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借地人退去時、契約書が交わされていない場合

私の祖父が50~60年前にAさんに土地を貸しました。当時から今まで契約書はなく、毎年同じ金額をもらい続けていました。 Aさんは家を建て住んでいたのですが、3年前にAさんは入院し、1年前に亡くなりました。現在、離れた土地に住んでいるAさんの息子(以後Bさん)と私の父で話し合いをしているのですが、 ・父の言い分:土地を更地にして返して欲しい。  Aさんが入院してからの3年分の滞納してある金額を貰いたい。 ・Bさんの言い分:法律をいろいろ調べてみると私はお金を払う必要はなく、逆に相場で言うと20万ほど貰えるはずだ。  出るとこに出てもいい。 との事で、話し合いになりません。 今まで、私の祖父の代から固定資産税にも満たない地代しか頂いていなく、近所なので揉め事にならないように良心的にしてきたと思うので、なんだかBさんの言い分を聞くと悔しいです。 家を借家にする事も考えたのですが、築50年以上で、風呂も壊れていて使えない、家も傾いているのでとても借家には出来ない状態です。 契約書がなくAさんが出て行くときの話もしていなかったのでこのような場合どういう解決方法があるのか教えて頂きたいです。どうぞ宜しくお願いします。

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回答No.6

私も人に不動産を貸していて、その立場と体験・知識でアドバイスします。 A.まず話を簡単にするため、借地人の相続のことは考えないとします。 1.日本は確かに借地人、借家人が手厚く保護されていますが、これは借り賃をきちんと支払っているという大前提があります。賃料を払わない人には裁判所はとても冷たくします。この場合は貸す方は裁判でも絶対的に有利と私は思います。(多くの人が誤解しているようです) 2.たとえば私の持っている有斐閣版判例六法の借地法11条の判例として「賃料の不払いがあったときは催告を要せずに解除できる特約は有効である」(最高裁判決40.7.2)が出ています。 3.この質問のケースの場合、借地料を払っていたか払っていなかったのかが、一番重要でしょう。文面からは相手は借地料の滞納を認めているように読めます。もしそうなら、お父さんの主張は「借地料不払いを理由とした契約解除、土地明け渡し請求」ということになり、相手の主張をすべてけちらせるでしょう。(理由は5参照下さい) 3.相手が払ったと主張するのであれば、「その証拠を示せ」と私なら切り返します。証拠もなしに主張するなら、「借地料不払いを理由とした土地明け渡し請求」裁判を起こすから裁判所に真実を判断してもらうことになるが、それでよいか」と言います。相手の方はこちらが裁判をいやがっているのを見透かした戦法のようですが、勝つに決まっている裁判ならこちらが裁判を恐れていては当方不利になるだけと思います。 4.書面契約がないので、この特約があったかなかったかを相手が争点にしてくる可能性もありますが、上と同様「この特約はなかったということを証拠で示せ」と切り返せば相手は黙らざるをえないでしょう。相手がこちらの証拠を示せと言ってきたら「賃料を払わないときは土地を明け渡しますなんて常識でしょう。そうでなければ食い逃げ、ただ乗りなんでも有りの世の中になって、裁判所が認めるわけがないでしょう」で押し切りましょう。 5.相手の方の主張はどうも借地法第4条「更新の請求、建物の買取請求権」のことを言っているようですね。(借地契約の更新に地主が応じないときは、借地人は土地の上にある建物の買い取りを地主に請求できる趣旨)しかし同じ本を読むとこれにも最高裁判決があって「賃借人の債務不履行による土地賃貸借契約解除の場合には買い取り請求権がない」(最高裁判決昭和35.2.9)となっています。 B.この主張で相手が折れない場合は、私なら次の手順で機械的に進めます。  (1)「3年間の賃料金○円を○月○日までにお払い下さい。払わない場合には土地賃貸借契約を解除します。」という趣旨の配達証明付き内容証明便を相続人全員に送ります。タイトルは「請求書」でよいでしょう。 (2)相手は払わないでしょうから次に「3年間の賃料金○円を○月○日までにお払い下さい。払わない場合には土地賃貸借契約を解除しますので土地を明け渡し下さい」という趣旨の同内容証明便を相続人全員に送ります。タイトルは「停止条件付土地明け渡し請求書」を私は使っています。 (3)これでも払わないでしょうから、これらの内容証明便を付けて「訴状 土地明け渡し請求事件 1被告は物件目録に記した土地を明渡せ 2.被告らは連帯して、原告に対し未納賃料金○円を支払い、本金額に対する平成 年 月 日から完済まで、年5%の割合の金員の支払いをせよ、」 という訴状を裁判所に出します。被告は相続人全員とすべきでしょう。この訴状の写しを提出すると、相手の戸籍謄本を弁護士でなくても取れます。裁判費用は確か土地の固定資産税評価額を基準にきまりますから、訴訟費用は評価証明を取って裁判所に聞いてみると良いでしょう。 7.これらは自分で作るのがつらければ訴訟書類も扱う司法書士さんに頼めばやってくれるでしょうし、弁護士さんに依頼して話し合いから訴訟までおまかせしても良いでしょう。一度、弁護士会(1時間1万円)などが開いている法律相談所、自治体の無料法律相談にゆかれることをお勧めします。

chu-ren
質問者

お礼

書類の書き方・話の進め方まで丁寧にありがとうございます。非常に助かります。専門用語を並べられるより法律の素人には説得力があっていいですね! 私が逆の立場だったとしたらmoonliver_2005さんのように言われると押し切られてしまいます!参考にさせていただきます。 今回、三名の方に回答頂き大変参考&勉強になりました。二人にしかポイント発行できないのが非常に残念です。ありがとうございました!

その他の回答 (5)

回答No.5

不動産のトラブルは権利関係が非常に複雑ですので、できれば弁護士に相談することをお勧めします。 >Bさんが言うには『私(Bさん)が土地を返す事により、 >今の家を貸家にしたり、駐車場をつくったり、建物を建てたり何かしら >必ず利益が出るはずだから』と言う事です。 それはBさんには何の関係もありません。 むしろ逆に、土地の所有者としては、その土地を明渡してもらえれば別の人に貸して使用収益を得ることが可能ですので、契約解除後も土地を明渡さなかった場合にはそれら、明渡までに得られたであろう逸失利益も合わせて損害賠償請求する事が出来るのです。 それとBさんが相続をしているのかどうかも確認しておきましょう。 相続放棄の熟慮期間は3ヶ月です。その間に放棄をしなければ自動的に相続することになります。 放棄の有無は家庭裁判所に問い合わせれば分かります。 以下は補足です 契約が解除されると両当事者には原状回復義務が生じますので借り主は土地を更地にして返還しなければなりません。ただ、土地の賃貸借関係においては借主には建物買取請求権があります。従ってその建物を時価で買取るように土地所有者に請求する事が出来ます。この代金支払いと建物明渡は同時履行の関係に立つので、代金が支払われるまでは反射的に土地も明渡さなくて済むことになります。ただし築50年以上もの建物はもはや無価値だと思うので、実質的に建物買取請求権は意味をなさないでしょう。仮にいくばくかの価値が認められるにしても、その金額分は未納の賃料と相殺が出来ます。 まずは賃貸借契約の解除しましょう 解除後も土地を占拠していると無権原者による占有となりますので、土地の所有者は物権的返還請求権の行使によって土地明渡請求が出来ます。この場合、建物を撤去を撤去せよと請求できます。土地所有者が自分で撤去した場合もその費用を請求できます。(不法行為の問題として処理する) 未納分の賃料は解除後も損害賠償請求と言う形で全額請求できます。

回答No.4

>履行遅滞による解除の場合は、催告が必要です(民法541条)。 あ、そうでした。勘違いしてました。 私が申し上げたかったのは、継続的契約関係にある場合には、長期に渡る賃料不払いや無断転貸など、信頼関係を著しく破壊するような事情がある場合には無催告解除できることがある、ということでした。(信頼関係破壊の理論)

  • utama
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回答No.3

No,2さんの回答について、少し誤解があるようなので、訂正と補足を。(余計混乱させるかもしれませんが) 今回の契約は、旧法(借地法)が適用となるので、申し出なく更新した場合、期間の定めのない契約とはならず、前回と同一の契約、すなわち再度30年で契約を更新したことになります。したがって、いつでも契約解除の申し入れを行うことができる状態にはなりません。貸主の都合で解除したい場合は、30年の節目で、契約更新の拒否を申し入れる必要があるのです。 このように、旧法の借地権は、借主にとって非常に有利になっており、貸主は解除したくてもなかなか解除できません。ですから、考え方によっては、賃料の滞納という相手側に不利な事由があって、解除できるというのは、貸主にとってはラッキーなことともいえます。 なお、再度になりますが、履行遅滞による解除の場合は、催告が必要です(民法541条)。無催告解除はできません。

回答No.2

NO.1とかぶってしまいますが、せっかく書いたので投稿しておきます 契約書がないということは期間の定めのない借地契約と考えてよろしいでしょうか。 借地借家法では建物所有のための借地権の存続期間を30年としており、特約によってそれ以上の期間を定める事が可能ですが、期間を定めていない場合には30年目に期間が満了します。 契約期間を定めていた場合に、期間満了後も賃借人が賃料を払い続けて、そのことを知っていながら賃貸人が異議を述べなかった場合には契約更新があったとみなされますが、今回の場合、期間の定めがなかったようですので、この場合は、両当事者はいつでも解約申し入れが出来ますし、申し入れ後一定期間の後に契約は終了します。(民法617条) また今回の場合、3年間も賃料不払いの状況ですので、債務不履行を理由として無催告解除も可能です。 本来、契約の更新がない場合は、借主は自分で建てた建物の買取請求を貸主に有しますが(借地借家法13条2項・14条)、債務不履行による解除の場合にはこの建物買取請求は否定されます。13条はあくまで期間満了の場合の規定だからです。もちろん契約を解除しても未払いの賃料については請求可能です。 Bさんが何を理由に「20万ほど貰えるはずだ。」と言っているのか分かりません。 むしろBさんは相続によりAさんの債務も相続することになりますので、相続放棄をせずにいつまでもごねていたら不利になるはず何ですが。

chu-ren
質問者

お礼

丁寧な説明ありがとうございます。いろいろな法律があるのですね。勉強になります。そして、勉強不足で申し訳ありません。 >Bさんが何を理由に「20万ほど貰えるはずだ。」と言っているのか分かりません。 説明不足で申し訳ありません。Bさんが言うには『私(Bさん)が土地を返す事により、今の家を貸家にしたり、駐車場をつくったり、建物を建てたり何かしら必ず利益が出るはずだから』と言う事です。私が個人的に思うのは返した後にどうにその土地を使おうがBさんには関係無いんじゃないかと思うのですが、その点も教えていただければありがたいです。宜しくお願いします。

  • utama
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回答No.1

契約書がない=特別な約束はないということは、法律の定め(借地法)によるだけのことですから、その点を心配する必要はありません。 本件は、賃貸料の未納がありますので、民法541条に従い、期限を指定して相手に催告し、期限までに地代の支払がなければ、契約を解除できます。 貸主の都合で契約を解除する場合は、建物買取の義務等が発生しますが、地代の未納による解除はあくまでも賃借人の都合ですから、買取請求権は発生せず、逆に、原状回復義務が発生します。 具体的には、内容証明郵便で、地代支払の催告と解除予告を行い、期限までに支払がなければ、再度、内容証明で解除を通知することで賃貸借契約を解除できます。 もし、相手が地代を支払ってきた場合は、残念ながら、契約解除ができませんので、立ち退いてもらうためには、建物の買取や立ち退き料の支払が必要になってしまいます。 (以下は余計ですが)家賃を催告しているのに、支払ってくれないほうがうれしいという状況なので、できるだけ事務的に必要最小限のことのみを記載し、相手に支払う気を起こさせないような文言で内容証明を送る必要があります。

chu-ren
質問者

お礼

非常にわかりやすいです。ありがとうございます。 >契約書がない~心配する必要はありません。 Bさんは何かと『契約書がないから』と言ってくるので安心しました。 私の説明不足で申し訳ないのですが、「地代の未納による解除」ではなくBさんの方から、Aさんが亡くなり、もう住む人がいないので借りている土地を返したいという事で話し合いになったのですが、その場合もutamaさんの言うように出来るのでしょうか?教えていただければ幸いです。

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