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マルチナショナルとトランスナショナルの違いとは?
- マルチナショナルとトランスナショナルは、日本語ではどちらも「多国籍の」と訳されますが、それぞれ異なる概念です。
- マルチナショナルは、工場や鉱山などの資産を2国以上において支配する企業で、資産の多国籍性が重視されます。
- 一方、トランスナショナルは、自国外で製品やサービスを扱う事業を所有または支配する企業で、事業の多国籍性が重視されます。
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マルチナショナルな企業からトランスナショナルな企業への変化(transformation)は、例えるなら、子供から大人への成長過程のような、連続的なプロセスとして捉えることができます。 ですから、ここまではマルチナショナル、ここからがトランスナショナルというように、明確に線引きをすることは難しいですが、両者の典型を挙げて説明することはできます。 例えば、A国に本社を置く企業のB国にある子会社が、研究開発、生産から販売まで本社と同じような組織を持ち、B国人を雇用し、B国で調達した材料を使って製品を作り、B国内で販売しているような場合は、この企業はマルチナショナルな企業の典型であると言えます。 またある企業が、A国にもB国にも従業員を抱えながら、ある製品の研究開発はそれに適したA国で、別の製品についての開発はB国で、あるいは生産の前工程はA国で、後工程はB国で行なっているような場合は、かなりトランスナショナルな企業であると言えます。 上述の変化(transformation)の到達点(goal)における企業の姿はどのようなものになるでしょうか?それは、EUのように世界経済が(その企業にとっては)実質的に単一の市場となったときに、製品の研究開発、生産、販売、その他の(本社)機能とそのための人材とを、世界中に最適に配置したとき実現されるであろう姿、ということになるでしょう。
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- marjoram
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マルチナショナルな企業とトランスナショナルな企業、 意味上、重点の置きどころには多少の違い(nuance)が あるものの、ほとんどの場合、同じ概念と理解して良い ように思います。 接頭辞multi-が「多数の」、trans-が「越えて、超えて」 という意味合いを与えるので、著者(著作)によっては、 これら二語を使い分けて用いることもあるようです。 例えば、「伝統的なマルチナショナルな企業からトランス ナショナルな企業へ」といった文章なら、その多国籍企業 内部の組織や構造の違いを問題にしていて、単に複数の国で 同様の事業を行なっているという段階から、その企業の オペレーションが国境を超えて統合された段階、ほとんど 国境を意識しないで世界戦略を立てることのできる段階へと 進化した、ということになるでしょう。
お礼
何度もご回答くださり、とても感謝しております。 重点の置き所の違いを説明していただき、自分の中でtrans~ と、multi~ の区別がかなりスッキリしました。 もし組織や構造の違いについて、2つを使い分ける際の何らかの定義があるようでしたら、教えていただけるとありがたいです。
お礼
度重なるお願いにもかかわらず、丁寧に説明していただき、本当にありがとうございます。 両者の典型を分かりやすく説明していただいたおかげで、今後はどちらの単語が使われているかによって、文脈をより的確にとらえながら読むことができそうです。 ありがとうございました。