- ベストアンサー
源氏物語の翻訳について
- 長くあれこれ考えた後、眠りから目覚める方法が見つからなかった理由について疑問があります。
- 他の表現方法として「ここには助言をくれる人はいない。秘密にここへ来てくれないだろうか?」という言い回しも考えられます。
- 「若い王子がそんなにも荒廃した悲しい場所で日々を過ごすことはよくありません。彼も来なさい」という意味で、shouldを訳すことができます。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
1)> Then after a little hesitation she repeated the Emperor's message: ”'For a while I searched in the darkness of my mind, groping for an exit from my dream; but after long pondering I can find no way to wake. 長くあれこれ考えた後(after long pondering)目覚める方法を見つける事が出来なかった、と訳す感じだと思うのですが、I can find ~と現在形で表現されているのはなぜなのでしょうか?現在も方法が見つかっていないために現在形にしているのでしょうか? searchedと過去形なのが気になりますが・・・ ●『源氏』原文は、「ややためらひて、仰せ言伝へきこゆ。『しばしは夢かとのみたどられしを、やうやう思ひ静まるにしも、覚むべき方なく堪へがたきは、いかにすべきわざにかとも」です。帝の心理は複雑で、「しばらくは夢の中にいるようでありました。それは一応落ち着いてきたのですが、今も夢から出る出口がみつからなくて困っています」という気分です。ですから、言っているのは今のことですので、I can と現在形にしています。I couldn't とすると、じゃ、今は見つかったのかな、という気になります。 2)> There is none here to counsel me. Will you not come to me secretly? ここは Won't you come to me secretly?でもいい表現でしょうか? ●意味的にはもちろん大丈夫です。ただ、Will you not come to me secretly?のほうが、勿体があって、帝の言葉らしいです。 3)> It is not well that the young prince should spend his days in so desolate and sad a place. Let him come too!” ここの文の中のshould は「過ごすべき」と訳すのでしょうか? ●これは、今では古風な英語ですが、It is ~ that S should V... という構文で、~のところに、価値判断を示す言葉が来ると、that 節に should を使うというものです。「(主観的)価値判断の should」と言います。「べき」とは訳しません。訳では無視します。 4)> This he said and much else,but confusedly and with many sighs;and I,seeing that the struggle to hide his grief from me was costing him dear, hurried away from the Palace without hearing all. But here is a letter that he sent.” > much elseはどのように訳せばいいのでしょうか? ●直訳では、「その他のことも多く」です。『源氏』原文は、「~など、はかばかしうものたまはせやらず」ですので、「など」を訳していると思われます。He said this and much else...ということです。 > the struggle to hide his grief from me was costing him dear ここが訳せません。彼の悲しみの中に隠れた苦悶・・・from me? 彼に労力をかける・・・dear?? ●直訳しますと、「彼の悲しみを私に見せまいとする苦労が、彼に大きな犠牲を払わせていた」です。hide A from B で、「A を B の目から隠す」ということです。帝は命婦に、自分の悲しみを見せないように、いたいたしいまでの努力をしていた、ということです。 > hurried away~は使いの者が帝の言葉をすべて聞くことなく宮殿から急いで来た、と言っているのでしょうか? ● まさにそうです。聞いていると辛いので、全部は聞かないような状態で、退出して参りました、ということです。『源氏』原文は、「承り果てぬやうにてなむ、まかではべりぬる」です。
お礼
大変丁寧な回答をいつもありがとうございます。 1) ここは帝の心の推移が書かれているのですね。 butが入っているので前文を否定しているように取れて訳しにくかったのですが 「それは一応落ち着いてきたのですが」が入るとbut以下の意味が通りやすくなりました。 2) この文になぜnotが入っているのだろうと思って辞書で調べたら ”Won't you・・・?”は勧誘のみに用いられると書いてあったので won't youの意味でここはWill you not come ~なのかなと思いました。 でもここは帝の言葉らしく表現されているのですね。 3) ここのshouldは(主観的)価値判断のshouldととるのですね。 Waleyについて調べたところ随分昔の人だということがわかりました。 4) ●much elseは「その他のことも多く」ですね。 ●hide A from B で、「A を B の目から隠す」なんですね。 to hide his grief from meまでがつながっているととればよかったのですね。 dearがさっぱりわかりませんでしたが、ここは「彼に大きな犠牲を払わせていた」という意味なのですね。 ●主語が離れたところにあるのでちょっと考えてしまいましたが宮殿から急いで来たのだから使いの者なのだろうと思いました。 いろいろ勉強させていただきました。ありがとうございました。