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有限次拡大について
(1) 任意の自然数nをとる。 [K:Q]=nとなる有限次拡大K/Qの例をあげよ。 (2) 標数0の体K上の既約多項式は、重根をもたないことを示せ。 この2問がどうしてもわかりません。わかる方いたらよろしくお願いします。
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(1) Q上のn次既約多項式の根を一つQに添加すればよいです。 K/Qがガロア拡大でなくてもよいなら簡単です。 例えば、pを任意の素数としてx^n-pはアイゼンシュタイン多項式なのでQ上既約ですから、この根を一つ(どれでもよい)Qに添加した体はQのn次拡大体です。K=Q(p^(1/n))は一つの例になります。 (2) 分離性と呼ばれる性質です。 多項式fが重根aを持つと仮定します。 このとき、fの微分f'も同じ根aを持ちます。ここでfがK係数ならf'もK係数であるということに注意します。 また、標数0の体上では、fがn次式(x^nの係数が0でない)とすると、f'は(n-1)次式(x^(n-1)の係数が0でない)です。(標数pの体ではf=x^p(p次式)のときf'=0なのでこの限りではありません) よって、fをf'で割り算した余りをf1とおくと、作り方からf1は高々(n-2)次の「K係数」多項式で、aを根に持ちます。 今度はf(またはf'でもよい)をf1で割った余りをf2とおくと、f2は高々(n-3)次の「K係数」多項式で、aを根に持ちます。 この操作を繰り返して順次f iを作るとf i+1はf iよりも真に次数が下がるので最終的にfはあるmについてf mで割り切れるはずです。しかも作り方から、すべてのiについてf iはK係数であり、しかもaを根にもつので、f mは一次以上のK係数多項式です。 こうして、fはK係数の多項式f mで割り切れるので既約ではありません。 よって既約多項式は重根を持ちません。
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