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to a world he had known
FREDERICK FORSYTH の THE DECEIVER の一節です。 Orlov looked around as if saying goodbye for the last time to a world he had known. と言う文があります。 Orlov は、ソ連の秘密警察の幹部で、西側に亡命しようとしている場面です。場所は西ベルリンです。 この文で、a world となっているのは、どういうニュアンスなのでしょうか。 1.as if があるため、仮想のことであることを示し、a になっている。 2.場所が西ベルリンで、Orlovが知っているはずのない世界だから。 等を考えたのですが、どうも、ピンときません。 the world he had known としたら、文脈的におかしくなるのでしょうか。
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Gです。 西ベルリンにこだわることはないと思いますよ。 これからの世界に行き新しい人生を歩むことが今起こるわけですね。 つまり、後には引けない状況に今あるわけです。 そしてそれに対し(西ベルリンに限らず)海を渡りまったく生活環境の違うまったく新しい人生を過ごすことになるわけです。 普通であれば、the world he knew (仮定法のため大過去になっています)でいいのです。 それが普通でしょう。 しかし、それでは上と前に書いたフィーリングが出ないのです。 あまりにもまだ身近なものと言うフィーリングが残ってしまいます。 似たような例文を書いてみますね。 Jack: Hey Mike, I've got a new girl friend. Hey Mike, I've got a new girl friend. her name is Jackie. Mike: C'mon, what happened with Michelle? I thought You guys were a perfect match! Jack: No, Jackie is the girl! Man, she is something else. She is so good that I might ask her to marry her tonight!! Michelle? She is just a girl now who I used to know. Jackie is the girl. お分かりでしょうか。 ミシェルはただの女の子に成り下がってしまったのです。 意味のない・自分にとって価値のない女の子となったわけです。 それに比べ、ジャッキーはthe girlなのです。 これからはmy girlと言える女の子なのです。 he had knownの世界はベルリンのことではなく今まで生きてきた東側の世界(地理的な意味と精神的な意味で)と言うことです。 もう意味のない世界なわけです。 さて、逆に皆さんに質問しますね。 もしこの表現がこのカテで添削してください、と言われた文章だったら同じ解釈ができたでしょうか。 多分私の思うには、the worldに変えなさい、と言うアドバイスになると思います。 それが普通ですね。 それが特に試験だったらそうするしかないでしょう。 しかし、この文章は正しい表現なはずだからどのように解釈したらいいのか、どのようにこじつけたらいいのか、と感じている人も中に入るのではないでしょうか。 (皆さんがそうしていると言うことではなく) なぜ今私はこれを読む人の中にはなんて失礼なと思われるようなことを書くのでしょう。 それは、フィーリングと言うものがこの文章ではにじみ出ているからわかってもらいたい、と感じるわけです。 たった一つの文字であるAでこんなにも変わるのです。 私がここへ着てまもなくアメリカが月に着陸しました。 そのとき二ール・アームストロングが "That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind."と言いました。 なぜ、ここで[a]となっているのでしょう。 あの頃の音声通信技術では聞き取れなかったのです。 しかし、どちらかにするかでまったく違う意味、それこそまったく違うフィーリングになってしまうのです。 アメリカとして誇るべき思想観念が[a]があるかないかで吹き飛んでしまうほど大きな意味合いを持っているのですね。 それほど大きな意味合いがこの[a]にはある、と言うことなのです。 だからこそ、今回のご質問は非常に重要な英語の勉強において選ぶ言葉・単語と持っているフィーリング・表現したいフィーリングのつながりを大切にするべきだと言うことをサポートする大きな意味を持った質問であり、単なる文法的質問としてもらいたくないと言うのが私の願いです。
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- Riverview
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英語を外国語として学ぶ者には冠詞は永遠の課題です。 フォーサイスほどの作家ですから、「the」ではなく「a」を使う以上それなりの意味があるはずです。 課題の文に取り組む前に、分かりやすい例を取り上げます。 So, Carter takes us to a world we know well, at least through magazines, advertising, and movies. A Review of Hungary Ghost URL: http://tinyurl.com/ch9r4 「・・・映画を通じてよく知る世界」とあり、想像の中の世界ですから、ここでは「a」を使うのが適切です。 And yet it is very close to the world we know. Real kids on their way to school do eat candy; in the world of Hogwarts・・・ Everyday Details in Far-Out Fiction URL: http://tinyurl.com/dmr43 「(われわれが生きている)現実の世界によく似ている」ということで、ここは「the」が自然です。 Orlov looked around as if saying goodbye for the last time to a world he had known. この場合も作家が「the」ではなく「a」を使った意味があるはずです。 秘密警察の幹部ですから拷問、殺戮などおぞましい経験をもっているはずです。しかし、そういう立場にはあっても、肉親もいれば友人もいて恋もするでしょう。家族の絆、友情、恋愛などは政治体制を越えた普遍性があります。ここでOrlovが別れを告げようとしているには、人間の絆で結ばれた世界ではなく、秘密警察の幹部として生きてきた世界のことなので、「a world he had known」なのだと考えます。
お礼
ありがとうございます。 言われていることの意味がよくわかりました。 確かに、「無価値化の a 」のようなものなのですね。 どうも自分は、前後の文の、文法構造の中で解釈するようなくせがあり、仮想の世界でのことなので、「新発見の a 」なのかとも思ったのです。でも、それも、何かしっくり来ず、それで、質問させていただいたわけです。 重ねてありがとうございました。
- Shinnbone
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私も、a world は特に西ベルリンを指しているとは思いません。アメリカへ亡命する直前に、つまり、これから「別の世界へ」いく直前に、「今までの世界」に別れを告げているだけだと思います。だから、これは西ベルリンという場所が重要なのではなく、車に乗り込む直前、という時間が重要だと思います。その車に載った時点で彼の世界は変わってしまう、その前に、今までの(よく知っていた)世界に別れを告げるように辺りを見回した、という事でしょう。あえて言えば、「車の中」という新しい世界に入る前に、「車の外」という今までの世界を見回したのだと思います。
お礼
ありがとうございました。 お礼を書き込む際、急いでいて、申し訳なかったのですが、こちらが抜けてしまいました。 確かに実際の動作としては、車に乗り込むと言うのが鍵ですね。 しかし、それだけに、つまり、実際に目に見える外側の世界をa world と表現していることに、違和感を感じていたのです。 距離感みたいなものを出す為だったのですね。 ありがとうございました。
- kochory
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西ベルリンという特定の場所とa worldを結びつけてしまっている点が、 根本的な読み違いなのだと思います。 「アメリカのエージェントの車に乗り込む」=「これまで生きてきた世界を離れる」 ということです。 ここでいう世界とは、具体的な場所のことではなくて、その人が生きてきた環境のことでしょう。 たとえ場所が西ベルリンであれ、アメリカのエージェントの車に乗り込むまでは、 彼は共産圏の人間であり、共産圏の世界に属しているわけです。 そして、車に乗り込んだ瞬間、場所は同じ西ベルリンでも、 彼にとってはそれはもう異なる世界なわけです。 その車に乗り込んだ瞬間に彼は「亡命者」となり、長年親しんできた共産圏の世界から 永久に追放されるわけです。 そのような感慨を持って、共産圏の人間として存在する最後の瞬間に、 世界に対して一瞥をくれてやったということでしょう。
お礼
ありがとうございます。ちょっと体調が悪く、お礼が遅くなりました。 自分の感覚としては、a world he had known と、過去完了が続いているので、具体性がかなりあり、それについて、a world は、なぜかな、ということだったのです。 過去のことには、よくthe をつけますよね。だから、そのこともちょっと気にかかっていたのです。 しかし、言われているとおり、過去の過ぎ去ったもう出合うことのない世界という意味だったのですね。 ありがとうございました。
- Ganbatteruyo
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Gです。 こんにちは。 taroandjiroさんに似たフィーリングですが、亡命する、と言う事はこれから一生住む所なわけですね。 つまり、そこが彼にとって、The Worldなのです。 自分の世界になるわけです。 これからは今までいたところは自分の人生の中の一つの世界に成り下がる、もう自分の世界ではなくなるんだ、と言うフィーリングを出しているように感じます。 to the worldではこれからは新しい人生が始まるんだ、と言うフィーリングが感じ取れません。 「これからが人生だ」と日本語言った場合、じゃ今までの人生は何だよ、と聞いたら、単なる俺の歴史さ、と言うフィーリングに似ていると思います。 つまり、「俺の人生」にさよならを言うのではないわけですね。 俺の人生にハロー、なんですね。 だから、the world(俺の世界)にさよならするわけにはいかないわけです。 これでいかがでしょうか。 分かりにくい点がありましたら、補足質問してください。
お礼
ありがとうございます。 >これからは今までいたところは自分の人生の中の一つの世界に成り下がる、もう自分の世界ではなくなるんだ、と言うフィーリングを出しているように感じます。 そうなんですか。Gさんもpirokoさんやtaroandjiroさんと同じく、そういう解釈であれば、納得するしかありません。 それでも、もう一回、質問させてください。自分の疑問点がある程度、整理できつつあるのです。 最初はなんとなくしっくりこないと言う感覚だったのですが、次第に、西ベルリン=知らない町=それを a world he had known とした点への違和感、つまり、had known と言ってしまう点がおかしいと思っていたようです。 そして、仮想の話なら、西ベルリンをモスクワと置き換えて、置き換えだよと言うことを示す為に、a world としたのかなと感じだしました。モスクワとは違って、本当は自分の知らない町である西ベルリンを新発見と言う感覚でa world とする。 上のような解釈は無理でしょうか。
- domni
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こんちには。よろしくお願いします。 Orlov looked around as if saying goodbye for the last time to a world he had known. a world he had known を「Orlovがずっと見続けてきた一つの町」と考えてはいかがでしょうか。 he had knownは完了形の継続なので「彼が仕事を始めて以来ずっと」なのか分りませんがとにかく、known の後にsince ~(~以来ずっと)が省略されています。ここでは「見続けてきた(知り続けてきたの意味)」と訳してみました。 a world というのは西ベルリンそのものを表した言葉であり、特別なニュアンスなどないと思います。ただ単に町=world と格好つけて詩的に隠喩しただけのことです。 なぜ「a」 なのかというと、Orlovが西ベルリンのような町、あるいは単に馴染みのある町をいくつも知っていて、西ベルリンはその中のひとつであるという意味なのではないでしょうか。「the」に換えてもそんなに意味は変わらないと思います。むしろthe world =西ベルリンという意味がはっきりしてくると思うのですが、ここらへんも著者の文学的センスの問題だと思います。 蛇足ですが、 as if の部分の解釈は、a の件と全く関係なしです。 goodbye とは口に出さなかったが、looked around している姿はあたかもそういっているようだった、という意味ですね。 でも、西側に亡命する時に西ベルリンに最後の別れを告げなければならないと言うのはどういうこの何でしょうか。「西ベルリン」でなく「モスクワ」とかなら分かるのですがね。 失礼しました。
お礼
上の場面は、ソ連と西側の合同軍事演習が、西ベルリンで行われ、ソ連側軍部が西ベルリンに出向いてきている設定です。Orlovは、アメリカのエージェントに連絡を取り、アメリカへの亡命の為、アメリカのエージェントの車に乗り込むという場面です。 ヨーロッパから離れ、アメリカへ行くという、その理由のため、見納めとしてgoodbye を言うのはよく分かるのです。 ただ、なんとなく、自分の疑問の内容が分かってきました。 as if saying goodbye for the last time to a world he had known で、西ベルリンは、彼の知らない町のはずで、それに対して、a world he had known は、事実として矛盾するが、それを許すのが、as if なのかとなんとなくこじつけてみたかったのが、自分の疑問の一つだと今は感じています。 つまり、西ベルリンは、決して知らない町ではなかったのかも知れませんね。 どうもありがとうございました。
- taroandjiro2001
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1. He said goodbye to the world he had known 2. He said goodbye to a world he had known 別に1でもいいと思いますが、これだと、彼がかつて知っていた世界が彼の人生のすべて、彼を包み込んでいた大きさに見えるからじゃないですか。その世界の重みがでています。 2は、1に比べると、彼の知っていた世界がいかにも世界の一部にすぎない、部分的な世界である印象を与えます。 Orlov にとってそこはもう、大人にとっての小学校の校庭のようなもの。別れを惜しむほどのものではない、小さな世界という印象、「ちっぽけさ」を与えます。 女の人は離婚したり、死別すると、 She said goodbye to a world she had known. ですね、きっと。 男は He said goodbye to the world he had known. あってたらいいけど。
お礼
ありがとうございます。 確かに google で検索すると saying goodbye to a world " の検索結果 約 122 件 "saying goodbye to the world " の検索結果 約 538 件 の両方が出てきます。 やはり、「他にもいろいろあるという a 」の解釈なのですかね。
- piroko121
- ベストアンサー率29% (32/109)
>1.as if があるため、仮想のことであることを示し、a になっている。 >2.場所が西ベルリンで、Orlovが知っているはずのない世界だから。 どちらも違うと思います。 文章を訳してみると、「Orlovは彼がよく知っていた世界に最後のさよならを言うかのようにあたりを見回した」となり、仮想でも知らない世界の話でもありません。 Worldは、世界一般を指すときにはtheをつけますが、この場合、「彼が知っている世界」という、世界の部分のひとつであることを強調するためにaが使われているのではないでしょうか。つまり、彼はこれから新しい世界に生きるわけですから、他にも世界はあるわけです。
お礼
ありがとうございます。 a blue moon と同じ理屈であるということですよね。 自分は、a blue moon については、一時期と言うか一時というか、そういう時間の狭さみたいなもので a が付くと感じてい、確かに、言われるとおり、今までの世界と今後の新しい世界と分かれるのは、時間的に、または空間的に、別のものなので、論理的になっとくします。 ただ、それでも、何かしっくりこないのですよね。 「あたりを見回した」は実際の動作です。しかし、 「彼がよく知っていた世界に最後のさよならを言うかのように」の部分は、書き手の推測と言うか解釈と言うか、そういうものですよね。 そういう推測の対象であるために、「彼がよく知っていた」と言う限定詞が付いているにもかかわらず、未知の a とも言うべきものが付いているのかとも感じるのです。 なにか、自分でも、何を書いているのか、よく分からなくなってしまいました。 ただ、どうも、感覚として、別離とか新たな出発みたいな感じは受けないのですよ。
もう少し全体を読んでみないとなんともいえませんが・・・ "the world he had known" でも問題はないと思います。 "a world" となっているのは、Orlov がそれまでいた東側の世界を「単なる一つの政治体制」ととらえていて「新しい西側世界への期待」を感じている、ということだと思います。
お礼
ありがとうございます。 何か議論の為の議論になりそうなので、あまり押すつもりはないのですが、 「単なる一つの政治体制」との意味でa を使うのであれば、無価値化の a ということですよね。すすると、 次のような文章は、不自然となるのでしょうか。 I think a book he wrote last year is interesting.
お礼
Gさん、重ねての回答、本当にありがとうございました。ちょっと体調が悪く、お礼が遅くなりました。 重ねて回答をいただいたとおり、もう過ぎ去った世界に対して、「無価値化の a 」がついていたということですね。 大変勉強になりました。 しかし、本当に、フィーリングを表す部分は、難しいと、改めて感じました。 重ねて、ありがとうございました。