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ルネッサンスと宗教改革
ルネッサンスと宗教改革は似たような概念なのでしょうか、それとも相反する概念なのでしょうか。 以前は方向性を同じくする概念だと感じていたのですが、宗教改革の根底がキリスト教への回帰だとしり、人間中心主義であるルネッサンスと相反する概念であるかも知れないと考え始めました。それぞれの意見をお聞かせください。
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- tyr134
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ルネサンス(renaissance)とは、フランス語で再生を意味します。 14~16世紀に起こった文化運動を指してつかわれます。 古代ギリシア・ローマの文化を理想として、それを復興させようという一連の運動を言います。 ここで言う「文化」とは、別に絵画や彫刻などの文芸作品のみならず、政治・宗教なども含まれます。 宗教改革との関連性で言えば、古代ギリシア・ローマ(この時代はキリスト以前の時代ですので、キリストを知らないという「罪」がありましたが、それ以外では理想とされました)の神話や芸術技法などをキリスト教に適用させようという運動でもあります。 例えば、ボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチなどの作品は、聖書のある説話を元にして描かれています。 こうした絵画は文の読み書きが出来る人がほとんどいなかった当時、教会(カトリック派)の教義を市民に説明するためにも重宝されました。 また、そうした絵画や彫刻、詩文などを作る芸術家なんかを資金面や生活面で支援する「パトローネ制度」というのも成立していました。 そうしたパトローネになるひとは、都市の裕福階級とともに教会もなっていました。 ローマ教皇庁なんかは、かなり力を入れていました。 その象徴的なのが、ヴァチカンにあるサン・ピエトロ寺院の拡張工事でした。 でも、そうなると資金面でかなり負担が増える。 すでに多額の借金を抱えていた教皇庁は、苦肉の策として免罪符を発行するようになります。 それが、ルターなどに格好の攻撃材料となったわけです。 一方、宗教改革というのは、腐敗したカトリック教会を批難して、「聖書に帰れ」と説く人々の運動を指します。 その急先鋒がルターやカルヴァンだったわけです。 とはいえ、ルターやカルヴァンの運動が始まる以前から教会改革を訴える人はいました。 かのイエズス会を作ったイグナチオ・デ・ロヨラなんかが代表ですね。 で、イタリア国内でもそうした教会内改革を訴えた人は多数いました。(反宗教改革と言われていましたが、ルター以前からこうした動きはあった事から対抗宗教改革と名称が変わってきています) しかし、教皇庁のお膝元であることやルネサンス運動の中心であった事などから、なかなか進まず、そうこうしている間に、ドイツでルターが口火を切ったことで教会から独立しようという、いわゆる清教徒(プロテスタント)が発生していくわけです。 ルネサンスも宗教改革も、「神の真理」を追求するという意味では同じでした。 ルネサンスの聖書解釈は、古代ギリシア・ローマ文化や全ての基礎を神の似姿をしている「人」に置く人文主義の影響が多く観られます。 一方、宗教改革は教会や聖職者の奢侈や贅沢を批難し聖書の文章そのものに重きを置くようになっていきます。 そして、最終的にはカトリック派の総本山であるローマ教皇庁と縁を切ることになりました。 まぁ、「神の真理」を追求するという意味では同じでも、その方向性が違ったといった感じでしょうか。 ではでは、参考なれば幸いです。
- fountainofs
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私の意見は次のようなものです。 1.ルネッサンスと、ルターに始まった宗教改革とは、歴史的には関係がある。すなわち、共通する大きな歴史的背景の中に起こった運動。言い換えれば、ルネッサンスと宗教改革は共通の歴史的発生要因を持つ。 2.しかし、ルネッサンスを支えた人たちの精神的方向性と、宗教改革者(プロテスタンティズム)の精神的方向性は、逆方向。 前者は「宗教による縛りからの人間の自由・解放」。 後者は「より正しい(と自分たちが考える)宗教の縛りの追求」。 歴史的には関連があるけれど、精神的・哲学的にはかなり逆方向ですね。
- ss79
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宗教改革はあくまでも宗教上の区別でした。 ルネッサンスはそれを越えた人間性への回帰が目的でした。 従ってその最大の影響は宗教芸術の分野で特に目立ちます。 それまでは芸術で描写されるのは宗教や聖書に関連のあるものだけでしたが、ルネッサンス以降自由な題材を選ぶことが出来るようになったのです。 現在生きている人物の肖像画が描けるようになったのがその端的な証拠です。 それまでは群像の中に画家自身の肖像を描き込むのがセイゼイでした。
- nacam
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ある一面では、同じ概念と言えますし、相反する概念である一面を持ちます。 キリスト教と言いましても、それまでのカトリック世界では、慣例が重要視され、聖書に基づく規定以外でも、いろいろな縛りが有りました。 ルターなどの福音主義は、それらの聖書に基づかない慣例の打破を主張します。 これは、ルネッッサンスの人間復興と同じ概念を持ちます。 また、カルビン派にしても、カトリック社会からの独立解放を求める点で、ルネッサンスと同様の概念を持ちます。 一方、宗教改革により、より精神性を重視する人々も現れます。 アナバプテストの人達や、ピューリタンといった人々です。 彼らも、カトリック社会への反発として生まれますが、「人間性とは何か」といった面で、現実的利益とは正反対の方向に進んだ人達です。 彼らの原理主義的発想は、ルネッサンスの概念とはかけ離れた物になっています。 宗教改革で、最も変わったのはカトリックです。 キリスト教内で有力な競争相手を持ったカトリックは、それにより、近代的な組織へと変わり、世界最大の宗派へと成長します。 現在では、プロテスタントの方が、古い体質を持っています。