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IO3^-のIの酸化数とHCHOのCの酸化数
IO3^-のIの酸化数と HCHOのCの酸化数を教えてください。 なぜそうなるのかという解説もよろしくお願いします。
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一つ目はヨウ素酸イオンでしょうか? 酸素イオンは、O-O結合を持った化合物(過酸化物)以外では常にマイナス2として数えますので、ここでも三つの酸素イオンが背負う酸化数は(-2) x 3 = (-6)です。ヨウ素酸イオンはマイナス1の電荷を持っていますから、ヨウ素の酸化数をXとおくと、X + (-6) = (-1)、したがってヨウ素は+5の酸化数となります。なお、ヨウ素は最高で+7まで酸化数が上がります。過ヨウ素酸イオンIO4^-1ですね。ヨウ素の価電子が7個ありますが、全ての価電子が相手(ここでは酸素)に奪われた(酸化された)と考えると、+7の酸化数となります。 二つ目はホルムアルデヒドですね。 有機物はやや難しくなりますが、以下のように考えてください。 まず、酸素は過酸化物以外ではマイナス2とします。 また、含まれる原子の酸化数を全部足し合わせたものは、分子・イオンの電荷と同じになります。ここまでは無機物の考え方と同じです。 さて、問題は有機物の大部分を構成する炭素と水素です。 無機物だと水素は+1となるのが普通ですが、有機物の場合は結合している原子によって判断します。酸素に付いている場合は、無機物とおなじく+1ですが、炭素とくっついている場合は酸化数の増減はしないとします。どういう理屈だ?と思われるでしょうが、電気陰性度で考えるとわかりやすいかもしれません。電気陰性度とは、共有結合の電子対をどれくらい自分の方に引き付けるか?という指標です。電気陰性度の差が大きい場合は、陰性な原子に電子対は引きつけられます。極端に言えば、電子が完全に移動して、酸化・還元のようなことが起こったと考えることができます。上で、酸素は常にマイナス2,と言ったのも、酸素は炭素や水素にくらべると非常に陰生が高いので、結合電子対は酸素側にほとんど奪われている、と考えるのです。 ここまでの事情からホルムアルデヒドでは以下のようになります。 まず、酸素はマイナス2です。 なので、酸素と結合した炭素は少なくとも+2の酸化数ですね。 いっぽう、炭素ー水素結合には電子のやり取りはない(平等に共有している)と考えられますので、水素は基の酸化数(0)と変わりません。したがって、炭素の酸化数をXとすると、X + 2 x (0) + (-2) = 0、X = 2となります。 有機物の場合、注目してる炭素に何個の酸素が付いているか?でも判断できます。 今の場合だと、二重結合で酸素がついていますが、この場合は酸素がダブルで付いていると考えますので、+2です。あるいは、カルボニルに水和したと考えて、ジオールH2C(OH)2と等価とすればよりわかりやすいかもしれません。 こう考えると、最も酸化された状態(+4)は二酸化炭素で、逆に最も酸化されていない状態は炭素そのものか、あるいは炭化水素と考えることができます。(ここではマイナスの状態は考えません) メタンが0,メタノールが+1、ホルムアルデヒドorメタンジオールが+2、ギ酸orギ酸オルトエステルが+3、二酸化炭素が+4とすると、酸化状態と酸化数が対応がつきます。
お礼
とても詳しく説明していただき大変参考になりました。しっかり理解しておこうと思います。ありがとうございました。