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「100人の生徒を教える」
よろしくお願いします。 辞書で「教える」という言葉を引けば、他動詞とあり、 用例としては、 「英語を教える」 「芸事を教える」 「うまいやり方を教える」 というように、教える物事を目的語としたものだけが載っています。 教わる人を文に入れれば、 「生徒に英語を教える」 「弟子に芸事を教える」 「うまいやり方を友達に教える」 のようになりますよね。 さて、 「Aさんは100人の生徒を教える中学教諭です。」 「何人の生徒さんを教えていらっしゃるのですか。」 「規律が乱れている児童たちを教えるのは大変だ。」 というような、人を目的語にした表現も、よく見聞きします。 これらは、本来の“教える”という動詞の使い方ではないのでしょうか。
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#1/#4のHollandです。 図書館で調べて参りました。(が、そのものズバリの記載はありませんでしたので、辞書の記述からの推測です。お許しください。) 「新訂・字訓」(白川静著)によりますと、《教(をし)フ》には「対処する方法を知らせる。また誤りを正して指導し、あるいは知識や技芸を人に伝える。」とありますので、和語としては、次のような順になるかと思います。 1)「(もの)を教える」 2)「(人)を教える」 3)「(もの)を(人)に教える」 一方、漢語としては、《教》の元来の意味は「氏族の一定年齢のものを集めて、氏族の長老たちが氏族生活の規範などについて教戒を行なう」とありますので、#4と反転してしまいますが、 2)「(人)を教える」 が元来の用例だったのかもしれません。 とまあ、いずれも求められているものとは程遠いもので、何回も書き込みまして、済みません。
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【教える】を三省堂の国語辞典で引っぱると、次のように出ていました。 1 知識・学問・技能などを相手に身につけさせるよう導く。教育する。教授する。「英語を―・える」「イヌに芸を―・える」「学校では三年生を―・えている」 2 知っていることを相手に告げ知らせる。「道を―・える」「花の名所を―・える」 3 ものの道理や真実を相手に悟らせて導く。戒める。教訓を与える。「父の生き方に―・えられた」「今回の事件が我々に―・えるところは多い」 「教える」には次のA~Bの幅があると思います。 A.ある物事を知らない人に対し、その物事を素直に伝えるだけのもの B.教える人が、教えられる人の人格や考え方を、変えようとする意図をもって教えるもの 上の辞書の2はAだと思います。 上の辞書の3はBに近いと思います。 上の辞書の1はAとBの中間だと思います。 Aは知らない物事を教えるのが主目的ですから、物事に「を」が付きます。 Bは教えられる人が中心になりますから、教えられる人に「を」が付くことが多いと思います。 >「Aさんは100人の生徒を教える中学教諭です。」 ・・・これはBというほどのものではありませんが、教える物事よりも100人の生徒に力点が置かれているわけですから、このような言い方もあると思います。 【教える】は 「A・他人の知らないことを何の細工もせずにただ伝えるだけ」 のものから 「B.ある意図をもって押し付けがましく(?)教え導く」 ものまでの幅があるようですね。 なお、この回答はAでもBでもありません。素人のたわ言です(笑)。
お礼
「学校では三年生を―・えている」 という用例が辞書に載っているんですね! これで、ついに膠着状態から抜けられそうです。 ありがとうございました!
> ここでは、「教える」に絞った話にしたいと考えております。 了解です ( ^^ > 人を目的語にした表現も、よく見聞きします。 > これらは、本来の“教える”という動詞の使い方ではないのでしょうか。 人を目的語に取ることは別に問題ないと思います。と言うか‥ 「教える」とは「人をして物事を知らしむる」ことですから、本来的に「教えるべき物事」と「教える相手」の二つを必要とする(目的語に取る)動詞だと考えるべきでしょう。 「Aさんは100人の生徒を教えている」 この場合、英文法で言うところの直接目的語に相当する「教えるべき物事」は省略されていると思われます。 「オムレツの作り方が分かりません」 「教えて進ぜよう!」(私は、あなたにオムレツの作り方を教える) * 日本語は、しばしば述語だけで意味が通ってしまいます。 「生徒に」と「生徒を」の違いですが、私は、これには然程深い理由はないだろうと思います。「に」、「を」いずれでも通用する点は、「行列が出来る店」と「行列の出来る店」の意味が変わらないのと似たようなもので、ある意味日本語特有のアバウトさの一つという気がします。 ただし、次のようにすべての目的語を省略せずに書く場合は 「Aさんは100人の生徒を太極拳を教えている」 では訳が解らなくなるので、生徒(英語で言う間接目的語)の方には「に」を当てているのだと考えますが、いかがでしょうか? * 私の辞書では、この場合の「生徒」のような言葉について「対象語と呼ぶ場合がある」という曖昧な説明をしています ( ^^; 【余談】 Mr_Hollandさんのご回答にある「注意を与えて導く、さとす、戒める」という広辞苑の用法ですが、それは恐らく次のような例でしょう。 「奢れる者は久しからず」とは、歴史の教えるところである。 これは「示唆する」に近い概念ですから、先生が学校で生徒を対象に学科を教える(教育する)こととは、基本的に違うだろうと思います。
お礼
深い理由はないということですね。 ありがとうございました。
- Mr_Holland
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#1のHollandです。 丁寧なお礼をありがとうございます。 >Mr_Holland さんからご回答をいただけるとは! >素晴らしいご回答をたびたび拝見しております。 >英語の専門家ばかりが並ぶカテゴリ別ランキングで、昨年4~6月に Mr_Holland さんと私がベスト5に割り込んだことが懐かしく思い出されます。 このようにいっていただけると恐縮です。 ランキング入りしたのは後にも先にもあの時だけだったのですが懐かしいです。 大分前のことですのに、sanoriさんほどの方に覚えていてもらって光栄です。 さて、《教える》の本来の意味ですが、手元にある漢和辞典によれば、次のようにあります。 1)先生から弟子に知識を交流させ、知識・経験・技術を伝える。 2)また、そうして導く。 この点から考えますと、sanoriさんがいわれるように、《教》の漢語の解釈としては、第一義的には「(人)に(もの)を教える」であり、その次に「(人)を教える」という用例ができたものと思われます。 もっとも、このような捉え方は、ひょっとすると、日本人が本来持っている大和言葉の感覚(和語)からはズレているかもしれません。 ちょうど明日は図書館で調べ物をしてくるつもりでいましたので、和語では元来どういう使い方をされていたのか見てきたいと思います(見つかるかどうかは分かりませんが)。 よろしかったら、しばしお待ちくださいませ。
お礼
再びのご回答ありがとうございます。 (2)の「導く」が当てはまりそうですね。
> 逆質問の件は、下記の(3)ですかね。 私の辞書では、「数える」は他動詞オンリーなのですよ (笑) 思うに、この世に辞書ほど突込みどころの多い書物もそうはありません。頭に多少遊びを持たせて相手をしないと、しばしば袋小路に迷い込みます。
お礼
まず文法ありきで言葉があるのではなく、存在している言葉の中から法則性を抽出したものが文法であると私は考えています。 そんな私ですが、あえて今回の質問をいたしました。 ここでは、「教える」に絞った話にしたいと考えております。 ありがとうございました。
『クイズ100人を聞きました』 と同じです (^-^ ) ・・・・・ って、そんなのあってたまるか!! (笑) この問題は「100人の生徒に教える教諭」と言えばあっさり解決するでしょう。むしろ頭を悩ませるのは‥ 先の空襲において、被災者は100万人を数えた。 逆質問みたいになってすみません ( ^^;
お礼
ありがとうございます。 「を」を「に」にしなくてはいけないということですね。 逆質問の件は、下記の(3)ですかね。 http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%BF%F4%A4%A8%A4%EB&kind=jn&mode=0&kwassist=0
- Mr_Holland
- ベストアンサー率56% (890/1576)
どちらも正しい使い方だと思います。 前半の「(人)に(ものごと)を教える」の《教える》は、「学問や芸事を身に付けるように導く」という意味で使われるのに対し、 後半の「(人)を教える」の《教える》は、「注意を与えて導く、さとす、戒める」という意味です。(広辞苑より) 両者は《教える》の意味が違うので、目的語の取り方が変わっても成り立つと思います。
お礼
Mr_Holland さんからご回答をいただけるとは! 素晴らしいご回答をたびたび拝見しております。 英語の専門家ばかりが並ぶカテゴリ別ランキングで、 昨年4~6月に Mr_Holland さんと私がベスト5に割り込んだことが 懐かしく思い出されます。 さて、 今回ご回答いただいた内容については、私も少し考えてみようかなと思います。 ありがとうございました。
お礼
多大なるお手間を取らせてしまい、すみませんでした。 文献探しも、大変だったことでしょうね。深謝いたします。 「[人]を教える」の方が、むしろ、元来の使い方であることは、予想とは言えども有力そうですね。