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国内の貨幣の総和は、なぜ、どのように変化するのか
現在、経済学を独学し始め、どうしても解けない質問です。それは、 「国内の貨幣の総和は、例えば20年前よりも当然増えているだろうが、それは、なぜ、どのように増えたのだろうか?」 というものです。基になっている発想は、以下のようなものです。 例えば、AさんとBさんというたった二人だけで成り立っている経済圏があるとします。AさんとBさんは、お互いから売ったり買ったりしています。しかし、お金は行ったり来たりしているだけで、二人の総資産の合計は何も変わらないはず…。 非常に馬鹿げた質問かもしれないことを恐れていますが、ぜひご回答ください。
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貨幣の創造 は むしろ信用創造と近く、帳簿との関係は以下のようになっています。 株式の話がわかりにくかったようなので、補足します。 一番、わかりやすい例だと思いますが、 なにか油田が突然発見されたとしましょう。 すると、油田の所有者は、お金は増えませんが、 資産は増えますね。 これを実際に取引するまでは、お金は無関係です。 資産の「時価」総額と呼ばれるものは、それが取引されたときの価格かける数量を示しますが、 実際に取引されるまでは、 お金は必要ないのです。 二人経済で言えば、 それぞれが自給自足経済で、どんどん豊かになっていったとしましょう。 すると、二人のそれぞれの資産総額はどんどん増えていきますが、 相変わらず取引がないので、マネーサプライはゼロ。 ここで、 両者の間に資産の取引が起きたとします。 物々交換でない限りは、 なにか将来に、その見返りを求める証文を発行することになります(だから手形と似ているっていった)。 この証文の発展形が現金です。 取引が増えて、その都度、つけを清算しなければ、証文の数も増える。 よって貨幣供給量も増えるのです。 なお、取引のあり方によって、 貨幣供給量が影響を受けるので、 一般に豊かさとマネーサプライが「正比例」するというわけではありません。 たとえば、急速に自給自足から市場経済に移行しているような国では、 経済成長に比べて、取引のほうが、はるかに活発になっている速度が大きいので、 マネーサプライの増え方が経済成長に比べて大きいです。 逆に、電子マネーやクレジットなどの技術が発達してくると、 証文をいちいち使わなくても、 直接口座の数字をいじることが可能となり、 取引の数に比べて証文の数を減らせます。 よって、現金を減らすことが出来る。
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- decidrophob
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エネルギー保存のアナロジーは、部分的には、むしろ資産総額にあてはまります。 で、「油田がぼこっと見つかる」のは、 「原子力エネルギー」のように、未知のエネルギー源が見つかることに相当。 資産総額が社会で増えることは、 認知に引っかかるエネルギー総量(総量を固定すれば、後は保存)が増えることに相当します。 ただし、経済における資産は複雑。 なぜなら、人間の心理が絡むからです。 たとえば、ブランド価値は、ブランドを評価する女性の心の中にある。この人たちの嗜好が変わったら、瞬時に価値がなくなるかもしれない。 逆に、エネルギーについて気をつける必要があるのは、 第二法則が絡むから。 エントロピーが最大化したエネルギーは価値がありません。 それに対して、資産の場合は、取引だけによっては、 時価総額は変わらず、同じ価値を持ち続けます。 ま、というわけで、 あまり、アナロジーを突き詰めすぎても、 よほど物理と経済の理解を両方しっかりしていないと、ほとんど成果がないので、 初心者はやめたほうが良いでしょう。 なお、エネルギーの上述関連の話については、 http://plus.naver.co.jp/browse/db_detail.php?dir_id=1104&docid=22308 などを参照してみてください。 補足ですが、 ミクロ経済学では、 交換により、各財のそれぞれの総量が保存されるということを駆使して、理論展開がなされます。 自由な交換により、財の総量が保存されても、 財の利用価値が高まっていくような、 ちょうど第二法則と逆の感じを表現しているのが、 厚生経済学の基本定理です。
お礼
大変参考になりました。 ありがとうございました。
- decidrophob
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大分理解が進んだようですね。 ご自身の感想の前半は、 まさに経済原論で習う日銀の進化そのものを、 うまくコンパクトに表現されています。 しかし、 「証文の発行者に流入した資産の総量=これまで発行された証文の総量」 は、証文を通じてのみの経済活動であれば、 確かにそのとおりです。 したがって、 日銀という特殊な経済主体の資産の解釈は、 とりわけ初心者のうちは、そのように理解するとすっきりすると思います。 っていうのも、 日銀の業務は日銀券の発行関連のみであり(法律でそう決まっている)、 「突然見つかった油田」系統のお金が絡まない資産がないからです。 が、気をつけてください。簡単ではないですよ。 実際、 日銀はきわめて巨大な経済主体であり、 証文の発行量によって一枚一枚の証文の「実質」資産価値が変化するという性質があります。 これがいわゆるインフレの議論です。 さらに、日銀の資産については、複雑なのは、 為替市場でしょう。 日銀が円売りドル買い介入する場合は、 ドル資産を持つことになります。 この場合も、どの程度円という証文を安売りするのか、 日銀は考えなくてはなりません。
お礼
度々のご回答ありがとうございます。 よくわかりました。 ど素人なもので、とんちんかんな応答があったかとは思いますが、お付き合いいただきありがとうございました。 今回のやり取りで、経済学の理解の糸口をつかんだような気がします。 実は、最初、私の頭にあったのは、エネルギー保存則のようなイメージで、「お金の量も保存されるはずだが…」「しかし、最初のお金は、どこから流入したのか?」というような問題意識でした。このような視点からだと、「突然発見された油田」という資産は、カウントされていないポテンシャルエネルギーみたいなものに見えますね…。 ご指摘の資産価値の変化、為替市場、など、これから一つ一つ学んで行こうと思っています。
- decidrophob
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ばかげていません。 経済学に限らず、 科学は単純化が基本です。 匿名で聞くのが恥ずかしくないところで、 はやめに解決しておくべき問題だと思います。 多くの経済学部の学生は、この辺の基礎の理解があいまいなまま卒業してしまうのではないでしょうか? まず、 貨幣 と 総資産 はかなり違います。 貨幣総量 っていうのは、 言ってみれば、 手形の発行量に似ていると言っても過言ではない。 これは、二人経済だといまいち単純すぎてリアリティーがないけど、 貨幣というのは、 普遍的な貯蔵可能な交換手段です。 マネーサプライっていうのは、平たく言えば、銀行の日本銀行からの借金です。 二人経済では、 二人共通の金庫を用意し、 適当な条件で、その金庫からお金を引き出して、 相手からの買い物などに使えるようにするのが、 マネーサプライです。 で、無条件に金庫からお金を借りられると、 お金の価値がなくなってしまうので、 お金を借りられるのに条件がかかるのみならず、 お金を借りるときに利子がつきます。これが公定歩合です。 二人経済の場合は、公定歩合は、相手に払うと思ってよい。 で、お互いの取引が活発になれば、 よりたくさんのお金を使うのが便利になります(これも「二人」だとリアリティーがないですが)。まあ、消費者金融からお金を融通してもらっているっていうのも、あながち間違いじゃないと思います。 要は、物欲とかがなくて、交換したいってそれほど思わないときには、それほどお金が必要ないので、マネーサプライも小さいのです。 で、消費者金融のたとえを続ければ、 給料(=生産)がたくさんあれば、売るものもたくさん、よって限度額を大きくしても、後で返せるのです。 さて、次に資産総額について説明しましょう。 資産 っていうと、なんかお金っていうイメージがあるけど、 要は、「帳簿」上のイメージなのです。 で、これもマクロ経済の基本なんですけど、 帳簿上の数字に逐一貨幣が対応するわけではないので、 頭をやわらかくしてください。 現実の銀行にも、あなたの預金に対応する全額の現金が金庫にあるわけではなくて、時折 ATM などで下ろしに来る分を上回る程度に現金を用意しているだけです。 では、資産の帳簿に対応する実態はどこにあるか? それは、生産設備であるとか、土地とかです。 マクロ経済学の最も基本的な方程式のひとつに、 貯蓄=投資 っていうのがあります(現実には、輸出入とか、財政均衡がからみ、ちょっと面倒ですが、単純化すると成り立ちます)。 で、資産とは、貯蓄の累積。 つまり、 貯蓄は資産の年間増加額(微分)です。 さて、この方程式っていうのは、 かなり式は単純でも、奥が深いんですね。 知恵を絞っても理解するのが大変ですが、 理系の人が、必ず七転八倒して微積分などを乗り越えるように、 マクロ経済学の学習においては、 絶対に乗り越えたい壁です。 で、この方程式を理解しないと、 正確にはわからないんだけど、 要は、 貯蓄が社会全体で増える ってことは、 同時にそれだけ 投資累積 = 資本が増えてる ってことになる。 で、資本は、 たとえば土地であれば、駐車場に貸せば良いように、 不労所得を生み、 よって資産価値を持つ。 二人それぞれの資産価値は、 別に貨幣の量と独立に増やせるのは、 わかりますよね。 だから、経済が発展すると、 資産も増えるのです。 でも、もちろん、資産価値の上昇と、 マネーサプライの量は、 先に述べた融資限度額のようなロジックで、 密接に関連があります。 わかりやすい例として、 株式を考えましょう。 株は、企業が生産している間、 株主全員がその生産設備を償却して、 生産をとめたいと思わない限りは、 だれかが株式を所有し、 企業は生産を続けます。 今、企業の生産性などがどんどんあがって、 資産価値が上昇すると、 株式の取引価格(=株価)も上昇します。 で、その取引の分だけ、お金があると便利ですよね。 だから、マネーサプライも増えるのです。 ということは、 まさしく、このように、 資本主義社会で、 拡大再生産を繰り返し、 なんとか企業価値などが上昇しているときのみ、 資産価値も上昇、給料も上昇、 で、つられてマネーサプライも上昇していきます。 そうしたサイクルがもし逆転してしまうと、 どんどん二人の金庫にお金を返す動きが強まります。 これが、超簡単なデフレスパイラルの一側面の説明。 ともかくも、 非常に短く要約すれば、 帳簿 と 現金取引 を区別してください。
お礼
ご回答ありがとうございます。 完全には理解できませんでしたが、いくつかはっきりしたことがあります。 一つ目は、貨幣、通貨、資産、の区別をきっちりつけるべきだということ。 「帳簿」というのは、「貨幣の創造」に関することだろうと理解しました。この部分をもっときちんと理解すべきだという点が、二つ目です。 詳しい説明をしていただきましたが、残念ながら、現段階では、理解できないようです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 資産が存在しても、流通しているお金が存在しない、ということも可能であること、了解しました。 証文の発展形が現金であること、了解しました。 以下、私なりにもう少し展開させてみます。 要するに、多人数間での経済で、証文を一元化すると、それはもう、証文というよりも限りなく現金に近いものになる。証文を一元化するとは、証文の発行権限をただ一人に与えることを意味する。 証文の発行時には、必ず取り引きがあり、その際、証文の発行者には資産が流入し、取り引き相手には証文が渡る。 ということは、時間の経過による交換比率の変化を無視すれば、 証文の発行者に流入した資産の総量=これまで発行された証文の総量 となるということでよろしいでしょうか? さらに、証文の発行者は、日本では日本銀行だと思われますから、日本銀行には、これまで発行された証文の総量に等しいだけの資産が存在する、と結論します。 何だか乱暴な展開でしたが、大筋、このような見方でよろしいでしょうか? 何だか楽しくなってきました(笑)。