現代文読解力の開発講座の解説についての疑問
現代文読解力の開発講座の第四問、問二についての疑問です。(以下は参考書の問題文抜粋です)
一般的に屏風はその名称どおり、風を防ぐ調度を認識されてきた。(省略)「風ふせぐ外に役あり金屏風」(明和)の句に見えるように、 屏風は実用的、儀礼的、装飾的の各レベルで多機能的に用いられるのが特色であるが、それはみな壁の機能に還元されるものである。〈防ぐ〉〈もたれる〉〈遮る〉〈囲う〉〈仕切る〉〈飾る〉―――壁にかかわる触媒語は、そのまま屏風にも使うことができる。 すなわち、屏風とは壁の記号なのだ。その構造を屈折させ、自由に変換したものである。だから屏風の機能と特色は、壁を建物から切り離したところにある。つまり壁のもっている不変不動の概念を可変可動なものにし、それに独立した自由を与えたということである。欧米人が個人の自由のために壁を厚くし細分化していったときに、東洋三国の人たちは、壁を自由にするために、それを軽く薄くした。 そして壁が人間を拘束するの ではなく、人間が壁を自由にコントロールする。それを実現したのが、他ならないあの屏風であったのだ。
問二「屏風とは壁の記号なのだ」の「壁の記号」とはどういう意味か。もっとも適当なものを 次の1~5の中から一つ選び、その番号をマーク解答用紙の所定欄にマークしなさい。
1壁を建物から切り離して独立させたもの。
2壁の機能を高め、機動性と融通性を与えたもの。
3壁の不変不動の概念に独立した自由を与えたもの。
4壁の特徴・機能を全面的に反映したもの。
5壁を軽く薄くして質量を減少し抽象性を増大したもの。
(参考書著者解説の抜粋)
「それ(屏風の特色)はみな壁の機能に還元されるもの」
= (裏返して言えば)
〈屏風の特色は壁の機能を発展させたもの〉
から、「壁の記号」とは、ここでは〈壁の機能を発展させたもの〉という内容だとわかる。 また、〈機能を発展させた〉 という特色は、「壁を建物から切り離したところにある」と述べられているから、2の〈壁の機能を高め、機動性と融通性を与えたもの。〉が正解となる。
ここで、この解説について少し違和感を感じました。
すなわち、屏風とは壁の記号なのだ。
すなわちの意味は「言い換えれば」
つまり、前の文とイコールがつながり、
壁の記号=壁の機能性を含んでいる
とすることができると考えました。
なので、これを機能を発展させたもの、とするのは少し飛躍し過ぎているような気がします。また、その発展についてはこの後の文、第二文以降に書いてあることであり、ここまでの文において、その発展は含まれていません。
つまり、この文は「屏風が壁の機能性の一部を含んでいる」と言い換えが可能だと思いました。
またこの解説を書いた筆者もこの解説の前の部分にて以下のように説明をしています。
抜粋
「風とは壁の記号なのだ」と定義づける表現が見られる。「記号」という言葉があるが、ここでは簡単に〈意味作用を有するもの〉くらいに考えておけばいい。 つまり「屏風」は「壁」の持つ意味を有する。 しかし当然のことながら、屏風=壁であるはずはなく、続く第2文以降において「屏風」と「壁」との差異が述べられていく。
なので、壁の記号、という言葉が出てきた時点では壁の機能を高めたという内容が入っていないように思えます。
よって、これらのことから4が回答に一番近い気がしましたが、この文には「全面的」という言葉が入っているため、不適切となってしまいます。なので、この解答はこの中には適したものがないような気がしました。
(この考え方は自分なりに解釈したものなので、ところどころ破綻しているかもしれません。)
この解釈と問題文、解説文についての皆さんの意見を是非聞きたいです!
回答よろしくお願いします!
お礼
納得しました(^-^)また、国語について質問する、その時はよろしくお願いします(^O^)回答ありがとうございました!