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カントを読むなら

カントが分かる本を読みたいのですが、どの本がお勧めでしょうか。 ご教示をお願い致します。

みんなの回答

  • koosaka
  • ベストアンサー率43% (78/179)
回答No.1

若いとき、カント全集を全部ではないけど、結構集めて、10年間ぐらい格闘しました。 ホント、難しかったです。 でも、どんな難しい本でも、繰り返し読んでいれば、慣れてくるもんです。 「純粋理性批判」は、記憶しているだけでも、5~6回読んでいるかな。 もう、ページは鉛筆の線で真っ黒。 外国語ができないので、みんな翻訳ですが、いっぱい出ています。 古いのは岩波文庫の篠田秀雄・訳。これは最悪。 次に、理想社の全集の原佑・訳。中島義道がよくないと言っているけど、でも活字が大きくて読みやすい。 次に、高峰一愚・訳。中島義道が、一番正確だと言っていたので、私はそれで読みました。でも、訳文はちょっと硬い。 あと、宇都宮芳明・訳。訳文が硬い。 次に、光文社・古典文庫、中山元・訳。訳文は平易。そのうえ、後半に中山元の解説がついていて、これが役に立つ。 最近、熊野純彦・訳と、石川文康・訳が出ました。 熊野純彦・訳は訳文が硬い。石川文康・訳が今のところ一番。 でも、初心者は中山元・訳が、解説が付いているだけ、ベスト。訳文は意訳に近い。 カントの三大批判書で、一番よくできたのが、判断力批判、次が純粋理性批判、最悪が実践理性批判。それよりも、人倫の形而上学の基礎付け、のほうがいい。 参考書だったら、中島義道がカント学者だから、彼の解説書はいっぱい出ている。 何がいいかな。 「カントの読み方」(ちくま新書)と「悪について」(岩波新書)と「カントの人間学」(講談社現代新書)あたりが、手に入りやすい。そのほか彼の書いた本がいっぱいあるので、アマゾンを参照。 あと石川文康「カント入門」(ちくま新書)と「カントはこう考えた」(筑摩書房)、これはいい。 外国人の書いたものとしては、ケルナー「カント」(みすず書房)、ストローソン「意味の限界・純粋理性批判論考」(勁草書房)、G・マルチン「カント」(岩波書店)、ハイムゼート「カント哲学の形成と形而上学的基礎」(未来社)、カッシーラー「カントの生涯と学説」(みすず書房)、ハイデガー「カントと形而上学の問題」と「物について」、いずれも理想社ハイデガー選集。まだまだあるけど書ききれない。 同じくハイデガー選集の「有についてのカントのテーゼ」は、必読。特にカントの神の存在論的証明の批判がよくわかる。 あと、アディッケス「カントと物自体」(法政大出版)は、カントの物自体を考えるときに必読。物には物体のほかに霊魂とか、他者とか、いろいろ意味があるからね。 現象の向こうに物体があって、それは知りえない、それを物自体とカントは考えたなんて、誤解しないように。 あと、カントでも、結構デタラメを言うからね。 二律背反論の論証はほとんどデタラメ。誰もそれを解説できた人はいないよ。なぜって、デタラメを解説できるわけがない。 それにカントは先天的総合判断を数学と言っているが、それも間違い。先天的総合判断はあり得ない。カント以後、みんなそれを批判した。 だから、カントが言ったからといって、正しいとは思わないこと。

dr-ami
質問者

お礼

大変丁寧なご回答、有難うございました! かなり読み込まれたのですね。 参考にさせて頂きます。 参考書についてのアドバイスも助かります。 勉強します。

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