- ベストアンサー
ベクトル空間
有限要素法の変分法からの導出過程で、trial function等の説明でヒルベルト空間(Hilbert space)やソボロフ空間(Sobolev space)が出てきます。 traial functionが各空間に属する事が必須という説明の為に、この様な抽象数学の概念が必要なのでしょうか? 工学部なのですが、数学的センスが無いのでいきなり出てきたこのような概念の必要性に戸惑っています。 ・
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
少し段階を下げてみます. 方程式 x^2+x+1=0 を解きたいとします. しかし,これは実数解を持たないので, 中学校では「解なし」とか「そもそも扱わない」ことになります. けど実際は,複素数の範囲で解があります. 解があるように実数を拡張して,複素数を作るわけです. そして,複素数はきっちり実数の性質を いろいろと引き継いでいて有用なのです. この「拡張の構造」はいろいろなところにでてきます. たとえば,ソボ「レ」フ空間は ある種の微分ができる関数のなす空間ですけども, この空間まで関数を広げると,ある種の微分方程式が 解をもったりするのです. しかも,ソボレフ空間の要素である関数は われわれが普通に知ってる関数の極限になる,つまり 近似できることが知られています. つまり方程式を解くため, まず「解が存在するような空間」をでっちあげ, 「解があること」を保証してから, その空間の性質がよい性質, たとえば「知ってるもので近似できる」, を持つことを活用するという流れです. #ある意味ずるい手ではあります. 変分なんかだとオイラー方程式を解くわけですけども これは素直に解けないことのほうが多いはず. そこで考える全体を拡張して議論するわけです. その拡張先としてソボレフ空間(の一つ)を採用して, そしてソボレフ空間はヒルベルト空間の一種だから, 当然ヒルベルト空間の性質も大事になってくるという 流れでしょうね.
お礼
ソボレフでしたか。失礼しました(笑)。 まず分かりやすい説明ありがとうございます。おぼろげですが概念がわかりました。数学的才能のある人はここ迄考えるのかと感心します。 これを機会に数学的な感覚も勉強したいと思います。 ありがとうございました。