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ハドリアヌス帝について
ハドリアヌス帝の時代について。 いままでの皇帝たちは、元老院や伝統政治力を重視しながらも新しい力を組み込んでいたのはわかるのですが、ハドリアヌス帝の時代ではスペイン出身者や身内で執政官を独占するという措置をとったのはなぜでしょうか? 元老院たちからの文句はでなかったのでしょうか??
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- zep19
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ハドリアヌスとしては前帝トラヤヌス同様、表向きは元老院を尊重しつつ その力を軽減しようとしました 元老院議員身分はローマの最上級の貴族身分であり100万セステルティウス(現在の時価で20億円)の資産が必要で定員は600名で世襲制 しかしながら当時の元老院議員身分の出生率は低く、更に成人するまでの死亡率が高く また経済的に苦境に立つ者もおり 家系の断絶などで欠員が生じました その欠員は元老院議員身分に次ぐ貴族階層である騎士身分(軍種の騎士でなく、馬を飼えるほど裕福な貴族身分)から皇帝が抜擢しました しかし騎士身分は40万セステルティウス以上の資産所有の者でその身分は一代限りでした 従って元老院議員身分の100万セステルティウス以上の資産に引き上げる為に ハドリアヌスは官職の新設を連発するのです 年棒20万セステルティウスの官職が34 年棒10万セステルティウスの官職が35 またハドリアヌスは現職元老院議員で経済的苦境に立っている者に対し 経済的援助を行い 自分の門閥を形成しようとしていたのが伺えます ただ元老院議員のヒスパニア系の抜擢は前帝トラヤヌスよりは少なかったようです あなたのおっしゃる通り執政官への登用はヒスパニア系が多かったことは確かなのですが ヒスパニア系以外のアフリカ系の登用も少なくなかったようです なぜこのように元老院に対し慎重な政策を行うかというと やはり 皇帝即位までのトラヤヌス死後の不自然な養子縁組や皇帝使命 それより何よりもハドリアヌスのライバルといえるトラヤヌス帝時代の側近重臣であり 執政官経験のある元老院議員身分の4人殺害に深く関わっているからです (四執政官経験者殺害事件…本人は関わっていることを否定しているが) そのような状況で元老院に暴君指定されれば ローマ市民からも敵視され ドミティアヌスの例を見てわかるように消されかねない なのでハドリアヌスは 元老院のみならず、ローマ市民に対しても媚を売り パンとサーカスのきっかけとなる贈与と見せ物の提供を行うのです 元老院の力は削ぎたいが 表立ってはできない だからこのような回りくどい方法を取らざるを得なかったのです
- trytobe
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先代が、領土拡大政策をとって、軍事費増大 → ハドリアヌスが、財政改善のためにも国境確定と国内整備の方針を提言 → 先代に仕えていた元老院には、領土拡大の功績でその地位を得た者もおり強い反対 → ハドリアヌスが、反対派の大物4人を粛清 → 自分の政策に近い人物を登用し、国境の防壁の整備や、官僚制度の導入などを実施