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二項モデル(オプションプライスの計算について)

二項モデルでオプションを計算する際に、u=eのσ×√tと与えられますが、なぜeにσ×√t乗するのでしょうか。この場合、σはボラティリティでtが期間なのはわかるのですが、u=eのσ×√tの導き方がわかりません。感覚としては、σが大きくなれば、e>1だから、確かにuはおおきくなるのは感覚的にわかるのですが、eにσ乗していい根拠がわかりません。色んな教科書を読んでいても、これを所与とされてしまっているため、なんとなくでこういうものなんだーくらいにしかおもっていなかったのですが、詳細に知りたくなりました。どなたかご存知の方ご教示ください。

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回答No.2

なるほどですね。 この場で細かい数式を全て書きつくすことはできませんが、 仰るとおり、二項モデルからだけでは、このような形はでてきません。 究極的に表現したいことは、連続時間における株価のような資産価格の変動過程です。 そのためには、時系列Sについて ・T>0において負にならない ・Sの標準偏差は不均一でよい ・Sの標準偏差はSの水準が大きくなるにつれて大きくなる という動き(株価などがこのような動きをしますね→日経平均株価のグラフなどをじーっと眺めてみてください)を近似できるような確率過程を表せればいい、と考えます。 それが 幾何ブラウン運動 dS=rdSdt+σSdz です。Sは資産価格、rは無リスク利子率、Zはウィーナー過程です。幾何ブラウン運動を二項モデルで近似するとき、主として2通りのやり方があります。 1つは、資産価格の上下の変動確率pが等しいと仮定する方法。このとき、上下の変動幅uとdは等しくなりません(コックス=ロス=ルービンシュタイン=CRRの方法)。もう1つの方法は、上下の変動幅u、dは等しいが、上下する確率pは等しくないと仮定する方法(ジャロウ=ラッドの方法)です。 オイラーの数に標準偏差σとtのルートを累乗する方法は、このジャロウ=ラッドの方法です。 ちなみにCRRでは u=exp((r-1/2σ^2)Δt+σ√ΔT)  d=exp((r-1/2σ^2)Δt-σ√ΔT)  p=1/2 です。 この手の式の導出や近似の過程がどうやって出てくるのかは朝倉書店がたくさん出している金融工学の本などに載っていると思います。

Sourisan
質問者

お礼

>bigorange9さん 非常に参考になりました。 その導出過程については自分で確認してみたいと思います。 本当にありがとうございました!

その他の回答 (1)

回答No.1

・eはオイラーの数といいます。この数字は連続福利計算をする際の極限で、無理数=2.71828182…です。 ・例を挙げて考えます。1円を1年運用するのに、単利と半年複利では半年複利の方が有利です。半年複利より3ヶ月複利の方がさらに有利です。3ヶ月複利より1ヶ月複利の方がさらに有利です。・・・というように1年をどんどん細かく分けて福利計算をしていくと、これ以上有利にはなりえない極限があります。このとき、1年間の連続複利は、 r=1円×eのi乗 (rは1年間の運用結果、iは複利利率) となるのです。このことの形式的な導出は経済数学の初歩のテキストに載っています。σ×√tをかける理屈も同様です。なお、将来の価値を現在価値に直す場合にはeの(-i)乗することになります。

Sourisan
質問者

補足

>bigorange9さん ご回答ありがとうございます。 確かに連続複利のロジックはその通りですが、 ただ、私の質問の意図はちょっと異なっておりまして、 「ボラティリティであるσが、なぜ複利利率の代わりにこの位置に置かれてよいのか」 ということをお伺いしたいのです。 例えば、e×σ√t乗のσの部分がσ2乗√tじゃダメなのか、またはσを勝手に√σにしてしまっても、オプションプライシング上、ロジック的に問題があるのかどうか。。。 もっと言い換えれば、なぜボラティリティの数値をこの位置にこの形で扱ってよいのかという理由を知りたいのです。 あくまで、ボラティリティは、 その原資産価格もしくは原資産価格の収益率の変動率 であって、数学的にt期間における原資産価格の上昇幅であってよいということを導いてある証明が、どの教科書を見ても書いてありません。その証明が導かれない限り、二項モデルにおける原資産価格の上昇確率であるpを導くにあたってどうしても納得できないのです。 単に言葉を使っての説明でもいいですし、数式を使って、この問題の証明をしていただける方、補足いただけるとありがたいです。 VBAつかってマクロを書いていてどうしてもこの部分が腑に落ちないので、質問してみました。

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