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低周波における反射について
- 低周波における反射について理解できるか疑問に思っています。分布定数回路においては反射があると理解していますが、低周波では線路長の影響を無視できるため反射は起こるのでしょうか。
- 教科書での説明が不十分で、集中定数回路の反射係数についても理解ができていません。具体的には、反射係数が二通りの定義がある理由もわかりません。
- 低周波における反射や反射係数についての参考資料やアドバイスがあれば、教えていただけないでしょうか。
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>sin波は反射波と入射波の重ねあわせによりできているものということですよね。しかしそれですと負荷によって反射係数が変化してしまいかかる負荷にかかる電圧が異なってしまうように思うのですが。 反射は伝送路の負荷端だけでなく、伝送路の電源端でも起きますので。 理想的な電圧源を繋いでいると仮定すると、電源のインピーダンスは0で、電源端では"伝送路の電圧=電源電圧"の境界条件を満足するような反射が起きます。 で、電源端で反射した波(電源から見ると進行波)が負荷端に到達して・・ ということをくり返して、最終的には、伝送路上の電圧はほぼ電源電圧に一致します。(細かく見ると、伝送路長に応じた分の電圧変化はありますが、無視できるほどに小さい) 有限のインピーダンスを持つ電源を繋いだ場合も同様。ただし、この場合には接続する負荷によって、伝送路電源端の電圧は(電源の内部インピーダンスによる電圧降下に相当する分だけ)変化します。この部分も、伝送路を考えずに集中定数で計算した場合と、整合が取れているかと。
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- nakjima
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電磁波(電解や磁界の振る舞い)については、マクスウェルの電磁方程式により高度にモデル化されていることはご存知のことと思います。 低い周波数では、集中定数回路的なモデルで、十分に電磁波の振る舞いについて記述できるわけですが、周波数が高くなるにつれ、このモデルは不完全性が増し適切なモデルではなくなります。 分布定数回路モデルにより、さらに高い周波数でも十分な精度で電磁波について計算することができるわけですが、 ご質問に関しては、あなたがどのモデルを選ぶのかと言うということに帰着します。 電磁波の反射は、インピーダンス整合の問題であり、たとえ低い周波数であっても、電磁波がある方向へ伝播するかぎりインピーダンスの不整合箇所では反射が起こります。 しかし、集中定数回路モデルでは、反射という概念は必要ありませんので、別の表現によって表されるにすぎません。 どのようなモデル化もすべては人の紡ぎだした概念にすぎませんので、常に不完全です。 あなたは、どのようなモデル(概念)でその物理的な現象をとらえ、そしてどのように記述しますか? ただそれだけの問題です。
>... 統一的な回路理論が理解できなくて細かいところまで気になってしまいます。 >そこがわからないとその定義の式をどこで使うべきかはっきりしないような気がしまして…。 もとのご質問から逸脱させてしまったようで...sorry。 集中定数の場合「定義の式をどこで使うべきか」、そのサンプルの素描だけしてお仕舞いにします。 [LCフィルタの設計] (1) Sパラメータで使う各ポート変数は入射量aと反射量bを使う。各ポートの電圧v,電流iで表すと a=E/sqrt{2(Z0+Z0*)}=(v+iZ0)/sqrt{2(Z0+Z0*)} (Pa=aa*) b= (v-iZ0*)/sqrt{2(Z0+Z0*)} (Pr=bb*) という形になる。 (2) フィルタ減衰量が零(無反射)になる周波数と、無限大(全反射)になる周波数を与えて、s=jωの有理関数を 作り(s11/s12)とする。LCが無損失(S行列がユニタリ)という条件から、S行列の各要素が算定できる。 (3) ポート変数の変換({a,b}→{v,i})をして、S行列から(たとえば)縦続行列を導き縦続回路の各定数を算出。 (途中で変数変換をする理由 : Sパラメータはフィルタ減衰量の計算はしやすいが、回路定数の算出は至極面倒)
>実際には反射されているのではなく、電力が入っていない、ということでよいのでしょうか。 >となると分布定数における反射係数とは異なるものなんですか。.... Sパラメータを利用しているとき「反射」の哲学的意味なんぞ考えていませんでした。 改めて反省してみると、電源-負荷間のインピーダンス共役整合、という概念が支配的なようです。 負荷へ「最大供給可能電力」が伝達されない場合は、インピーダンス不整合により電力が電源側へ反射 されている、という漠としたイメージです。 「Sパラメータ」のモデルは伝送線路上における入射/反射の現象から類推された形式のようですが、 もとになった線路上の現象を知らないと理解できないというわけじゃありません。 私見ですが、アナロジーだと割り切ったほうが精神衛生上は良さそうです。 (そこまで割り切ると理論体系はすべてアナロジーだということになりそうだが....いや、そうなのかも)
- foobar
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#1回答への補足に関して あくまでも、反射が目立たない、のであって、 反射していない、わけではないです。 もうひとつ、別の見方をすると、低周波を伝送している線路上では、進行波と反射波が適切な割合で混合されて、任意の電圧/電流を取れている、という見方もできます。
補足
>もうひとつ、別の見方をすると、低周波を伝送している線路上では、進行波と反射波が適切な割合で混合されて、任意の電圧/電流を取れている、という見方もできます というのは普段考えている理想電圧源によるsin波は反射波と入射波の重ねあわせによりできているものということですよね。しかしそれですと負荷によって反射係数が変化してしまいかかる負荷にかかる電圧が異なってしまうように思うのですが。
>集中定数における反射係数というものがどうやって定義されているのかわかりません。 >教科書ですと供給電力最大の法則の後にいきなり式のみが出ていてこういうものだという説明しかされていません。 >また、以下のようになぜ二通りの定義があるのかも理解できません。 >ρ=(Z0-Z)/(Z0+Z) ρ=(Z0-Z*)/(Z0+Z) ρ=(Z0-Z*)/(Z0+Z) が、S パラメータでのS11の定義です。 出力インピーダンスZ0の定電圧源Eに負荷インピーダンスZを接続した場合、負荷へ伝達される有効電力Peは Pe=(EE*/2)(Z+Z*)/{(Z0+Z)(Z0*+Z*)} これが最大になるのは Z=Z0* のとき、というのが最大供給可能電力(Maximum available power)の法則で、 その最大供給可能電力Pa は、 Pa=(EE*/2)/(Z0*+Z0) Pr=Pa-Pe の電力は電源側へ反射されるとみなすのが「S パラメータ」の流儀です。 Pr=(EE*/2)(Z0-Z*)(Z0*-Z)/{(Z0*+Z0)(Z0+Z)(Z0*+Z*)} になり、ここで反射係数ρを (ρρ*)=Pr/Pa により定義すれば、 ρ=(Z0-Z*)/(Z0+Z) ということでした。 「S パラメータ」流は一見バーチャル・リアリティみたいですが、LC フィルタの設計理論などで猛威をふるいます。
補足
>Pr=Pa-Pe の電力は電源側へ反射されるとみなすのが「S パラメータ」の流儀です 実際には反射されているのではなく、電力が入っていない、ということでよいのでしょうか。となると分布定数における反射係数とは異なるものなんですか。分布定数においては入射電圧波と反射電圧波の比によって定義されていますよね。
- foobar
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低周波でも反射は起きています。 反射による電圧波形の崩れる程度は、おおむね、伝送路を信号が往復する時間内の信号の変化量程度です。 線路長が十分無視できる程度の低周波では、伝送路内を信号が往復している程度の時間では信号の時間変化がほとんどなく(たとえば、線路長1.5mだと往復時間は10ns程度、10kHzの正弦波でも振幅の0.1%程度しか変化しません)、反射の影響はほとんど観測できません。 集中定数の回路だと、理想的には回路や部品の寸法が0なので、分布定数でおきる反射は考慮しなくても良いかと思います。(反射による過渡現象が、時間0で収斂してしまうので。)
補足
なるほど、低周波でも反射は起きているけど無視できる程度ということですね。しかしそれだと反射係数は常に0になると思うのですが質問にあるように定義されているのはなぜなのでしょう?
補足
というのも電源側に電力が反射されるというもののイメージがわからなかったもので。反射が起こり電源のインピーダンスで電力が消費されてしまうのならイメージがつくのですがそれは間違ってますよね。(整合がとれたとき電源のインピーダンスでも最大の電力を消費してしまうから矛盾する)よく考えたら実際には電源で電圧に対して反対に電流が流れることもありマイナスの電力を供給、つまりは吸収することもありそうです。 それとどうも統一的な回路理論が理解できなくて細かいところまで気になってしまいます。そこがわからないとその定義の式をどこで使うべきかはっきりしないような気がしまして…。そこまで気にしないほうがいいんでしょうかね?