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オイラー・ラグランジュの方程式
解析力学を独習しています。 まず、オイラー・ラグランジュの方程式がありますが、 L=(1/2)m(dx/dt)^2-V(x) で、 1.dx.dt と xを独立のものとみなして、って本当に大丈夫なんでしょうか? 2.そもそも、なぜオイラー・ラグランジュの方程式なんて思いついたのでしょうか?
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解析力学では、運動方程式ではなく最小作用の原理が運動法則の基本の一つになります。 最小作用の原理とは、ラグラジアン:L=(1/2)m(dx/dt)^2-V(x)の時間積分:S=∫L(dx/dt,x)dt を最小にするようにx(t)が決まる、というものです。Sは作用積分と言われます。 いいかえれば、作用積分Sを最小化するx(t)はニュートンの運動方程式を満たす必要があり、逆も言えるという事です。 Sを最小にするようなx(t)の具体的計算法がオイラー・ラグランジュ方程式で、変分法に基づきます。要するにオイラー・ラグランジュ方程式では、変分計算に基づいた、普通とはちょっと違う微分をやってるわけです(^^;)。 オイラー・ラグランジュ方程式は、dx/dtとxが変分計算の中で従属だ(独立でない)という事を考慮して得られます。従ってそれらが独立でないという条件はもう考慮済みなので、「その結果としてのオイラー・ラグランジュ方程式の中では、形式的には独立なものとして扱ってよい」となります。 dx/dtとxが従属だという条件を考慮しなかったら、オイラー・ラグランジュ方程式はもっと違った形になった、という事です。そういうのが可能かどうかは、わかりませんが。 なんだかわかりにくい事態ですが、∂L/∂x'などは、一種の省略記法だと考えても良いと思います(^^;)。ただしx'=dx/dtとしました。 ニュートンの運動方程式と最小作用の原理が数学的に同等である事は、18世紀にはわかっていました。運動方程式が経験則である以上、それなら最小作用の原理も経験則であり、それを運動方程式のかわりに用いても良いわけです。ただしメリットがなければ無駄ないいかえです。メリットは主に二つあります。 一つは、いわゆる本来の古典力学には(個人的には純粋な古典力学と、勝手に呼んでます(^^;))、ポテンシャルV(x)から導かれる力(保存力)しか存在しません。歴史的経緯として、古典力学はもともと惑星運行の理論だったからです。そこには摩擦も減衰も存在しません。そうであれば、ポテンシャルV(x)と運動エネルギー(1/2)m(dx/dt)^2さえ与えれば、運動方程式をばんばん導けるラグランジュ形式は非常に都合が良いわけです。 もう一つは近代以降の考えで、物理法則の不変性という考えに沿った物理法則の表現になるからです。物理法則の不変性を一番単純に言うと、物理系を表現する座標系によって、物理法則は形を変えてはいけないという考えです。 ニュートンの運動方程式は使用する座標系によって形を変えますが、作用積分の最小化という表現は使用する座標系に依存しません。それの具体化であるオイラー・ラグランジュの方程式、 d/dt(∂L/∂x')-∂L/∂x=0 も、座標変換で不変になるので(それはご存じと思います(^^))、それが本来の物理法則の書き方だという事になります。 まぁ~歴史的には、最初は物理法則の不変性なんか意識されず、ニュートンの運動方程式を座標変換で便利に書きかえる方法はないものか?と、便利さのみを追求して始まったわけですが・・・。
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- atm_phantom
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以下の文献の 第10章 解析力学 を読まれては如何ですか。 「 物理数学の直感的方法」長沼伸一郎著 講談社 BLUE BACKS 1738 Euler の微分方程式、Lagrangian や Hamiltonian の意義についての直感的な理解を助けるのによい本です。
お礼
回答ありがとうございます。 勉強してみます。
- eatern27b
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x(t)という関数とその導関数は独立ではありませんが、それは特定の時刻における位置と速度(例えば初期位置と初速度)が独立に決められないという意味ではありません。 科学史はよく知らないので後半はパスで。
お礼
回答ありがとうございます。
お礼
回答ありがとうございます。 勉強してみます。