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西欧の戦争について
一部の時代を除いて西欧で行われる戦争は、領土紛争とか王位継承権等の 政治的要求を解決する事が目的で、一定の成果が あがれば手打ちになっているように思います。 何故勝敗如何によって国が滅びるような戦争は少ないのでしょうか? 例えばスペインはイギリスに負けた事で没落しましたが、 国自体が滅びることはありませんでした。 ナポレオン一世や三世が戦に破れて退位させられても、 フランスという国自体が取りつぶしにはなりません。 ヨーロッパ以外の地域ではこれくらいの大敗を喫したら、即座でなくともいずれは滅びるのが常だと思います。
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今までの回答とは別な観点から見てみたいと思います。と言うのは質問者様は“西欧”と限定し“東欧”は含めていませんね。 東欧は優秀な穀倉地帯であったので、領土を併合することにメリットがありました。が西欧では、領土併合に対するデメリットのほうが大きくなってしまいます。特にデメリットは#3さんが指摘されていますが、領土獲得後の統治に関することです。指摘されている以外では、とてつもない領土維持費がかかることがあげられます(軍事面で)。つまり領土拡張により、逆に貧しくなるのです。 次に、政治的要求が増えたことに関してですが、これは経済的優位性を導くためであると考えられます。領土拡張以外で国を富ますには経済活動が最も有効な手立てでしょう。この時代は競争力ある商品をアジア・アメリカから仕入れ、それを他の国に売りつけることで経済を発展させていました。これが最も成功したのが17世紀オランダと19世紀イギリスです。 ですので、この時代植民地の取り合いはしても国の取り合いはしていません。植民地は欧州で高く売れる作物(砂糖、棉など)が取れるので多く持っていても、維持費に見合う生産性がありましたが、欧州では貿易をして高く売りつけ、関税面で優位に立っていたほうが良いです。その関税面での優位性は政治的優位性により導き出されるので、必然的に戦後は政治的解決で決着されるわけです。しかし、経済的・地政学的に重要な地域は勝者が持っていきます。(トリエステ、ラインラント、ジブラルタルなど)。 ちょっと読みにくい文章で申し訳ありません。 最後に >スペインはイギリスに負けた事で没落しましたが ですが、決して大敗ではなく、スペインは17世紀を前半までは強力な海軍を有していました。スペイン没落の要因は、オランダ独立によるアントウェルペンの退廃、経済の縮小が挙げられます。一方でオランダ、アムステルダムが経済の中心地としてのし上がります。
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- rabbit_cat
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中世に関して言えば、西欧は一応、キリスト教という同じ価値観で統一されていて、王とか公とかは、教皇や皇帝の承認・戴冠が必要という了解ができあがっているんで、ただ戦争に勝ってもその国を直接併合することはなかなかできません。 併合するには、なんとかしてその地域に付随している爵位をゲットして(かつそれを諸侯に認めさせて)、爵位を兼ねる(同君連合)という形から、だんだん一体化するしかないです。 そういう形で一体になった地域も実際に結構あるんですが、途中で家系が途絶えたりして一体化が頓挫すると、とたんに昔の形に戻ってしまいます。 これが、非キリスト教徒相手なら、戦いに勝てば、爵位新設=即併合ってことになるんですが。第1回十字軍でできた国とか、ドイツ騎士団領とか、イベリア半島とか。 近代以降に関しては、どの国も国力がかなり高くなっているので、1回や2回、戦争に勝ったからといって、そう簡単に併合できるような痛手を負わせることは不可能になっています。 例外はナポレオンで、神聖ローマ帝国を解体して、ライン左岸を問答無用で併合、ドイツ西部とスペインをほぼ属国にしてますね。それほど強烈に勝ったと言えるのでしょうか。
- jk7
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19世紀までの戦争が話の中心になりますが、実はどの国の軍隊も現在のような統率力があったわけでもなければ、兵隊一人一人が生死の恐怖を越えて、機械的に戦うこともありませんでした。 つまり、ちょっと不利になれば、みな潰走…が普通でした。自分の軍隊も心底から信用できたわけではないので、戦死者を多く出すような決戦というのは、ほとんど行われませんでした。 ひとつはこれが関連していると思われます。 あとは国を滅ぼすと言うことは大変なことです。例え滅ぼしたとしても、次にそこを支配するのはまた至難の業です。言語・習慣・文化が違うからです。 そう考えれば、国王だけ自分の一族にすり替えて、住民の生活は何も代わらない…という形を取った方がいいに決まっています。 日本の戦国時代のように分国一つを奪ったり、奪われたり…とはわけが違うのです。
- fumidera2
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国自体が滅びることはなくても、戦勝国が敗戦国の王として自分の親戚を送りこんでいる例はたくさんありますよね。確か、ヨーロッパの国の過半数がハプスブルグ家だったこともあるはずです。これは事実上、国の取りつぶしと言えるのではないでしょうか。また、植民地化された南米でも、スペインやポルトガルの王族が皇帝になって本国から独立したこともありましたし。 要は、国の概念が今と違うので、今と比べられないということです。日本でも、四国の長曾我部家が関が原の戦いでお家取りつぶしになって山内家が藩主になりましたけど、土佐の国はなくなっていませんよね。それと同じことだと思います。
- merlionXX
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それは中世から近世にかけての限られた期間の話ですよね。 その時代、欧州の諸王はお互い親戚のようなものですからある程度で手打ちしたのではないでしょうか。 だから縁戚ではない欧州以外の国に対しては勝てば併合したり植民地化しましたよね。 20世紀になってからは、欧州内でも負けた国が併合されたことは独ソのポーランド分割やソ連のバルト三国併合など実例があります。