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「気持ちが分かる」と「気持ちを分かる」
日本語の質問です。「彼の気持ちが分かる」と「彼の気持ちを分かる」の違いは何でしょうか?この場合、助詞「が」と「を」で微妙にニュアンスが違ってくるような気がします。
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はじめまして。 ご質問1: <「彼の気持ちを分かる」> この語法は文法的に間違いです。 1.「分かる」は自動詞ですから、目的語をとりません。 2.従って、対象を伴う格助詞「を」と共に使われるのは本来は間違いなのです。 3.ただ、「分かる」を=「理解する」という意味で捉えた場合に、このような語法も見られます。 「理解する」は目的語を伴う他動詞なので、「~を理解する」として使われるため、=「~を分かる」という語法に転用されることがあるのです。 ご質問2: <「彼の気持ちが分かる」と「彼の気持ちを分かる」の違いは何でしょうか?> 1.「分かる」の意味が違います。 (1)「が」の場「分かる」は合以下の意味になります。 1)はっきりせずにいたことにけじめがつき、明らかになる。 例: 「犯人がわかる」 2)それを受け入れて扱う能力が身に着いている。 例: 「英語がわかる」 3)価値や細かい区別や道理を見抜く十分な力がある。 例: 「音楽がわかる」「話のわかる人」 4)ご質問文の場合は、上記の3)の意味で使われています。 (2)「を」の場合本来は正しい語法ではありませんが、「分かる」は以下の意味で使われていることになります。 1)「~を理解する」の意味になります。 例: 「私のことをわかって欲しい」 2)「~を判別する」の意味になります。 例: 「何が正しいかを分からせた方がいい」 ご質問3: <助詞「が」と「を」で微妙にニュアンスが違ってくるような気がします。> おっしゃる通りです。 1.基本は「自動詞」と「他動詞」との違いがある、という点を考えると分かり易いでしょう。 2.つまり「が」の方は、こちらが働きかけなくても、主語である事柄が理解の中に入ってくる、という自動的な働きがあります。 3.「彼の気持ちがわかる」とは、彼の気持ちが自然に自分の理解・理屈の中に近づいてくる、入ってきてわかるようになる、という受動的な「状態=静」のイメージになります。 4.一方「を」の方は、対象に向かって働きかける積極的・能動的な様子を表しています。つまり、対象に向かってこちらから動作を他動的に働きかけるイメージです。 5.「彼の気持ちをわかる」とは、彼の気持ちに向かって、自分の理解を近づける、自分の理解の中に彼の気持ちを取り入れようとする、能動的な「動作=動」のイメージになります。 6.そこから、 「彼の気持ちをわかって欲しい」 などといった表現では、相手の「能動的・積極的な働きかけ」を期待しているため、「を」という助詞がふさわしいのです。 ご質問4: <「人の気持ちを分かるためには、相手の立場に立って考える必要がある」や「人の気持ちを分かることは大切」といった一般論の場合は、どうでしょうか?この場合は「が」を使うとおかしくなりますか?> 「が」を使ってもおかしくはなりませんが、ここでは「を」の方が適切です。 1.理由は、これらの文では、「分かる」=「~を理解する」という対象に対する積極的・能動的な働きかけのニュアンスがあるからです。 2.こちらから相手を理解しようとする働きかけのニュアンスを出すために、相手に向かって行くイメージのある「を」が適切になるのです。 3.また、「が」にしても大丈夫ですが、その場合は、 「人の気持ちが分かるようになるためには~」 「人の気持ちが分かるようになることは大切」 と、「ようになる」を補足した方がいいでしょう。 理由は、ここでは「が」を使うことによって、気持ちが自然に自分に近づいてくる、といった「状態=静」のイメージになるので、状態を表す「ようになる」という補助動詞を入れた方が、文意が通じ易くなるのです。 以上ご参考までに。
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- jo-zen
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ANo.3のjo-zenです。 >たとえば、「人の気持ちを分かるためには、相手の立場に立って考える必要がある」や「人の気持ちを分かることは大切」といった一般論の場合は、どうでしょうか?この場合は「が」を使うとおかしくなりますか?もしよろしかったら、どなたか教えてください。 ⇒私の説明に、誤解を招くようなあいまいさがあったと思いますので、以下のように補足させていただきます。 >>「を」では「彼の気持ちはわかるが、それ以外の人の気持ちはわからない」というニュアンスがあるからだと思われます。 ⇒「を」を使った場合、排他的な(限定の)用法となり、 それ以外の人の気持ちはわからないが、彼の気持ちはわかる もしくは それ以外の人の気持ちはわかるわからないを考慮しないが、彼の気持ちはわかる というニュアンスです。 「人の気持ちを分かるためには、相手の立場に立って考える必要がある」や「人の気持ちを分かることは大切」といった一般論の場合は、「他の動物の気持ちはわからないが、人の気持ちを」ということですから、「を」を使うのです。ひとくくりにした「人の気持ち」が対象だからです。
お礼
補足していただいて、だいぶクリアになりました☆助詞ひとつ違うだけで、意味が変わってくるから、使い分けには気をつけなくてはいけませんね。どうもありがとうございました!!!
- jo-zen
- ベストアンサー率42% (848/1995)
通常では、主体・対象を表す格助詞「が」を使った「(私は)彼の気持ちが分かる」でないといけません。 「(私は)彼の気持ちを分かる」では変な日本語となってしまいます。なぜなのかというと、「を」では「彼の気持ちはわかるが、それ以外の人の気持ちはわからない」というニュアンスがあるからだと思われます。 従って、「彼の気持ちを分かることは難しい」という場合は「を」を使うのが正しくなります。この場合は、対象が”彼の気持ち”のみだからです。
お礼
ありがとうございます!「を」を使った場合は、特定の人の気持ちが分かるということでしょうか?今、勉強中で少し混乱しているのですが、たとえば、「人の気持ちを分かるためには、相手の立場に立って考える必要がある」や「人の気持ちを分かることは大切」といった一般論の場合は、どうでしょうか?この場合は「が」を使うとおかしくなりますか?もしよろしかったら、どなたか教えてください。
- 3nk
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別の言葉に置き換えてみます。 「分かる」を「理解」にしてみると 「彼の気持ちが分かる」→「彼の気持ちが理解できる」(同感・同意) 「彼の気持ちを分かる」→「彼の気持ちを理解しようとする」(察する) といった微妙なニュアンスの違いがあると思うのですが・・・
お礼
なるほど!違った単語で考えてみるとイメージしやすいですね。ありがとうございました!!
- debukuro
- ベストアンサー率19% (3634/18947)
日本人はこのように使います 彼の気持ちが分からない あなたの気持ちは分かります:この後に「しかし~です」などが付くことがあります これらの気持ちは他人の気持ちを指します 私の気持ちを分かってください:相手に頼むときの使い方 私の気持ちが分からない(自分で自分のことが分からない)
お礼
「は」を使うと、また違った意味合いになりますね。助詞ひとつ違うだけで、文の意味が変ってくるから、意外と日本語って難しいですね。ありがとうございました!
お礼
Parismadamさん、一つ一つに詳しい説明をどうもありがとうございました!例文もつけていただき、とても分かりやすい解説だと思います!!言葉というのは、ここまで細かい分析ができるものなんだと改めて感じさせられました。お陰さまで、私のモヤモヤとした疑問が解決しました。どうもありがとうございました!!!