- ベストアンサー
写生の反対、その単語はいかに。
写生は何らかの対象を見て描きます。 何も見ずに、創造で絵を描くことを何と言うのでしょうか。その単語が知りたいです。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
今思い出しました! 東京芸大卒の山本鼎という人がいて、1919年から長野県で『自由画教育運動』というものを興しました。これは美術教育史の領域になるのですが、それまでは児童・生徒に正確に図面を書いたり、まるで本物のように精密に描かせるのが主流でした。しかし、この運動が始まってからは、外に出て風景を描いたり、自分の思うようにのびのびと描くことを進めました。現在、自由な風景画や自由な色使いで描く図工の授業が当たり前のようになされていますが、これは山本鼎の功績なのです。 美術史上ではなく美術教育史上の用語ですが、「写生画」の反意語は「自由画」です。
その他の回答 (2)
- kamin
- ベストアンサー率40% (30/74)
>作者の持つ何らかの意図やモチーフ、意味を付与、反映する形で描く こういう絵は美術史上の言葉を借りますと、「象徴主義的」と言えるんじゃないでしょうか。例えば、クリムトなんかの絵に多いですが、モデルは画家の知り合いの女性なのだけど、生首を持たせることで聖書の題材である『サロメ』や『ユディト』という女性を同時に彷彿とさせるとか。こういうのは象徴主義ですね。 また静物画などで、リンゴを描く時、例えば隣に髑髏などを置いて描けばヴァニタス画ということになります。禁断の果実であるリンゴと死の髑髏を置くことで、『楽園追放』の意味が発生します。モチーフの組み合わせで意味や観念を暗喩する絵をこのように呼びます。 『ありのままを描くのではない絵』というものを総称する単語は無いと思います。抽象画あり、表現主義的あり、ロマン主義あり、社会反映あり、というわけで、『ありのままを描く絵』というのは存在しないといってもいいくらいです。 shikakunさんの質問なさっているのは、美術史上の用語ではなく、例えばご自分で描いた絵であるとか、かなり身近にある作品を指す言葉だと思いますので、 >何かを示唆する形 とか >荒い筆致で対象を描いたり、 といった、その他諸要素を漠然と含むのであれば、『イメージ画』あたりが適当でしょうか。 しかし、「写生的でない画法」ということに重点を置くとなると、『抽象画』『キュビズム的』『表現主義的』といったようにその画風に大きく左右されます。具体的にどんな感じの絵なのか補足していただけますか?
- kamin
- ベストアンサー率40% (30/74)
美術史の中で絵画の様式を示す用語はたくさんありますが、様々な要因が絡まって来るので、写生の反意語っていうのはあまり聞きません。 >何も見ずに、創造で絵を描くこと を示すとしたら、「想像画」って言葉が一般的じゃないでしょうかねー。あるいは「観念画」とも言われる場合もありますが、前者の方がより汎用されていると思います。
補足
なるほど、大変参考になりました。 もう一つ、質問に付言しておきたいことがありまして、対象を描くことは描くのですが、ありのままを描くのではなくて、作者の持つ何らかの意図やモチーフ、意味を付与、反映する形で描くのは何と表現すればよいのでしょうか。 例えば、荒い筆致で対象を描いたり、何かを示唆する形で描いたり、ですとか。写生は写生ですが、「ありのまま」というわけではない画法の呼び方は、何か適当なものがありますでしょうか。
お礼
なるほど。大変詳しい説明をわざわざありがとうございます。 カンペキなお答えにとても満足しました。 これにて終了します。