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【よ】の用法について。「述べよ」は自然で、「選べよ」はなぜ不自然か。
試験などで、 「次の点について述べよ」などという設問が良くあると思います。 しかし、 「次の3つの中から選べ」とは言っても、 「次の3つの中から選べよ」とは言いません。 五段と下一段の活用形の違いと思いますが、 「選べよ」の「よ」は強調を表わす終助詞で、設問というあえて強調が不要な状況で使用するので不自然になるのか、とも思いました。 しかし、「述べよ」の場合は自然になるわけで、この「よ」はどういう役割かと考えるとわからなくなりました。 文法的にはどのように解釈すれば良いでしょうか。 部下に向かって男性の上司などが、 「たくさんあるんだから好きなケーキを選べよ」などと言う状況はあるでしょうが、 これとは別に、試験などの設問表現に限定してお答え頂ければと思います。
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五段とそれ以外の動詞の成り立ちの違い、としかいえない気がします。 このことは、当例の命令形だけではなく、終止、連体、仮定の各形にも表れます。 厳密にいうと、五段(つまり語幹が子音で終わるもの)の「選ぶ」はerab(語幹)+u(活用語尾)になります。このように子音語幹の動詞は、a/o、i、u、e、eという母音を付けて動詞として自立します。しかし、上一段や下一段他の語幹自体が母音で終わる動詞は、古来よりそれだけでは自立できていないのです。 「述べ(る)」の場合、その活用は、 nobe、nobe、nobe-ru、nobe-reときて、命令形はnobe-ro/nobe-yoとなります。要するにru,re,roがつかないと成り立たない動詞の系統だとしかいいようがないのです。このことは文語の上二段、下二段などでも(終止形をのぞき)同様です。 --もしかすると中古より遡って、成立事情から説明できるかたがいらっしゃるかもしれませんが私にはできません。回答にならず、説明だけで終わって申しわけありません-- 因みに、子音語幹動詞は四段、ナ変、ラ変由来(つまり現在の五段)、子音語幹動詞はその他の活用由来です。 また、口語で俗には「ちょっとこれ見ぃ」「はよ起きぃ」というようにyo/roをつけないで母音語幹化して話されるケースもあるようです。西日本の子音で終わりにくい地域にはこんな命令形もあるのだと思われます。このことから、やはり「ちょっとこれ見ぃーよ」というような「選べ・よ」というときの終助詞の「よ」から発展したのでは、という推測が成り立つかもしれません。「述べぇーよ」→「述べよ」ですね。「述べ・ろ」は「述べ・よ」のもと東日本方言でしょう。
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- azuki24
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選ぶ (四段/五段): ば/(ぼ)・び・ぶ・ぶ・べ・【べ】 → ○選べ+よ(終助) 述ぶ (文語下二段): べ・べ・ぶ・ぶる・ぶれ・【べよ】 → ×述べよ+よ(終助) 述べる(口語下一段): べ・べ・べる・べる・べれ・【べよ/べろ】 → ×述べよ+よ(終助) → ○述べろ+よ(終助) ×は文法的に有り得ない。 ○は口頭語としては有り得るが、文章語としては有り得ない。 …ということではないでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございました。 「述べよ」が命令形としての表示とは気付かなかったわけで、お恥ずかしい限りです。 外国の方のほうが詳しかったりして赤面させられます。 活用形を詳しくお示しいただき、大変参考になりました。
- EmiMiura
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再度です、 「述べる」に「よ(終助)」を付けるには、 「述べろ(命令形)+よ(終助)」になるのでしょう。
お礼
再度のご回答恐縮です。 大変参考になりました。 ありがとうございます。
- EmiMiura
- ベストアンサー率18% (72/386)
「述べる」の命令形の「べよ」は、 「べよ」で一括りの命令形なのでは、 「選ぶ」の命令形は「選べ」でしょう。
お礼
ご回答ありがとうございました。 「べよ」で一括りですか。 参考になりました。
お礼
ご回答ありがとうございました。 専門的見地からのご回答を拝見しながら、いつも大変勉強になっております。 文法はからっきし疎く、学校時代の不勉強を今さらながらに嘆いております。 「選べ」と同様に「述べよ」が正式の命令形である、ということがわかり大変勉強になりました。 今後ともよろしくお願い申し上げます。