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ベクトルについて・・・。

ベクトルA=(a,b),B=(c,d)について A+B=(a+c,b+d) という代数的計算で導かれる定義についてなのですけど, なぜこれが座標軸に無関係であることを確かめるひつようがあるのですか。 成分表示が座標軸に依存するからですか。

みんなの回答

noname#221368
noname#221368
回答No.3

 #2さんの言葉で尽くされていますが、実際上はこうなるという話を書きます(高校生の方だと想定して)。  数学では、このような事を Well-Defined の証明と言います。意味は「ちゃんと定義されているか?」です。数学は現実世界と無関係と良く誤解されていますが、#2さんが仰っているように、本当は常に現実への応用も考えて作られます。ベクトルのような新しい概念が導入された時には、「ちゃんと定義されているか?」が問題になるわけです。実際数学では何か新しいものを定義すると、たいていWell-Defined性の証明が付いてきます。ところがこれは、成り立って当然の事をわざわざ証明するので、何でいまさら?のように見え、けっこう最初は無視しがちです。しかし一からやってみようとすると、とっかかりが非常に難しかったりします。何故ならそれは、例えばベクトルという概念を自ら理解して、自分で定式化するのと同じだからです。  私がWell-Definedの証明の価値に気づいたのは、数学を始めてずいぶん経ってからでした。そして数学の証明の中に、不必要なものは何もないと思いました(もともと極限まで無駄が省かれてます)。  今回のような小さな(?)疑問は決して無視しないで下さい。問い詰めれば、大きな意味があったりします。

回答No.2

ladyamotoさん、こんにちは。 > なぜこれが座標軸に無関係であることを確かめるひつようがあるのですか。 実はそれはとても重要なことです。 どのぐらいの予備知識を持っておられるのかわからないので、高校生と仮定して説明します。 ベクトルというのは、元々「長さ」(大きさ)と「方向」を持つ量と理解しておられることと思います。 例えば、紙の上にある長さ、ある方向の矢印を書いてみてください。これがベクトルAとします。またまだx軸y軸は書かないでおいてください。 そしてその和は、ご存知のように平行四辺形で合成したものです。最初に書いた矢印と始点をあわせて、適当な長さ方向を持つ、もう一つの矢印(ベクトルB)を書いて、二つの矢印を二辺とする平行四辺形を書いて合成してみてください。それが新しいベクトルA+Bです。 このように、ベクトルの和は元々座標軸とは関係なく定義されているものです。A+B=(a+c,b+d) という計算は、上記の平行四辺形での合成を、特定の座標系での成分で表現したものです。実際、後から適当なx軸y軸を書いて、確かに先に平行四辺形で合成したA+Bというベクトルの成分が、a+c, b+d になっていることを確認してみてください。 これら二つの結果は、もちろん数学的に等価なのですから、平行四辺形での合成と、ベクトル成分での足し算の、どちらを和の定義とみなしても良いのですが、後者の定義では元々は必要なかった座標系を一つ人工的に想定していることに注意が必要です。 ベクトルの和は元々一つ決まっているものなのに対して、座標軸は後から人工的に任意に(人間が好き勝手に)想定したものなので、どのような座標系で和を計算しても、同じ長さ、同じ方向のベクトルになっているはずです。これが「座標系(のとり方)に(結果が)無関係である」ということの意味です。(もちろん座標系が変われば各成分の値は変わってきます。) もしもそうなっていないとしたら、その計算方法は妥当ではなかったということになります。成分を用いた計算は、どんな座標系で考えても、結果的に平行四辺形の合成で作られるものが実現されるような計算の方法でなければならないからです。 それを確かめる必要があるかですが、それは、A+B=(a+c,b+d)という計算の仕方が本当に正しいやり方だということを十分に納得するために必要なのだと思います。 これは数学の中だけなら、その座標系を用いた計算方法が間違っていただけで済む話かもしれませんが、数学というものはいろいろなものに応用されるものであり、その立場ではこれは大変深刻な問題です。 例えば、物理学では様々な物理量がベクトル量になり、数学が使われています。最も初等的な例は「力」です。力は大きさと方向があり、また二つの力が働くときには「平行四辺形」で合成するということが行われています。それは机上の空論ではなく、現実に二つの力がある質点に働くときには、そのようにして合成した一つの力がその質点に働いているのと同じことになっています。そして、その力の合成を座標系を用いて代数計算で行うこともされています。 ところが、「力」も含む物理量は、物理的な状況が決まれば、あとは自然界の法則に基づいて決まります。例えば、あらゆる物体の質量や位置、電荷の分布の状況などの物理的状況を与えれば、その中におかれた物体や電荷に働く力は一意的に決まります。 一方、座標系というものは、人間が物事を考えやすいように、頭の中で想定したものです。座標軸には質量も何もありませんし、それは実体ではなく、絵に描いたもの、イメージしたものです。実体である物理量が、座標系の選び方に左右されるはずはないし、もし左右されるようであれば、そもそもそのような数学を用いたこと自体がまずいということになってしまいます。 すなわち、ベクトルの足し算が、座標成分を用いてA+B=(a+c,b+d)と計算したときに、どのような座標系で計算しても、同じ長さと方向のベクトルになっていることを確認することは、そのような計算方法が、数学的に、また応用上でも、正しいかどうかという、根本的な問題にかかわることなのです。 ちなみに大学ではベクトルの概念をより抽象化して、まず「ベクトル空間」というものを公理的に定義し、その要素が「ベクトル」であると考えます。その公理の一番重要なものは、ある集合Vの任意の二つの要素uとvをとったときに、その和u+vもVの要素になっているというもので、そのような集合Vをベクトル空間と呼びます。無限に広い紙の上に描いた矢印(長さと方向をもつ)は、その和を平行四辺形で合成したものと定義すれば、その結果も紙の上の矢印になるわけで、ベクトル空間の公理に適合しています。(他に0ベクトルが定義できるとか、いろいろ条件があります。) このように抽象化された「ベクトル空間」の話でもやはり、ベクトルの和は特定の座標系とは関係なく定義されています。従って、違う座標系で成分を計算しても、「ベクトル」としては同じ結果になっているはずだし、そうでなければ、その計算の仕方が適切ではなかったことになるので、これは確かめるべき重要な問題なわけです。

  • sanori
  • ベストアンサー率48% (5664/11798)
回答No.1

結論から先に書いちゃいますと、 ベクトル同士の足し算、引き算の法則は、 方眼紙のマス目が正方形ではなく、 長方形とか平行四辺形とかに変えても問題なく適用できるのですが、 たとえば、ベクトル同士の掛け算(内積、外積)やベクトルに行列を 掛け算する場合は、長方形や平行四辺形の方眼では、正方形のときの 法則をそのまま適用することができなくなるんですよ。 そういうことがあるので、ベクトルや行列の演算に関しては、 一次元では当たり前の法則がそのまま成り立つか否かを、 一つ一つ丁寧に調べていかなくてはいけないんです。

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