そこ、補足要りますか?
ブロック対角行列 Y 内の、ある m 次のブロック S について、
S を対角化する変換行列を R と置く。R は m 次行列で、
(R^-1)SR が対角行列になる。
Y における S の位置を R とし、その他の成分は Y と同寸の単位行列
と同じであるような行列を R' と置くと、
(R'^-1)Y(R') は、Y の成分の内 S だけを (R^-1)SR に換え、
その他の成分は Y と同じままである。
Y の各ブロック S に対する R' を全て掛け合わせたものが (P^-1)Q
となるが、各 R' は変換 (R'^-1)X(R') によって X の成分を変えない。
過去の同質問に、固有空間分解に根差した
格調高い回答があるので…
今回は、行列計算ベースのチャラい回答を。
A または B が単位行列のスカラー倍の場合と
そうでない場合に、場合分けします。
(1) 一方が単位行列のスカラー倍の場合:
他方を対角化する変換行列で変換すれば、
A, B ともに対角行列になります。
(2) どちらも単位行列のスカラー倍でない場合:
A を対角化する変換行列を P として、
X=(Pの逆行)AP, Y=(Pの逆行列)BP と置きます。
AB=BA より、XY=YX が計算で示せます。
X は対角成分が皆同じではない対角行列ですから、
XY=YX の成分計算によって、Y は対角行列
でなければならないことが判ります。
お礼
昨日寝ている間に妙案を考えつきました. 命題:AB=BAである対角化可能な2つの行列A,Bは同時対角化可能である. 証明: A,Bの次数をnとする. aをAの任意の固有値としxを固有値aに対するAの任意の固有ベクトルとすると Ax=axとAB=BAよりA(Bx)=a(Bx)となり Bxも固有値aに対するAの固有ベクトルとなる. つまりAの固有空間はB不変である. bをBの任意の固有値としyを固有値bに対するBの任意の固有ベクトルとすると Ayも固有値bに対するBの固有ベクトルとなることも同様に分る. つまりBの固有空間はA不変である. yをAの固有空間で一意分解する. y=x1+x2+…+xk …(*) 但しkは適当な自然数であり x1,x2,…,xkはそれぞれAの固有値a1,a2,…,akに対する固有ベクトルである. Bの固有空間はA不変なのでjを1以上k以下の自然数として Π[1≦i≦k & i≠j](A-aiI) を(1)の両辺に掛けても両辺はBの固有値bに対する固有ベクトルであるから Π[1≦i≦k & i≠j](A-aiI)y=Π[1≦i≦k & i≠j](aj-ai)xj (j=1,2,…,k) はBの固有値bに対する固有ベクトルであり xjはBの固有値bに対する固有ベクトルであることが分る. よってx1,x2,…,xkはすべてBの固有値bに対する固有ベクトルである. これによりBの固有ベクトルをAの固有空間に一意分解すると 分解したものはA,B共通のの固有ベクトルとなることが分る. Bの独立なn個の固有ベクトルについてAの固有空間による一意分解をして 分解したものからn個の独立な固有ベクトルを取り出すと それらはA,B両者の固有ベクトルであるから それらを列方向に並べて作成されるn次正方行列はA,B両者を対角化する行列である. これでやっと一件落着です.
補足
再三の回答ありがとうございます. もし、Bの固有ベクトルのAの固有空間による一意分解による方法の方で 明解な証明方法が有れば教えていただければ幸いです. よろしくお願いします.