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ノーム・チョムスキー

有名な言語学者だそうで、論文での参照頻度ではトップ10に入るとも言われていますが、どうしてそんなにすごいのですか。当方、全く言語学の初心者ですが、どなたか分かりやすく説明していただけるとありがたいです。 実をいうとなぜこのような変な(?)質問をするかというと、私は現在、米国の大学で政治学を専攻しており、そこでのチョムスキーの評価はあまり芳しくありません。彼の主張はジョークや失笑の対象になっているくらいです(確かに「はあ?」みたいなのもあって、政治学者とは呼べませんね)。それだけに言語学での彼の功績とのギャップに興味があるのです。 よろしくお願いします。

みんなの回答

  • mig27xyz
  • ベストアンサー率100% (1/1)
回答No.4

チョムスキーですか。彼は有名ですよね。言語学者でありながら(引退しましたが)ブッシュ批判もすると。彼は1950年代から、統語論の研究を昇華させて、いわゆる構造主義のポジションから成功しだしたといっていいでしょう。もちろん生成文法ですが、これもアメリカ構造主義言語学の系譜からの影響もあるわけです。つまり、彼から統語論の研究が盛んになったわけです。生成文法が統語論の課題に的確に答えた、またそれを記述できたので一躍有名になったのでしょう。また、常に研究をし、生成文法も何度か大きなチェンジを体験していったといったところがいい意味でも悪い意味でも、彼の名前を大きくしていったのでしょう。

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
noname#122289
noname#122289
回答No.3

チョムスキー自身が目指した方向ではないのかもしれませんが、彼の手法はその後、コンピューター言語や自動翻訳などの分野に応用されました。時代にうまく乗っかったかたちで、彼の著書は売れました。 彼の言語理論と政治活動との間に直接の関係はありません。著名度と潤沢な資金にモノを言わせてやりたいことをやっているだけです。 ただし、大学の英語学科とかそういうところには、彼の反体制的な側面に惹かれて生成文法理論を専門に選ぶ学生が過去には多くいました。公立学校の英語教師という進路が多かったですね。

  • mide
  • ベストアンサー率44% (333/745)
回答No.2

チョムスキーがなぜ「すごい」かというと、言語学という学問でいわゆるパラダイム転換を起こした学者だからでしょう。チョムスキー以降も優れた言語学者は多数いますが、生成文法に基づく言語学の研究は、すべてチョムスキーのパラダイムに拠っているわけです。具体的には回答No.1の通りだと思います。 言語学でパラダイム転換を起こした人はそうたくさんいないし、彼より後にパラダイム転換はまだ起こっていない、あるいは成功したと広く考えられているような転換はないと思います。もちろん現在の言語学でも生成文法以外の研究分野もたくさんあるし、チョムスキーに批判的な言語学者も多数いますけれども。 彼は元々は数学者なので、それまでの言語学になかった数学的手法を生かすことができたのでしょうね。政治学については私は全く知りませんが、政治になど手を出さずに言語学に専念すればいいのに、とは昔よく研究室なんかで言っていたものです。 それにしても、すばらしいIDですね。

  • sillywalk
  • ベストアンサー率46% (145/314)
回答No.1

チョムスキーは1950年代に変形生成文法と呼ばれる言語理論を提唱し、特に1965年に出たAspects of the Theory of Syntaxという本によって強力な影響力を持つようになりました。当時、言語学の世界では、行動主義心理学に影響された言語観が主流でした。これは人間の言語を研究するのに唯一科学的な方法は、産出された言語表現そのものを分析対象にするしかなく、人間の頭の中でどのように言語処理がされているのかなど考えることはできないし、方法論として間違っているというものでした。 チョムスキーはこの前提に正面から挑み、人間の言語は脳の中で起っている認知過程であり、人間の精神を探求するのに言語学は重要な貢献ができるというメンタリズムの言語学を主張しました。そして彼は表面的な言語表現だけではなく、その背後にある人類共通の生得的な言語能力から世界のさまざまな言語が派生していると考え、その言語能力を検証していくプログラムを生成文法と名付けました。これは20世紀の言語学にとっては革命的な転換点であったと言えます。 チョムスキーの文法の枠組みはその後何度かの修正が加えられ、その都度そこから派生するさまざまな言語理論を生み出してきました。彼の理論に反対する人も多いですが、言語学は認知科学の一領域であるという基本的な仮定は、現在広く共有されています。 チョムスキーは自身の研究プログラムと整合する形で、人間の理性というものに深い信頼を置いており、彼の政治的発言もそこから一貫して出てくるものです。彼の言語学者としての信念と政治的な発言は根っこではきちんとつながっています。

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