あとは、歴史を勉強する。大抵誰かが必要にせまられて編み出した者なのですから、その必要性がわかれば、納得することが多かった気がします。ついている名前からイメージを広げたりもしました。 最後はひたすら考える、ですかね。悩んで考えているうちにある日突然わかるときがありました。(いつもじゃなかったですけど)

GtoE
質問者

お礼

歴史を勉強するというのは思いつきませんでした! 別の観点から見て納得していくというのは良いですね!

  • HANANOKEIJ
  • ベストアンサー率32% (578/1805)
回答No.1

「トポロジー」という本を読んだことがありました。共立出版新しい数学へのアプローチというシリーズの1冊でした。岩波新書「無限と連続」、「εδに泣く」「∀と∃に泣く」岩波書店「解析概論」第1章、 数学30講シリーズ「位相への30講」志賀浩二著、など読んで見ました。まだわかりませんが、実数という数直線で表される線分のなかに、順序、遠い近いの極限をとるときに必要な概念がごっちゃにはいっている。それをひとつずつ、分離して、分析していこうという考えなのかな。「はじめよう位相空間」、どれをテキストにしてもよいですが、何回も何回も読んでみて下さい。近傍とか、オープンセット、オープンボールなどたくさんでてきますが、現実の数直線や実生活では、考えないような哲学的な考察です。慣れるまで、お経と思ってください。 疲れたら、現実の豊穣さをあじわってください。音、音楽、色、風景、味、香り、なんでもいいです。五感を刺激してください。 岩波講座現代数学への入門全10巻20分冊が、古本屋、ネットオークションで手に入ります。1冊が500円程度で入手できます。自分に読める本が必ずどこかにあります。その本と著者にめぐりあえるまで、図書館や古本屋を散策してください。

GtoE
質問者

お礼

色々な本を教えていただきありがとうございます! これから自分に読める本を探していきたいと思います!! 疲れた時の対処法まで書いていただきありがたいです。

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