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源氏物語の翻訳について
- 『 The fact that she had till now sent no poem or conciliatory message seemed to show some hardening of heart, and had already disquieted me. Now I began to fear that her accursed suspiciousness and jealousy had but been a stratagem to make me grow weary of her, and though I could recall no further proof of this I fell into great despair. 』
- 『 And to show her that, though we no longer met, I still thought of her and planned for her, I got her some stuff for a dress, choosing a most delightful and unusual shade of color, and a material that I knew she would be glad to have. ’For after all,’ I thought, ’she cannot want to put me altogether out of her head.’ 』
- 『 When I informed her of this purchase she did not rebuff me nor make any attempt to hide from me, but to all my questions she answered quietly and composedly, without any sign that she was ashamed of herself. 』
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今晩は。庭の雑草が勢いを見せています。これから草との格闘の季節が始まりますね。 いつも大変丁寧なお礼をありがとうございます。今回も黒帯を進呈したくなりました。 前回の補足です。私の版では、Some undergarments were hung out upon a large, warmly-quilted couch【,】 the bed-hangings were drawn up, and I made sure that she was for some reason actually expecting me.のように【,】がありました。punctuation はとても大事ですね。 それとmake sure の訳ですが、確かにここでは「確信した」という訳がぴったりしそうに思えますが、それだと and I was sure that … とするはずです。be sure と make sure については http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1080727505 を御覧ください。and I made sure = and I checked some or other things to conclude that ~ということで、もし「いろいろ調べて間違いなく彼女は私を待っていたと思った」と訳されれば、正解です。微細な違いですが、念のため。 1) ●完璧です。過去完了の訳し分けもきちんとできています。黒帯級です。 >hardening ・・・名詞ですか? 「some hardening」で「かなりの硬化」? ●元は動名詞ですが、立派な名詞となったものです。「かなりの硬化」で正解です。 >but been a stratagem to・・・・ここの「but」は「ほんの」、「ただの」? ●その通りです。「~にすぎない」の訳語も袖の中に入れてください。 >proof of this・・・「this」は「her accursed suspiciousness and jealousy had but been a stratagem to make me grow weary of her」ですか? ●その通りです。 2)『 And to show her that, though we no longer met, I still thought of her and planned for her, I got her some stuff for a dress, choosing a most delightful and unusual shade of color, and a material that I knew she would be glad to have. ’For after all,’ I thought, ’she cannot want to put me altogether out of her head.’ 』 >そして彼女にそれを示すために、私たちはもはや会うことはしなかったのですが、私は依然として彼女について考え、彼女のために計画を立て、私は色の最も 楽しいまれな濃淡と、彼女が持つことを嬉しく思うだろうということを私が知っていた生地を選びながら、私は彼女に服用のいくらかの織物を買ってあげまし た。「というのは、なんといっても」私は思いました。「彼女は完全に私を彼女の頭の外に出したいはずがないからです」・・・・・? ●最初の文の構造を間違えられています。また a most = a very ですので、「最も」より「とても」の訳が一般的です。( the most なら「最も」です。)後は完璧です。For after allの訳など間違えやすいですが、もう安定感がありますね。 >And to show her that・・・・「that」は「I fell into great despair」ですか? ●I got her…が主節ですので、to show her that, though we no longer met, I still thought of her and planned for herが1つの従属節です。to show her that I still thought of her and planned for herに, though we no longer metが挿入されています。訳しますと「もう会わなくなってはいても、相変わらず彼女のことを思い、彼女との将来を計画していることを彼女に示すために」となります。 >I still thought of her ・・・「still」は古い英語の用法の「常に」でもいい感じがするのですが、「依然として」を選びました。(どっちでもあてはまりそうなときの決定方法は何かあるのでしょうか?文脈ですか?) ●そうですね。紛らわしいですが「依然として」のほうに軍配が上がりますね。 >some stuff for a dress・・・・「for」は(用途・適用・適性)の「・・・用の」、「・・・にあう」、「ふさわしい」の意味ですか? ●その通りです。 >choosing a most delightful and unusual shade of color・・・ここは choosing (a most delightful and unusual shade) of colorという風に色についてかっこの中がひとまとまりになっている意味ですか? ●その通りです。shade of colorは「色合い」という決まった言い方です。 http://eow.alc.co.jp/search?q=shade+of+color&ref=sa >’she cannot want to put me altogether out of her head.’・・・「cannot」で「~のはずがない」ですか? ●その通りです。cannot + 一般動詞でも、時々「~のはずがない」の意味になりますので、油断出来ませんね。 3)『 When I informed her of this purchase she did not rebuff me nor make any attempt to hide from me, but to all my questions she answered quietly and composedly, without any sign that she was ashamed of herself. 』 >私が彼女にこの購入物について知らせた時、彼女は私をはねつけないばかりでなく、私から隠れるための企てを少しも作らず、私のすべての質問に対して、彼女が彼女自身を恥ずかしく思う少しの表れ(徴候)もなく、彼女は静かに落ち着いて答えました。・・・・? ●完璧です。このレベルだと、もう間違われることがないですね。 >去ってしまうと追いたくなる心理が表れているような気がします。 ●そうですね。ここらあたりの描写を読むと、馬頭は彼女に去られたくない一心であることが分かりますね。女性の心を惹こうとして企んだ馬頭のほうが、皮肉にも彼女に惹きよせられてしまっていますね。 ********************* 《余談》「アラビー」で盛り上がったのは、たわいもないことで、「あれはいいですよね」とか「North Richmond Street 行きましたよ、感じは残ってますね」とか「学校もありますね」みたいな程度です。低級な盛り上がりですね。ちなみにNorth Richmond Streetは、現在、 http://iggyinireland.blogspot.jp/2012/07/exploring-dublin-was-awfully-big.html という感じです。小説のイメージを少し残していますね。 しかしジョイスの名を不朽のものにしたのは『ユリシーズ』(1922)で、これがエリオットの『荒地』とともに 1922年を annus mirabilis としたものです。英文学が近代から現代への画期的な移行を示したわけですが、詩畑と小説畑で、画期的な作品が同時に出現したところに mirabilis たる所以があるのでしょう。(つづき)
お礼
今晩は。草があるところには蚊が待ち構えているのでこちらとの格闘も大変かもしれませんね。 いつも大変丁寧に回答をしてくださってありがとうございます。 黒帯を頂いてしまうとプレッシャーを感じてしまいますので(笑)それにまだまだ実力がありません。 前回の補足をしていただいてありがとうございます。 punctuation の件ですが、私の版にはなかったのですが、「ある」ということですね。 be sure と make sure について、 紹介していただいた「sureについて」の質問はまさにこの部分にあてはまりますね。 『"make sure"は第五文型の"make O C"のC、つまり補語に"sure"が使われ、 「Oを確信させる」という意味』になり、 『"make sure that S+V~"は語順を倒置させていて「SがVであることを確信させる」 (「SがVであることを確認する」)という意味』になるのですね。 『"make sure"には「確信する」というような意味は全くない』ということがわかりました。 hardening は動名詞か迷ったのですが(元は動名詞だったのですね)、「かなりの硬化」で 名詞かな、と思いました。 but been a stratagem ・・・ほんの策略だったにすぎなかった、という訳ですね。 2)は「that」の取り方を間違えていました。(that節ですね) to show her 【that】I still thought of her and planned for her 「相変わらず彼女のことを思い、彼女との将来を計画していることを彼女に示すために」ですね。 a most = a very は「とても」ですね。(the mostとは違いますね) 「For」が先頭に来ると「というのは」という訳になるのでは?と思うようにしているのですが。 「For after all,」は一見騙されやすいです。 「shade of color」は「色合い」という決まった言い方なのですね。 「a most delightful and unusual shade of color」は「とても楽しいまれな色合い」ですね。 訳すのにあたって、ああでもない、こうでもない、と一回訳してみてはあちこち直しています。 彼女に嫉妬深いのをやめて欲しかった馬頭でしたが、そんなことはどこかに飛んで行ってしまった感じですね。指まで噛まれしまってもう懲り懲りしたのかと思いましたが、反対に彼女の事が気になる一方になってしまったのが不思議なところです。 ************************************* どんな話でもお互いが共通に語り合える話は楽しいものですね。 サイトの紹介ありがとうございます。 North Richmond Streetを見ることができました。 (アラビーに描かれていた地図と照らし合わせてみました) 『人の住んでいない二階建ての家が、その袋小路の行き止まりにあり、』の個所が写真の赤レンガの家でしょうか。 地図によると近くにクリスチャン・ブラザーズ学校がありますね。 (現在は O' Connell スクールというのでしょうか) これから先も小説のイメージを残していて欲しいですね。 『ユリシーズ』が『荒地』と同年(1922)に世に出現したのは本当に驚異ですね。 (作品を書く手法が似ていますね) 『ユリシーズ』は以前一巻を読んだのですが、あまりにすごくて(怪物のような?作品で) 全部読めていません。再チャレンジしてみます。 (火曜日にまた投稿します)