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相対性理論と放射光

相対論的電子が磁場で曲げられるときに発生する放射光が前方に集中し、短波長の光が発生する理由を、特殊相対性理論んを使って定性的に述べよ、という問題なのですが、私にはどこから手をつけたら良いのか全く分かりません。分かる方教えてください。お願いします。

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  • o_pato
  • ベストアンサー率50% (6/12)
回答No.4

電子が,x軸の正の方向に向かって進むものとします. まず「静止している電子」に加速度が加えられたとき,電子から放射される電磁波のエネルギーのうち,+x方向に進むものの総和と,-x方向に進むものの総和とは等しいことが分かると思います. 今度はこれを,-x方向に高速で移動する系から観測することを考えます(つまり,電子は+x方向に高速で動いて見える). すると,Doppler効果により,+x方向に進む電磁波はx軸方向に押し縮められます(波数ベクトルのx成分が大きく,つまり短波長になる).従って,電磁波の運動量のx成分が大きくなり,放射は,前方に集中します. 一方,-x方向に進む電磁波に関しては,これと逆のことが起こります. 以上により,電子が動いている場合,前方に放射される電磁波は,静止時より短波長(高エネルギー)で,かつ,放射されるエネルギーはx軸の周りに集中し,一方,後方に放射される電磁波は,静止時より長波長(低エネルギー)で,かつ,放射されるエネルギーはx軸の方向に凹んだようになります. こんな感じでしょうか.定性的過ぎて,正しいのかどうか自信がありませんが... 以降余談. 定量的に求める方法としては,実際に運動している電子の周りのポテンシャルを素直に計算する(非常に面倒),あるいは,静止している電子についてのLarmorの公式をLorentz変換する(結構面倒)などがあります. これらの計算をすると,高速電子の放射のエネルギーの大部分は,x軸の周りのθ<√(1-(v/c)^2)≒0の領域に集中することが分かります. ちなみに,この,放射が前方に集中することをビーミングと呼びます. 太陽の周りを回っている小さな粒子は,太陽からエネルギーを受け取り,そのエネルギーを電磁波として,放射します.このときビーミングが起こるため,粒子はゆっくりと角運動量を失い,やがて太陽に落ちていきます.これをPoynting-Robertson効果といいます.

その他の回答 (6)

noname#11920
noname#11920
回答No.7

#1(#6)さんの仰ることはごもっともです。 ただ、私がこの問題を見たときに、 一般相対論の入門の講義のレポート問題のように思ったので、 #2、#3のように回答しました。 そこで思ったのですが、あなた(質問者)は何回生ですか? (1、2回生への問題で相対論的なシンクロトロン放射を計算するのは個人的には無理だと思います)

回答No.6

よ~く考えてみましょう。ドップラー効果は非相対論的な電子でも見られます。しかしここで問題にしているのは相対論に特有の効果のはずです。正確な計算によるとシンクロトロン放射の強度分布は次の臨界波長で最大になることが知られています。  λc = 4πρ/(3γ^3) ここでγは電子のエネルギーと静止エネルギーとの比 γ=1/√(1-(v/c)^2)です。(例えば、日本物理学会編,シンクロトロン放射(倍風館)p.22)。一方Doppler効果による速度の方向の波長の変化は元の波長をλ0とすると  λ = λ0/γ であり、一致しません。電磁波の放射はポインティングベクトルで計算されますが、粒子の静止系から観測者の座標系への相対論的なテンソルの変換則の結果として分母に(1-v・n/c)が現れます。その結果、電子からの放射場は電子の進行方向を軸とした頂角1/γの円錐内だけで観測されます。したがって円運動をしている電子を円の接線方向から見る観測者にとって、放射は持続時間の短いパルス状になります。波長を求めるためにフーリエ変換すると持続時間が短ければ波長は短くなります。詳細については前掲書を見て頂きたいのですが、こうして臨界波長が1/γ^3 に比例することを定性的に理解することができます。ここで質問されるよりも自分で文献を捜すことをお勧めします。

  • ojisan7
  • ベストアンサー率47% (489/1029)
回答No.5

定性的に述べるのは、難しいですが、私の理解している範囲では・・・間違っているかも知れませんが、 短波長の光が発生する理由は、Doppler効果で理解し、放射光が前方に集中するのはLienard Wiechertのポテンシャルの形を見れば理解できるような気がします。(前方の方がポテンシャルが高い) 話を単純化し過ぎてしまったような気がしますが、どうでしょうか。

noname#11920
noname#11920
回答No.3

#2に補足。 放射光の波長については、相対論的な光のドップラー効果を考えれば終わりです。

noname#11920
noname#11920
回答No.2

電子の放射光について具体的に相対論的な放射を考える必要はありません。 「定性的に」ですから。 相対論的な速度の合成則は御存じですよね? 電子の静止系で角度Θ'で出た光が実験室系では角度Θで観測されるとして速度の合成則を使えば、どのようなΘ'に対してもΘが小さくなることが示せます。

回答No.1

どこから手をつけたら良いのか→教科書を読む 他にもあると思いますが、例えば  ランダウ=リフシッツ「場の古典論」 を読むと超相対論的な粒子の放射強度は(1-v・n/c)のベキが分母にくるような形になることが分かります。次に(1-v・n/c)が相対論的にどの様に説明されるかを考えれば良いのではないでしょうか

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