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物理学 波動についての疑問
- 物理学の参考書には、波動に関する疑問があります。具体的には、波の形が+cos型で単振動の様子が+cosの場合と、sinの場合で異なる点について理解できません。
- 物理学の参考書で見つけた疑問について質問です。波の形が+cos型の場合とsin型の場合で、単振動の様子がなぜ異なるのかが分かりません。
- 物理学の参考書に書かれていた問題についての疑問です。波の形が+cos型の場合は単振動の形も+cosで、sin型の場合は波の形はプラスなのに単振動の様子がマイナスになる点が理解できません。
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少し長いですが、基本的なところから説明しますので、じっくり読んでみてください。 波は、 (1)「時間とともに空間内を進む」=「ある時間で止めると、波が空間に分布している」 という風にも表せますし、ある場所にとどまって見ていると (2)「上がったり下がったりしている」(振動している) という風にも表せます。 水面の凹凸の広がりが(1)、水面のある場所に浮いている木の葉が上下しているのが(2)の状態です。 ご質問の中では、(1)を「波の形」(ある瞬間の、時間を止めた状態の波の形)、(2)を「単振動」(同じ位置で、上がったり下がったり振動していること)と呼んでいます。 (1)では、波は座標xの関数として表されます。波長をλとすると y(x)=A・cos(2πx/λ) (1a) または y(x)=A・sin(2πx/λ) (1b) (2)では、波は時間tの関数として表されます。振動数をfとすると y(t)=A・cos(2πf t) (2a) または y(t)=A・sin(2πf t) (2b) 両方を同時に表現すると、 y(x, t)=A・cos2π(x/λ- f t) (3a) または y(x, t)=A・sin2π(x/λ- f t) (3b) と表せます。 「 ft 」の項の符号がマイナスになっているのは、波が時間とともに座標xの「正(プラス)」方向(右方向)に進んで行くことを意味しています。「座標xの「正(プラス)」の方向(右方向)に進む」ことを表すために「マイナス」になっているのです。 直感的には逆のように思えますが、よく考えて理解してください。時間T後には、今左の方にある波の形がその位置にやって来る、という風に考えてみると分かりやすいと思います。「今左の方にある」ということで「 ft 」をマイナスしているのです。 と、ここまで基本のおさらいをした上で、ご質問の中身に移りましょう。「>」を付けたのが質問文の引用です。 >時刻t=0で振動は上からはじまり下へ下がっています。ですから横軸xの波の形のグラフを描くと+cos型になります。 ここはよいですね? (3a)のようにcosで書けば、時刻t=0のときに、x=0の波の始まりの高さは最大値Aということです。 (3b)のようにsinで書くと、時刻t=0のときに、x=0の波の始まり高さはゼロですね。 波はどうせ時間とともに右に進んで行くので、時刻t=0のときの波の形をどうするか、というだけのことです。 >cosの場合はsinよりわかりやすく、+Aからはじまると波の形も+cosだし単振動の形も+cosです。 ここからが少しややこしいですね。 言っていることは、(3a)のようにcosで書けば、x=0の位置の上下の振動は y(0, t)=A・cos2π(- f t) =A・cos(2πf t) となるのに対し、(3b)のsinだと y(0, t)=A・sin2π(- f t) = -A・sin( 2πf t) となって「マイナス」が付いてしまう(-sinになる)ということです。 >sinのときは波の形はプラスなのに単振動の様子はマイナスになるってケースもあります。 と書いてあるのは、そういう意味です。 もう一度書くと、(3b)の式を使うと、時間t=0のときの波の形は y(x,0)=A・sin(2πx/λ) と普通の+sinで書けるのに、x=0の位置での上下振動(単振動)だと y(0, t)=A・sin2π(- f t) = -A・sin (2π f t) つまり -sin になってしまうということです。 これは、波が左から進んで来るのでx=0の位置では「始まりがセロで、時間とともにマイナスに揺れ始める」ということです。波の形を、時間とともに右向きに進めてみればそうなりますよね。 別に、マイナスがついてもよいのですが、+sinと-sinが出てくると、初心者には直感的に分かりにくい、というだけのことです。 説明は以上ですが、これは、ただずっと考えていても分かるものではなく、座標と時間の関数としての波が(3a)(3b)のように書ける、ということを理解して、初めて意味が分かる話です。 波の問題は、「時間を止めて、空間に広がった波の形(=水面の広がり状態)」で表しているのか、「空間の1点で、上がったり下がったりする振動(水面上に浮いた木の葉の上下運動)」として表しているのか、どちらで見ているのかを認識することが大事です。難しい話でもなんでもなく、どのように見ているかという視点の問題です。 これを一度納得すれば、波の問題はほとんど理解できるようになります。
お礼
丁寧な説明してくださり大変ありがとうございました。印刷して何度も読んで理解できるようにしていきます。