- ベストアンサー
「無意識」は普段何をしているんですか?
「無意識」は夢に深く関係しているようですが、夢に従事していないとき、例えば、昼間は何をしているんでしょうか?
- みんなの回答 (24)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
無意識と夢とを結びつけて考えるのは,精神分析またはその流れを汲む立場です. 精神分析は,ご存じかと思いますが,フロイトに始まる,治療理論であり,パーソナリティ理論でもある学派です. フロイトによれば,心は,3つの心的装置と呼ばれる部分からなっており,その間の力のバランスでパーソナリティが決まると考えられています. これを力動的人格理論といいます. さて,その心的装置は,次の3つです: 1)エスまたはイド(Es,Id):無意識の代表的な部分で,本能的な衝動や,抑圧された欲求,記憶,イメージが貯留されています.この部分は,「快感原則」にしたがって,動き,「欲求が生じたら,即時に満足させたい」という働き方をします.エスは,生まれつきもっている部分で,赤ちゃんは,いわばエスのかたまりのような存在です. 2)超自我(super ego):超自我は,生後,両親などから承ける「しつけ」を自分の中に取り入れて(これを,内在化といいます),形作られます.超自我は,昔風の頑固親父のようなはたらきをします.つまり,良心の禁止,理想の追求です.具体的にいえば,「~しなければならない」「~してはならない」という作用をします. 3)自我(ego):自我も,生後,いろいろな人と出会ったり,社会的なルールに接する中で,次第に形成される部分です.自我のはたらきは,「現実原則」にしたがいます.つまり,エスと超自我の2つしかないと考えると,方や「欲求の即時満足」を追究し,方や「~してはいけない・~しなければならない」ということを主張しますから,現実の世界でうまくやっていけなくなります.自我の現実原則は,「現実の世界に適応していけるよう,エスと超自我の間等をうまく調整する役割」を果たしています. 自我・超自我とも,意識のレベルでいえば,前意識(ぜんいしき)~意識のレベルです. 先ほど書いたように,パーソナリティは,この3つの心的装置の間の力関係で決まるとされます. 1)エスが強い:我慢できない,わがままな,幼児的性格 2)自我が強い:現実的,理性的,合理的な性格 3)超自我が強い:生真面目,頑固,融通が利かない,抑圧的な性格 また,先ほどの意識のレベルとは,いわば自分で気づいているかどうかを分類するものです.これについても,簡潔に説明すれば,次のようになります. 1)無意識:エスがその代表的な存在です.通常は,無意識で何が起こっているかは,気づいていません.抑圧された衝動や記憶・イメージの貯留されている部分がエスですので,それがそのまま意識にのぼると,その人の自我の安定が脅かされるため,形を変えて(加工されて)意識にのぼります.その1つの形態が,夢なのです.夢で,たとえば,刀やピストルが男性器の象徴とされるのは,加工されているため,そう解釈されるのです. 2)前意識:普段は気づきませんが,何かの機会に,あるいは,努力すれば,意識にのぼる部分とされます. 3)意識:これは,私たちが普通に,気づいている部分です. 以上が,精神分析の考え方によるものです. 無意識は,したがって,昼夜に関係なく働いていますが,主に欲求(中でも,性欲,食欲,攻撃性など)の源であり,それらが抑圧(処理されないまま押し込められている)されている部分です. 昼間は何をしているかということ自体に,直接の回答になりませんが,このような仕組みを,精神分析では考えています. 通常の心理学で,「意識されない」「無意識的に」というときは,次のような考え方です: 何かをするときなど,かなり身についてしまっていることでは,ほぼ自動的にできてしまうことがたくさんあります. たとえば,クルマの運転で,初心者のうちには,するべき動作を1つ1つ思い出して,かなり努力して(意識して)行う必要がありますが,慣れてしまえば,助手席の友人と話をしながらでも,音楽を聴きながらでも,とくに考えずに運転ができますね. こういうように,学習が進み,自動的に行えるようなった場合に,通常の一般心理学では,「無意識的に行っている」ということがあります.
その他の回答 (23)
- hakobulu
- ベストアンサー率46% (1655/3578)
大雑把ですがひとつのイメージとして、 陸から見た海の表面が意識、海面下が無意識、といった感じではないかと思っています。 つまり、どちらも海に変わりはないのだろうと。 海面が見えているときには、見えないけれど海面下も同時に存在してるようなものだと想像します。 顕在化した無意識が意識なので、昼間であっても、パチンコに行ったり、夜は忙しいのだからといって昼寝をしているわけでもないように思います。 また、海面の変化が海水全体に影響を与えることもしばしばある(多分)ように、意識することによって無意識が変化する場合もあるように個人的には思っています。 無論、その変化は無意識に還元されるわけなので意識することは不可能でしょうが・・・。
補足
ご回答ありがとうございました。 無意識は、昼間、具体的に何をしているのでしょうか?
- kokoreko
- ベストアンサー率29% (79/267)
あなたがトイレに行ってればついていき、寒いと思えば寒いと思い、夢を見るときは大脳に影響を与え、、、ということです。 もっともあなたが考える無意識が「脳などに蓄えられた記憶(感情、事実、空想などすべて)のうち普段意識しないもの」でないなら、別の回答がいりますね。
補足
ご回答ありがとうございました。 無意識が「寒い」と思っているということは、どうしてわかるのでしょうか?
- バグース(@bagus3)
- ベストアンサー率29% (1973/6719)
無意識は昼間も考えていますよ。 たとえば、あなたが友達にメールしようかなと 思ったとします。それはそんな考えが急に 出てきたように思えるでしょうが、 実は無意識でずっと考えていてその結論だけが 意識の領域にやってきたので、そうおもえただけです。 無意識はいつも活動していますが、 あなたにはそれが見えないだけです。
補足
ご回答ありがとうございました。 私が「友達にメールしようかな」と思っていないときは、無意識は何をしているのでしょうか? 意識が命令するまで、遊んでるのでしょうか、それとも、何か仕事してるのでしょうか?
お礼
ご回答ありがとうございました。 フロイトの精神分析については、以前、多少聞きかじったことはあるのですが、エス、自我、超自我の関係がよくわからず混乱していました。でも、今回大変わかりやすくまとめていただいたので、なるほどと納得できました。ありがとうございました。 それで、色々考えてみたのですが、「無意識」について、私は勘違いしていたような気がします。というのは、そもそも「無意識」という「もの」があるわけではないんですね。「意識がない」とは言うけれど、「無意識がない」とは言わないですもんね。「無意識というもの」があるわけではないから、「無意識が何をするか」という問いもおかしいということになりそうですね。 では、何があるのかというと、ご説明にあった、エス、自我、超自我がある。すなわち、何かをするのは、「無意識」ではなく、エス、自我、超自我だということになりそうですね。そして、無意識は、あくまで、それら、エス、自我、超自我の働きに気付くか気付かないかの「状態」を表しているだけ。とりあえず、そんな理解になりました。