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δ関数の性質
以下の関数を証明を分かりやすくお願いします。 任意のε>0について ∫[-∞→∞]δ(t)dt=∫[-ε→ε]δ(t)dt=1
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- ereserve67
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δ(t)は t=0で無限大,t≠0で0 となるような関数です.ただし,t軸と囲まれる面積が1になるという条件付きです. ∫[-∞→∞]δ(t)dt=∫[-ε→ε]δ(t)dt=1 最初の等号はδ(t)=0(t≠0)から言えます.次の等号は定義のようなものです. δを理想的な状態で考える以上,上記のような直感的な証明もどきしかできません.あえて厳密にするなら定義とするか,自分でこのような関数もどきを扱う理論を構築するしかないです.それは超関数として理解されています. δ関数は量子力学でDiracが初めて導入しました.Dirac自身,上記程度のような直感的な理解で済ましていたため,厳密な数学者にはどうにも受け入れられませんでした.超関数と言う概念も後になってできたものです. しかし,δ関数は電気回路のインパルス信号や撃力といった現実のものを理想化したものとしていろいろな分野で用いられています.それを理解するのにもっともわかりやすいのは,現実的な近似δ関数をパラメータを設けてつくり,パラメータをある値に近づければ理想的δ関数になるようにすることです.例えば,a>0をパラメータとして, (1)δ_a(t)=1/(2a)(|t|<a),0(|t|>a) (2)δ_a(t)=(1/a^2)(t+a)(-a≦t≦0),-(1/a^2)(t-a)(0≦t≦a),0(|t|≧a) (3)δ_a(t)=(1/π){a/(a^2+t^2)} (4)δ_a(t)=e^{-t^2/(2a^2)}/{√(2π)a} などを考えます.いずれも (☆)∫_{-∞}^∞δ_a(t)dt=1 を満たし,t≠0のとき lim_{a→+0}δ_a(t)=0 となります.これによって lim_{a→+0}δ_a(t)→δ(t) と考えられます. もし,質問者様の等式の証明をしたいなら,(1),(2)を用いるとよいです.a→+0のとき任意のε>0に対してε>aと考えて良いので, lim_{a→+0}∫[-∞→∞]δ_a(t)dt =lim_{a→+0}∫[-ε→ε]δ_a(t)dt =lim_{a→+0}∫[-a→a]δ_a(t)dt=1 これでも数学的に厳密かと言われればNOです.しかし,(1)~(4)でaが十分小さい場合を考えれば,この等式も近似的に十分精度よく成り立ち,δ関数の直感的理解はできると思います.