1階テンソルがベクトルというのはいいですか。
ベクトルをv,2階テンソルをTで表すとTとvの内積が新しいベクトルv'を作るというのが実用的な認識です。
v'=T・v
テンソル解析は回転等の物理の世界で使える実用的なものからきわめて抽象的な
「テンソルとはテンソル変換を満たすもの」
等という訳の判らないものまでありますがここでは実用的な3次元直交座標系において説明します。
この場合テンソルをきっちり把握できるのは成分表示です。単位ベクトルei(i=1,2,3),ベクトルの成分をxi(i=1,2,3)とすると
v=Σ(I=1,3)xiei
T=Σ(I=1,3,j=1,3)Tijei⊗ej
⊗はテンソル積を表す記号ですが内容はなくて表記上の便宜を図ったものと思えばいいでしょう。
v'=T・v=[Σ(I=1,3,j=1,3)Tijei⊗ej]・Σ(k=1,3)xkek
ここで
ej・ek=δij (δjk=0(j≠j),δjk=1(j=k))
よって
v'=T・v=[Σ(I=1,3,j=1,3)Tijxjei=Σ(I=1,3)[Σ(j=1,3j)Tijxj]ei
つまりv'は成分をΣ(j=1,3j)Tijxj (i=1,2,3)とするベクトルを与えます。
Tに座標回転のテンソル、座標系変換(デカルト座標系、球座標系、円筒座標系等の相互変換)テンソルを用いれば初期の回転,変換ができます。なお、これらはいずれも直交座標系で、テンソル解析において斜交座標を用いるのは破滅への道と教えられたことを覚えています。