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初期密教について
初期密教は攘災招福を求めて仏の真言・陀羅尼を誦する呪法群ですが、これは都市部から広がり農村部に根を下ろした仏教の上から四世紀グプタ王朝によりヒンドゥー教が盛り返してきたことで習合が起こったととらえて間違いないのでしょうか。 それと、仏教が来る前の農村部ではヒンドゥー教が奉じられていたのでしょうか。だとしたらもともとのヒンドゥー教の地盤の農村部にはじめに仏教がきたときはどのような動きがあったのでしょうか。 成仏を目的としたものは『大日経』以降の密教ですが、初期密教が成仏を説かず現世利益の呪法ならば、初期密教のなにをもって仏教となすのでしょうか。
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- OshimaAtsuko
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未だに蒙昧から醒めませんのでしょうか?
- mmky
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初期密教というか密教自体の形式が仏教ではなくバラモン教の形式ですね。これはご指摘の「習合」がおきたということですね。例えば、中国にわたった仏教が道教の葬式を取り込んで生き残ったということと同じですね。 釈迦入滅後、文殊が男装の麗人となり象に乗り南に下り、伝道を始めます。これがご指摘の農村部への伝道でしょう。当時のインドはバラモン教による階層社会であり、それが転生輪廻の結果だと信じられていました。そこにどのような階層であろうとも成仏が可能であるとの教えを持ち込んだのが仏教ですから、農村部にも燎原の火のように広まったはずですね。文殊とともに伝道したのが善財童子といわれていますね。出家形式ではなく、農村伝道形式ですね。ジャタカ物語などもこのころにできたものでしょうね。 しかし民衆は現世利益を当然求めたはずですからバラモン教の司祭の儀式もそれに付随する呪法も求めたはずですね。そこに「習合」が起きたのでしょうね。釈尊は呪法(あるいは偈)は殆ど使っていませんので呪法群などあろうはずがないからですね。弟子が超能力信仰におちることをいましめていたのでしょう。現在の密教は仏教でいましめた超能力信仰の傾向にありますね。 2500年前に仏教のような高度な哲学を理解できる人々が多数いたということは、その人々を輩出したバラモン教もかなり高度な哲学や儀式を持っていたのでしょう。このころも現在も神道は儀式しかないですから比較にならないですね。インドで仏教が滅んだ理由はバラモンとの問題ではなく西から流入したイスラム教ですね。イスラム教徒によって壊滅していますね。仏教の天敵がイスラム教になるわけですね。 参考程度に。
- les-min
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こんにちは。 すでに充分な知識をお持ちのようで、出る幕はないかなと思いつつ、お邪魔しております。 個人的な見解に終始すると思いますが、お許しください。 自分は、仏教は、インドの農村部に「根を下ろした」状態にはならなかったのではないかと思っています。 4,5世紀あたりのヒンドゥーの復興は、インドの王権や貴族や上層富裕層が衰退し、彼らの文化活動も衰退したことにより、逆に社会全体の底辺を下支えしていた農民を大部分とする下層庶民の文化が浮き上がってきたことに起因するとされます。(←一応自分の知識では。) 状況的に都市型・上流向けのインテリ宗教として位置どっていた仏教は、その支持層であった王族・貴族・富裕層の衰退とともに、基盤そのものを失ったため、衰退したものと考えています。 そういう情況への危機感を背景に、むしろ仏教側がヒンドゥー文化を意味づけを変えて摂受し取り込んでいったという印象を抱いています。 農村部に仏教がやってきた頃というのは、推測するしかないですが、ヒンドゥーは、日本の神道と同じくきちんとした「宗教」としての体裁でなく、日常文化みたいなものだったのかと思います。 当初仏教は(またその後も)出家主義的な傾向が非常に強かったですし、また日常の農耕儀礼などに関わらなかったと考えられるので、農村をはじめとする一般階層に広く深く浸透したとは思えないです。 都市が発達し、統一王朝が生まれる前段階であった初期仏教の時代は、仏教以外にも思想家が出ていた頃ですし、そういういろいろな宗教・思想に属する遊行者に対して、もともと総じて寛容だったインドの人々は、信じる人は信じ、信じない人もとりあえず布施はしたという感じだろうか・・・と思っています。 初期密教に限らなくても、大乗経典は「功徳」を強調しますし、その中で経典を読んだり書写したりすることの功徳が、決まり文句のように出てきます。功徳というものが現世利益に結びつき、経典の呪文化につながることは、ご想像いただけるのではないかと思います。 「なにをもって」というよりは、大乗仏教の一側面を際立たせたもの、という感じでしょうか。(それも前述のような衰退への危機感が加わっているかと思います。) 雑感ですみません。