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君主論の逆のクーデター論ってありますか?
君主論は支配者の本ですが、クーデターとか下克上に関する名著ってありますか?
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北一輝「日本改造法案大綱」はいかがでしょうか。 『北一輝思想集成』(書肆心水)でだれもが手軽に見ることができます。伏字もすべて解明されています。箇条書きなので、とても読みやすい体裁です。最近呼んだ鬼頭春樹『禁断二・二六事件』によれば、この発禁の書は北が三七歳のとき中国革命の只中に上海で書かれました。弟の呤吉によれば十数日の断食を経て一冊の参考書もなく、法華経三昧の境地で一ヶ月余りで執筆されたとあります。恐らくは《神がかりの状態》で書き上げられたことでしょう。 天皇大権で戒厳令を全国に布き、憲法を停止して資本主義機構を廃止。私有財産には限度額があり、都市の土地は公有化され、労働者の権利は保護される。昭和六年暮れに『改造法案』を読んだ秩父宮は《天皇を中心にしたアカだね》。宮と旧知の関係にあった歩三森田利八大尉がそう語ったといいます。宮が鋭く見抜いたように、北にあって天皇は《伝統》のシンボルではなく《変革》のシンボルでした。この転換こそが明治以来の国家主義と、昭和の超国家主義、すなわち昭和維新思想の分かれ目だと、昭和維新を日本思想史に初めて位置づけた久野収、鶴見俊輔『現代日本の思想』は述べます。 ただし巻三「土地処分三則」にあるように、土地所有限度額が現代の貨幣価値で三億円、財産総額の限度額が三〇億円でしたから、戦前には《アカ》と呼ばれたとしても、北の趣旨は私有財産制の否定ではありませんでした。現代から見るなら一言で云えばGHQの手を借りて行われた戦後改革と軌を一にしています。このあたりは作家、三島由紀夫の言うとおりです。もっとも「日本国憲法」第九条の規定を別にすればですが…。 そもそも『改造法案』はアジア解放の一環として日本革命をめざしていました。序文にこうあります。 《そうだ、日本に帰ろう。日本の魂のドン底から覆へして日本自らの革命に当たろう。それには雑多に存在し行動しておる本国の革命的指導者にだけなりとも、革命帝国の骨格構成の略図をでも提供する必要があろう。しかり全アジアの七億人を防衛すべき「最後の封建城郭」は太平洋岸の群島に築かるべき革命大帝国であると。かくしてこの法案を起草し始めたのである》。北一輝が日本海を内海とするアジア人の大ローマ帝国と構想した革命大帝国の骨格を描く本文は全八章。その末尾は国家改造の実現のために《一大腫れ物である政治的経済的特権階級を切開して棄つるを急とする》と暗示的に非合法クーデターの必然性が説かれています。《万民平等のための一君》の理想を実現するために旧体制たる特権階級を排除する――。それが天皇を奉じた革命の意味でした。 だが今日から見れば大アジア主義はファシズムと紙一重です。《北において対外膨張主義と国内改造は、分離すべからざる統一的綱領であった》(渡辺京二『北一輝』)と北の優れた評伝の著者は語ります。そうした時代背景から来る限界はあったとしても、この書がもつオリジナリティは今日も褪せていないと確信します。
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- masa2211
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R.A.ハインラインのSF「月は無慈悲な夜の女王」。早川書房。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E3%81%AF%E7%84%A1%E6%85%88%E6%82%B2%E3%81%AA%E5%A4%9C%E3%81%AE%E5%A5%B3%E7%8E%8B
- bismarks0507
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トマス・ペイン『コモン・センス』 エマニュエル=ジョゼフ・シエイエス『第三身分とは何か』 他にも色々あるが、”『君主論』を支配者の本”と解する認識を勘案して、上記を抽出する
- guess_manager
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被支配者による暴力革命論としては「万国の労働者よ団結せよ」のマルクス・エンゲルス「共産党宣言」でしょうね。 体制の一部が既存の体制を転覆させるクーデターとなると、北一輝の「改造法案」かな。 戦後では小島玄之の「クーデターの必然性と可能性」なんてのもあります。→http://tsubouchitakahiko.com/?p=1557
お礼
早速有り難うございます。チェックしてみます。