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この式の意味や導出など教えてください。
座標系?か何かの変形みたいなことをしていたとき d/dt i'(t)=ω×i' という式がでてきたのですが、何を表しているのかよくわかりません。 導出とか式の意味・概念など解説していただけないでしょうか。 図などを用いてなるべくわかりやすく教えていただけると助かります。
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まず,わかりやすい平面の回転を考えます.(添付図左) 点Oを中心にベクトルA↑が角速度ωで微小時間Δtだけ回転して, ベクトルの先端が半径Aの円周上を点Pから点Qへ動いたとします. するとベクトルの関係から OQ↑=OP↑+ PQ↑ の関係になります. OPは時刻tのベクトルA↑でA↑(t), OQは時刻t+ΔtのベクトルA↑でA↑(t+Δt) なのでOQ↑- OP↑をΔA↑と書くことにすると ΔA↑=OQ↑- OP↑= PQ↑ です. ベクトルA↑が角速度ωで回転しているので,PQの長さは角度がωΔtの円弧の長さで近似できるので |PQ↑| = A ωΔt 角速度ベクトルを回転軸の方向を向く大きさが角速度のベクトルと定義すると外積の定義(※)から Aω = | A↑×ω↑ | と書くことができ,方向もPQ↑の方向と外積 A↑×ω↑ の方向が一致するので,大きさだけでなくベクトルの関係式として PQ↑ = A↑× ω↑ Δt が成り立ちます.PQ↑は前述のとおりΔA↑のことなので ΔA↑ = A↑× ω↑ Δt したがって,Δt->0の極限を取って dA↑/dt = lim[Δt->0] ΔA↑/Δt = A↑× ω↑ 三次元回転では添付図右にあるように今度は半径がAsinθの円周上をベクトルの先端が動くことになるので,同様に考えて |PQ↑| = (Asinθ) ωΔt = Aω sinθ Δt となりますが,今度も外積の定義からやはり Aωsinθ = | A↑×ω↑ | となり,PQ↑の方向もこの外積の方向に一致するので同じ式 ΔA↑ = A↑× ω↑ Δt が成り立ちます.したがって,同様にΔt->0の極限をとって dA↑/dt = A↑× ω↑ この関係が任意のベクトルAについて成り立ち,ご質問は A↑= i'↑ の場合の式ということです. ※ 外積の定義 http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/category/vector/henkan-tex.cgi?target=/math/category/vector/gaiseki.html など
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- hitokotonusi
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>dA↑/dt = lim[Δt->0] ΔA↑/Δt = A↑× ω↑ ANo.3で訂正したように正しくは dA↑/dt = lim[Δt->0] ΔA↑/Δt = ω↑× A↑ ですが・・・・ >なぜ極限をとるのでしょうか。 ベクトルΔA↑の大きさΔA(=PQ)は正しくは弦の長さ(直線で結んだ長さ)で、AωΔtは弧の長さ(円に沿った長さ)なので正確には等しくありません。したがって微少量とはいえΔtの2次以上の項がついて ΔA = AωΔt + C2 (Δt)^2 + C3(Δt)^3 + ・・・・・・ となります。この両辺をΔtで割ると ΔA/Δt = Aω + C2 (Δt) + C3(Δt)^2 + ・・・・・・ したがってこのままでは右辺の2項目以下があるので厳密には ΔA/Δt = Aω とはなりません。そこでΔt->0の極限を考えれば右辺第1項にはΔtが含まれないので第一項を残して第2項以上の高次の項が全て消えるので lim[Δt->0] ΔA/Δt = Aω が成り立ちます。そこで数学ではこれを微分と呼び、 dA/dt = lim[Δt->0] ΔA/Δt と書く約束です。 この場合に限らず、一般にこれが微分の考え方です。 複雑になるので上の説明では省略しましたが、方向に関してもΔA↑=PQ↑(PとQを直線で結んだ方向)と ω↑× A↑(円の接線方向)は有限のΔtでは厳密には一致せずΔt->0の極限ではじめて一致するので、大きさだけでなく方向を一致させるためにも極限をとる(微分にする)必要があります。
お礼
おかげさまで理解できました! ありがとうございました。
- hitokotonusi
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失礼. 外積のベクトルの順番を間違えました.方向を一致させる(右ネジの方向,つまり反時計回りを正にする)ためには外積はすべて ω↑×A↑ で,回転するベクトルA↑の微分は dA↑/dt = ω↑×A↑ です.
- ereserve67
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静止系Sに対して角速度ベクトルωで回転する座標系を運動座標系S'とします.角速度ベクトルωとは,S'に静止している点rをS'の基本ベクトルi',j',k'を用いて r=x'i'+y'j'+zk' と表せます.このとき (★)dr/dt=ω×r となります.直感的にも理解できます(http://okwave.jp/qa/q7702596.html).(詳しくは力学の教科書をみて下さい.実はその中にもdi'/dt=ω×i'等がでてきますがここでは紙面の都合上次のように説明します.) さて,質問に対する回答ですが, 『i'はS'の(1,0,0)というS'における定点の位置ベクトル』 とみることができるので,(★)のケースにあてはめると, (○)di'/dt=ω×i' になります.同様にdj'/dt=ω×j',dk'/dt=ω×k'が成り立ちます.以上が回答です. ※もし,rがS'に対しても運動しているとき (☆)d*r/dt=(dx'/dt)i'+(dy'/dt)j'+(dz'/dt)k' と定義します.これはS'に対するrの速度とみることができます.Sからみたrの速度は(★)と(☆)の合成になるので (*)dr/dt=d*r/dt+ω×r となります.rは任意のベクトルでも成り立ちます. (○)を用いると,(*)が次のようにして導けます. dr/dt=(dx'/dt)i'+x'di'/dt+(dy'/dt)j'+y'dj'/dt+(dz'/dt)k'+z'dk'/dt ={(dx'/dt)i'+(dy'/dt)j'+(dz'/dt)k'}+(x'di'/dt+y'dj'/dt+z'dk'/dt) {}内に(☆)を,()内にdi'/dt=ω×i',dj'/dt=ω×j',dk'/dt=ω×k'を適用して, dr/dt=d*/dt+x'(ω×i')+y'(ω×j')+z'(ω×k')=d*/dt+(ω×x'i')+(ω×y'j')+(ω×z'k') =d*r/dt+ω×(x'i'+y'j'+z'k')=d*r/dt+ω×r となります.
補足
考え方は理解できました。ありがとうございます。 Δt->0の極限を取って dA↑/dt = lim[Δt->0] ΔA↑/Δt = A↑× ω↑ この式の成り立ちが理解できないのですが‥‥‥。 なぜ極限をとるのでしょうか。 dA↑/dt = lim[Δt->0] ΔA↑/Δt = A↑× ω↑になるのはなぜか説明していただけると幸いです。