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youのつづりはなぜuで終る?

youは、古英語ではeowでwで終っているのに、現代においてはyouと、英語らしからぬつづりの-uで終っているのでなぜでしょうか?どうしてこのようなつづりか許容されたのでしょうか。 (thouからきているという答かもしれませんが、そもそもそのthouがなぜ-uで終っているのでしょうか。なぜこのつづりが許容されたのでしょうか。) 以上、ご教示いただけたらありがたく思います。

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  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.3

    #1です。忘れ物です。     僕の始めの回答にあった大母音推移(下記)(great vowel shift、GVSと略します)は、you には不要と思って、#2では省きました。 1。長母音の発生     中英語では母音が長くなる条件が少なくとも二つあります。その一つは開母音の場合。もう一つは/ld/, /mb/, /nd/, /rd/ などの前です。     http://www.eigo.be/cultures/greatvowelshift.htm 2。長母音がGVSに引っかかる     様子は下記の図に似ています。普通の対流は、熱せられた液体が中央を上り周辺を下降しますがGVSでは、前の母音が上り、後ろの母音も上って行き場の無くなった前の長い i と、後ろの天井に支えた長い u が [ai] と[au] の二重母音になります。 https://www.google.com/search?q=great+vowel+shift+chart&hl=en&client=firefox-a&hs=iUE&tbo=u&rls=org.mozilla:en-US:official&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=6UcEUei2BaXyigL_-oFY&ved=0CDAQsAQ&biw=1687&bih=785   ビーンドがバインド「縛る」に、スーンドがサウンド「無事」になります。ドイツでクシャミの時言うゲズントハイト(Gesundheit)で s の後の母音が短いのは中英語の長母音化が起こらなかったためです。 3。二人称単数の道   前置きが長くなりましたが、古英語の þu(2人称単数主格) は、開音節ですから中英語で長くなりGVSで[ða'u]となります。     古英語の þe (2人称単数目的格) は、開音節ですから中英語で長くなりGVSで[ði'ː]となります。 4。二人称複数の道 古英語の gē (2人称複数主格) は、母音が長く、GVSで「ye'ː]から[yi'ː]となります。     古英語の ēowic, ēowþe (2人称複数目的格) は、[yuː]に置き換えられ、綴りは you に落ち着きました。      こう見ると you がGVSの変化を示していないのは、GVS(1600年頃)以後2人称代名詞の地位を獲得した新語で、そのためノルマン語でないフランス中央方言の正書法の影響を受けたからではないかと思います。

Him-hymn
質問者

お礼

私の理解のレベルをはるかに越えているような回答、ありがとうございます。すごく詳しく、とても参考になりました。自分でも少し調べてみたいと思っています。どうもありがとうございました。

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その他の回答 (2)

  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.2

  #1です。やり直しです。 1。現代においてはyouと、英語らしからぬつづりの-uで終っているのでなぜでしょうか?     1066年のノルマン征服以来、フランス系ノルマン語が英国の公用語になったからです。 2。 どうしてこのようなつづりか許容されたのでしょうか。 (thouからきているという答かもしれませんが、そもそもそのthouがなぜ-uで終っているのでしょうか。なぜこのつづりが許容されたのでしょうか。) thou は、二人称単数の主格の形で、古英語では þu、 ゲルマン祖語では *thu (古フリジア語では thu、中オランダ語や中低地ドイツ語では du、古高地ドイツ語、現在ドイツ語 du, 古ノース語 þu、ゴシック語 þu)で、いずれも印欧語の *tu- に遡る訳ですが u に終わっています。     ですからなぜ u に終わるか、というご質問より、なぜ ou なのかというご質問でしたら、僕の好きな「シュークリーム」(下記)は、最初の長い u が、原語のフランス語の choux à la crème では ou と書かれています。     この辺りに複数形から単数形への移動、34格から主格への移動と言った文法上の変化、フランス式書き方導入のような正書法の変化、といった二重の変化の産物と言っていいと思います。     https://www.google.com/search?q=chou+a+la+creme&hl=en&client=firefox-a&hs=GLZ&tbo=u&rls=org.mozilla:en-US:official&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=UhQDUar5NY3wigKpn4CoDA&ved=0CDAQsAQ&biw=1687&bih=785     

Him-hymn
質問者

お礼

フランス語の影響ですか。フランス語を勉強したことのない私にはとても難しいことですが、とても参考になります。さらに深く考えて下さり、やり直しをしてくださり、本当にありがとうございました。

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  • SPS700
  • ベストアンサー率46% (15297/33016)
回答No.1

    目覚ましいご活躍に感服しています。 1。  よそと同じに     おっしゃる通り古英語では gē の、三格や四格の ēow ですが、古フリジア語では ju, 古サクソン語では iu, オランダ語の u、古高地ドイツ語では iu または eu といずれも u で終わっています。 2。  同音語との区別     同じ発音をするものには、 ewe, yew, などと w が使ってあるので、違うものにした、とも考えられます。アメリカの南部などでは you all などと言って同音衝突を避けています。 3。  百姓綴りの定着     学校の先生は顰蹙なさるでしょうが、night を nite と書いたり、through を thru と書いたりする場合があります。綴りが固定しいるはずの21世紀でこいう有様です。     まして、(1)綴りが固定していない、(2)複数形が単数形に使われる、(3)長母音が Great Vowel Shift 途上で高齢者と若者では、発音が違う、こういった過渡期では「何でもあり」だったのでは。     以上は僕の単なる想像ですから、いい加減に聞いてください。

Him-hymn
質問者

お礼

他言語の-uがかなりあるのですね。いろいろ考えて下さりありがとうございました。参考になりました。

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