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世界最高の小説を紹介しているガイド本でこれは! というものを教えてください
たとえばモームの「世界の十大小説」とか。 私は「世界の十大小説」は未読なので、この本がどれほどの信憑性があるかはわからないのですが、似たような本で(あるいはモームのこの本でもいいのですが)、とりあえず小説好きなら、これだけは読んでおけ! という類のガイド本で信頼できるものがありましたらお教えください。 また、そのガイド本が勧めている本はなるべく少ない方がよいです。たとえば「戦争と平和」級の本を100冊勧められても人生の時間切れになりそうなので……。 何卒よろしくご教授お願いいたします。
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この正月に時間があったものですから、ずいぶん以前に買っておきながら読まずにそのままになっていた本で(こんなのばっかりですが(^_^;)、 篠田一士さんの「二十世紀の十大小説」を読んでみました。前世紀に発表されたものの中から十作品を取り上げて詳しく解説されている本ですが、どんな作品が紹介されているかは、後で書きますが、読み応えのある本だと思いました。 この本のなかでも冒頭にモームの「世界十大小説」のことも解説されていまして、あれはモームがアメリカの雑誌の要請で書かれたもので、モームの好きな作品をある程度勝手に選んだものである、と言われていますが、これは篠田さんが、モームの本を批判しているのではなく、アメリカ文化の特殊性を暗に批判しているのだと思うのです。 文学に限らず映画産業でもそうですが、歴代ベスト何々とか、俳優ベスト何々とか、作品をランク付けすることでしか評価できないのはアメリカ文化と日本文化の特徴であり、ヨーロッパの文化にはそんな思いはさらさら無いので、モームは皮肉をこめて「世界十大小説」を書いたのではないのだろうか、篠田さんは、この本のなかでこんなふうに述べられています。 なるほどなあ、思いました。そういえば、映画評論家の淀川長冶さんも、自身では「映画の友」などの編集長などの経験があるにもかかわらず、映画にベストランキングをつけるのは恐れ多いものがあるますね、と言われていたような記憶があります。 話が脱線しましたが、篠田さんは、「二十世紀の十大小説」を書きながら、「これはあくまで参考程度だよ」「これはわたしの思い込みのある小説だよ」と思いながら執筆され、読者はそのように思って読めばいいのだよ 、と言っているようにわたしには感じたのですが、また違った読み方もあるかも知れませんね。 以上がこの本を読んだ感想です。もし興味があるようでしたら、一度ページをめくっていただければと。時間との格闘!もあるので、自分にあった、いい本にめぐりあいたいものですね。(笑 #紹介作品 ★失われた時を求めて プルースト ★伝奇集 ボルヘス ★城 カフカ ★子夜 茅盾 ★U・S・A ドス・パソス ★アブサロム、アブサロム! フォークナー ★百年の孤独 ガルシア=マルケス ★ユリシーズ ジョイス ★特性のない男 ムジール ★夜明け前 島崎藤村 篠田一士「二十世紀の十大小説」 新潮文庫
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- sirayukihime
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昔(20年くらい)、人から譲り受けた古い文庫なので現在も手に入るかどうか分かりませんので、お役に立てないかも知れませんが飽くまで御参考に。 ドイツの文豪ヘッセの著作に「世界文学をどう読むか」というのがございます。 題名通り世界中の文学作品(哲学ジャンルを含む)を対象にしていますから小説だけに留まらず日本の和歌や俳句まで扱っているんですが説明自体は簡潔です。 ただ世界文学ですから候補に挙げられている作品数そのものは多いので、まず、この点からして御質問者様のニーズと、ずれてしまうかも知れないですね。 でも、何も大まじめに全候補を読破しようとする必要なんてないと思います。 私には、かの有名なヘッセという知性は、これだけの作品群を自分のうちに取り込んだ、ということ自体が驚きで、彼がどういった作品をチョイスし、どう評価しているかということ自体が興味深いことでした。 あのヘッセ先生じきじきに「これ、いいよ!」って薦めてもらうようなもんですから考えてみれば、とってもゼイタク・・・。 こういうガイド本もあるということだけ、お知らせまでに・・・。
フレデリック・ベグベデ 『文学の墓場』をご紹介します。 「フランス人が選ぶ20世紀の名作50」のアンケート 結果をフレデリック・ベグベデが好き勝手に論評する というものです。 軽妙な語り口で、好き放題作品を切っていくスタイルに 惹かれ、これなら知らない作品への興味が沸いてくるかも しれないと期待を込めて購入しました。 ほぼ期待どおりでしたが、それ以上に、 評論そのものが痛快! お腹をかかえながら読むことができました。 レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』が選ばれていたのは さすがフランスと言ったところかしら。 名作50のラインナップから、フランス一般人の 平均的意識を知ると言った意味でも、 なかなか興味深いと思います。 ただこの本の特徴でもあり、難点でもあるところですが、 論評対象が、「フランス人の選ぶ」「20世紀」がキーに なっていますので、どうしてもフランス人作家の割合が 高くなりますし、またいわゆる古典だったり、 19世紀のドストエフスキーが入らないのは 残念なところです。これらの評論もぜひ読んでみたい。 <参考> 他の方のこの本の紹介文です。 http://www.shortcutweb.com/news/1064774166-news http://www2.ocn.ne.jp/~essais/booksasa.html