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フーリエとは?
物理でシュレテンガー方程式を学んでいます。 波を表すのに、色々な振動の波を重ね合わせてつくって表現していることは理解しました。 しかし、規格化?正規?なんじゃそれ?状態です。 教科書をみても”直行”やら複素うんにゃらが書かれていてピンときません。 どういうことか分かり易く教えていただけるとうれしいです。 それと完全系というのは同じ波が繰り返して流れているってことであっていますか?
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フーリエには、フーリエ級数(分解)とフーリエ変換がありますが、本質的には同じものです。シュレテンガー方程式も最初の方ではフーリエ級数だと思いますので、ここではそちらに限ります。 まずフーリエ級数は、シュレテンガー方程式に固有のものではありません。任意の関数f(x)があったとき、f(x)を、 f(x)=a1・g1(x)+a2・g2(x)+・・・(どこまでも続く) (1) と展開する事を、一般化されたフーリエ級数と言います。 ここでa1,a2,・・・はxに依存しない定数で、各成分関数g1(x),g2(x),・・・の振幅と言われたりします。(1)を、関数系 {gn(x)} による展開や分解と呼んだりします。n=1,2,・・・です。 (1)の右辺は{gn(x)}の与え方により色々ある訳で、{gn(x)}が三角関数であるとき、フーリエ級数です。もちろんフーリエさんが、三角関数でこういう事を始めたので、一般化されたフーリエ級数の名があります。 物理ではこの分解に、物理的意味が付いてきたり、物理的意味を負わせたりします(量子力学は、こっちかな?)。 関数系{gn(x)}を例えば三角関数に取った場合、(1)では振幅 {an}を計算できれば良いわけです。そのとき重宝するのが、「直交」関数系です。 ∫gn(x)・gm(x)・dx=0,ただしn≠m (2) が成り立つとき、直交関数系と言います。(2)の積分区間は状況に応じて色々変わりますが、妥当な積分区間で(2)が成り立つとして、(1)の両辺にgm(x)をかけて積分した姿を想像すると、 ∫gm(x)・f(x)・dx=a1∫gm(x)・g1(x)・dx+a2∫gm(x)・g2(x)・dx+・・・+am∫gm(x)・gm(x)・dx+・・・ なので、 ∫gm(x)・f(x)・dx=0+0+・・・+am∫gm(x)・gm(x)・dx+0+0・・・ (3) ↓ ∫gm(x)・f(x)・dx=am∫gm(x)・gm(x)・dx (4) となり、gm(x)の振幅amが、f(x)に対して一発で計算できます。(3)から(4)への移行には、(どこまでも続く)の無限個の足し算が絡むので、それなりの数学的証明は必要ですが、「直交」関数系という良く性質のわかった関数系を使用しているので、物理ではたいてい「当然の事」として扱います。数学の方で担保を取っているので、心配するな!という事です。 (4)でamの後の積分が0なったら、もちろん駄目ですが、gm(x)の2乗(必ず≧0)の積分はほぼ絶対に0になりません。例外はgm(x)=0の時だけです。gm(x)の2乗(>0)となるxがあるなら、必ずグラフは面積を持ちますよね?(^^)。なので、{gn(x)}には、最初からgn(x)=0は含まれません。 (4)でさらに、∫gm(x)・gm(x)・dx=1だったら、とっても都合が良い。 ∫gm(x)・f(x)・dx=am だからです。任意のmで、 ∫gm(x)・gm(x)・dx=1 (5) も満たす{gn(x)}を、「正規直交」関数系と言います。三角関数を√(2π)で割った三角関数系は、(2)も(5)も満たします(^^)。 物理用語としての完全系という言葉は別の意味かもしれませんが、以上の文脈では、「任意のf(x)」を(1)のような形で展開(分解)可能なとき、{gn(x)}は正規直交「完全系」と言われます。 こいつの証明はかなり難儀で、「任意のf(x)」の「任意の範囲」が問題になります。例えば任意に不連続関数なんかも含めてしまうと、証明はほぼ不可能です。例えば、gm(x)の2乗(>0)となるxがあっても、面積0のグラフはすぐ与えられます。 でも連続関数くらいの範囲で証明できれば、もう十分過ぎてお釣りが来ます。連続関数には微分可能な関数全部が含まれますから。例えば三角関数系にはそのような証明があり、けっきょく普通は完全性についても気にしません(^^)。 最後に、「複素うんにゃら」についてですが、実関数を複素関数の組で表す事は可能です。これも三角関数が代表で、cos(x)とsin(x)は、exp(±ix)の組で表せます(i は、虚数単位)。 複素関数の組で表すのは、普通は計算が便利になったり、理論の意味が明確になったりするからですが、シュレテンガー方程式は複素形で定式化しないと、物理的意味がなかったはずです。そこは教科書を良く読んで下さい。 量子力学など今の物理は、「良くみりゃこの世は、不思議のカタ~マ~リ~」を記述してますからね(^^)。
お礼
正規直行系を成している関数にフーリエ級数が使えるんですね! よくわかりました! ありがとうございました!!
補足
長文での説明ありがとうございます!! つまりgn(x)のanを求めたいからgm(x)をかけてやると、amの項が残って、f(x)とamの関係がだせるってことですか? 「 (4)でさらに、∫gm(x)・gm(x)・dx=1だったら、とっても都合が良い。 」 gm(x)は正規直行をみたす条件の上での関数として考えるってことですね 完全系の意味は履き違えていました…(ToT)