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溶出
たんぱく質をイオン交換樹脂に吸着させ、これを食塩水で溶出したいのですが、 食塩水の濃度が濃い方が溶出されるのは何故ですか?
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> リジンやアルギニンなどの正電荷ばかりをもつタンパク質が酸性化または弱酸性化に溶けている場合、どうなるのでしょうか? 同じくアルカリまたは弱アルカリに溶けている場合どうなるのでしょうか? 酸性の場合とアルカリ性の場合、アミノ酸の何が変化するのかを考えれば単純な話です。 リジンやアルギニン(だけでなく全ての解離性残基)の側鎖電荷は、それらのpKa値に依存していることは理解されていますか? 例えば、リジンの側鎖pKa値は、10.5程度です。 pH > 10.5の場合と、pH < 10.5の場合、リジンの荷電状態がどう変わっているか? タンパク質では、様々なpKa値を持つアミノ酸の集合体ですので、全体としての荷電状態をpIより上か下かで判断しているのです。
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- ryumu
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タンパク質はアミノ酸が繋がったポリペプチド鎖状態でさらに、折りたたまれた立体構造を形成しています。 アミノ酸には、リジンやアスパラギン酸などの正または負に帯電した側鎖を持ちます。またポリペプチド鎖の両方の末端も電荷を帯びています。 この電荷の帯具合は、荷電性アミノ酸残基をどれだけ含むかということと、タンパク質自身が溶かされている溶媒のpHによって変化します。 例えば、アスパラギン酸やグルタミン酸などの負電荷アミノ酸がほとんど無く、リジンやアルギニンなどの正電荷ばかりをもつタンパク質が、中性溶液に溶けている場合は、タンパク質全体としても正電荷が多いので、陽イオンカラムに吸着します。 同様な感じで、負電荷ばかりのアミノ酸で構成されているタンパク質は陰イオンカラムに吸着します。 実際には、色んなアミノ酸が含まれており、pHによっても荷電状態が変わるので(正負が釣り合うpHが等電点pI)、結局タンパク質の種類および使用する緩衝液のpHによって、陰陽どちらのカラムに吸着するのか、さらに吸着の度合いが変わります。 また同じタンパク質であっても立体構造が異なると、タンパク質分子表面上の荷電状態が見かけ上異なるため、複数の溶出ピークを示す事もあります。 その他に、タンパク質の一カ所に正電荷のアミノ酸が集まっており、また別の箇所に負電荷のアミノ酸が集まっている場合は、陰陽どちらのカラムにも吸着することもあります。 荷電状態によってカラムに吸着しているわけですから、周囲にイオンが多数あれば、樹脂にイオンの方が吸着する率が上がり、またタンパク質にもイオンがコーティングするようになるので、カラムから溶出されるのです。 タンパク質の荷電状態が高ければ高いほど、樹脂との相互作用が強くなるので、高い塩濃度が溶出に必要になります。 ですので、使う緩衝液のpHが変わると、タンパク質の荷電状態を変えるので、pHの選択も重要になります。
補足
ご回答ありがとうございました。 リジンやアルギニンなどの正電荷ばかりをもつタンパク質が、中性溶液に溶けている場合は、タンパク質全体としても正電荷が多いので、陽イオンカラムに吸着します。 >>> リジンやアルギニンなどの正電荷ばかりをもつタンパク質が酸性化または弱酸性化に溶けている場合、どうなるのでしょうか? 同じくアルカリまたは弱アルカリに溶けている場合どうなるのでしょうか?
- gohtraw
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酵素を含むタンパクも多くの場合分子中に電荷があるので吸着されますよ。 溶出に関しては、定性的なのですが、 ・溶出液中のイオンの吸着平衡 ・タンパクの吸着平衡 を考えます。いずれも、樹脂に吸着された状態と、吸着していない状態 の間の平衡です。溶出液の塩濃度を上げると、吸着していないイオンが 一時的に増加します。その影響を打ち消すように平衡が動き、吸着された イオンが増加するので、タンパクはいわば追い出されるような形で溶出 してきます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 非常に難しいです(汗)
- Saturn5
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イオン交換樹脂とはイオンを吸着するものです。 タンパク質はイオンで無いのでイオン交換樹脂には吸着されません。 アミノ酸の間違いではないでしょうか? アミノ酸ならば溶液の液性によってイオンになりますので一部が イオン交換樹脂に吸着されます。 ここに、食塩水と通すと、食塩水中にはNa+とClーがあるため、 たとえば陽イオンになっているアミン酸はNa+と場所を交換し、 水中に溶出します。陰イオンになっているアミノ酸はCl-と 場所を交換し水中に溶出します。
補足
タンパク質でなく酵素でした。 溶出する原理は分かりました。ありがとうございます。 しかし、食塩濃度によって溶出される物質が変わるところが理解出来ません・・・
お礼
ありがとうございました。