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写真を見て写生大会? 小学3年生
今度、小学3年生の学校の課題で、「郷土」を題材に絵を描きコンテストに出品するそうです。 各家庭で県内の風景を写真にとり、A4サイズ大(以上)にプリントアウトして持参し、それを見て教室で絵を描くそうです。 小学3年生が感じる「郷土」といえばほぼ学区内だと思うので、その辺で写生させればよいと思いますし、そもそも実物を見て描くのと写真を見て描くのでは感じるものが全然違うと思います。 それってどうなの・・・と絶句しましたが、みなさんどう思われますか?
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生徒の安全確保といった、美術外のことは措いておくとします。美術の授業として、是々非々の面があるだろうと思います。ただ、コンテスト出品ということからは、向かない方法です。 写生は現実を目の前にして描く対象を選び、見る方向や、描く範囲を決めて描くこと、としておきます。それは描く人の技量の一部です。描く対象が存在する空間と時間に、自分も身を置くということも必然的に伴いますね。 それは、写真を撮るということと重なる部分が大きいでしょう。優れた写真家は、現実から何のどの瞬間を切り出すかについて長けています(その他、露光時間等の写真独特の技術の選択も上手い)。 写真を見て描くことを、今回のご質問では模写と呼ぶことにしておきます。模写は、何をどう描くかの選択を切り捨ててしまいます。そこは描く人の技量の一部であり、感性としての個性の反映でもあります。そういう絵を描く上で重要なことを、やらないことになってしまいます。自分で写真を撮るならまだいいですが、他人に撮ってもらったなら、何をどう描きたいかはごっそり抜けおちます。 さらに、写生は3次元を2次元に写し取ります(実は時間も加味されるが割愛)。実は非常に難しい技術です。同じことは3次元を2次元化する写真にもあります。コイン入れれば撮影してくれる証明用写真機でよく経験しますが、鏡で見る自分とずいぶん違います。他人かと思うほど違うこともあります。写真屋さんに撮ってもらうと、まずまず満足できたり、高額なコースで頼むと、これが自分かと思うほど立派に撮ってくれたりします。 実物を見て描く写生では、3次元を2次元でいかに見栄え良く、自分が見たと感じるものを描くという重要なプロセスがあります。写真を見て描く模写では、そこが省略されてしまいます。 写生は、描きたいものが存在する空間を共有しつつ描きます。写真撮影もそうです。写生も写真も、3次元を2次元にして、さらにそれがある場所から切り出して、全く別の空間に置くという作業です。別の場所に置かれてもなお見栄えがするものが優れているわけですね。それは、絵や写真に見えていない周囲も引き連れて来るということになります。 写真だけ見て、その場所に行きもせずに模写するなら、元となる写真が余程に優れていない限り、写っているものしか分かりません。しかも2次元です。ちょっと極端な言い方をすれば、写真を見て描く模写は、平面上の模様を平面に写し取るだけのことでしかありません。 写真の模写は写生とは異なるものであり、写生画としてコンテストに出品するのは問題ありでしょう。イラストなどでよく問題にされるトレスに近い感じすらします。あるいは、偽物、まがい物。 コンテスト出品や写生練習としては以上です。では、写真の模写は意味がないのか、といえば、そんなことはありません。いい練習ですから、限界を理解した上で、やって損はありません。 指導者がいる場合、写生では生徒が写生している場所に指導者も行って付き添わねば、ちゃんとした指導はできません。写生画だけ見ても、元となったものを見なければ、写生が上手くやれているかどうか、きちんとは分かりません。写生されているものを普段見慣れているとしても、描いたときのそのものを見ないと分からないことがいろいろ出ます(※写生はその場に行ってやることに意義があることの裏返し)。 写真の模写なら、じっくり写真と模写画を見比べることができます。写真から何をどう描いたか分かるわけです。それなら、きちんとした技術指導ができます。写真を見て描くのも実は大変です。先ほどは、平面の模様を平面に写し取る、などといかにも簡単そうに申しましたが、写真を絵にするのだけでもかなりの技量を要します。 例えば、線です。色を塗る前、あるいは陰影をつける前に、まず線で描くのが普通です。なぜ線の塊が絵になるのかということが分からないと(※言葉にできる理屈ではなく、実感といったものに近い)、絵にはできません。そして、写真には絵にすべき線はありません。絵にすべき線がどれなのか、絵を描く人が決めないといけないわけです。これがなかなか難しい。 さらに、色はどうするか、陰影はどうか、等々といった諸々の技量は写真を見たからといって、どうにかなるものではありません。全て技量であり、教わりつつの練習が必要です。それらをきちんと教えることができるのが、写真からの模写です。そのもの同士を見比べられるからですね。 P.S. 自然の事物が常に動いていることは、写生にとってメリットではあるんですが、あまりに動きが激しいと妨げになります。例えば、疾走している馬を正確に描けた人は、実は写真が発明されるまではいなかったのです。人間の目では正確に追えないことを、写真が映し出せるようになって、はじめて走る馬らしい馬が描けるようになりました。 写生であっても、写真を補助的に用いることは構わないし、うまく使えばよりよい写生になることもよくあります。
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うーん・・・・、でもそういう描き方はありますよ。プロでも。 昔の画家たちが描いた「写真やポストカードを元にした風景画」があるのを知っているので、それほど驚かないかな・・・・・・A4サイズとかかえって面倒くさそうに思いますが(^^; (家庭にデジカメか何かや、プリントアウトする機器があるって前提ですよねえ、それってどうなのか) そういう意味ではそんなに違和感は持ちませんが、小学生にとって適切なのかどうかは分かりません。
お礼
ありがとうございました。 写真から絵を描くという考えがまったくありませんでしたので、子供の課題を聞いた時には驚きましたが、いろいろな手法で技術を学べればよいのだと思いあらためました。 ただ、本物の写生もぜひさせていただきたいと思います。
- youcanchan
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ご質問を見てあれれ?というかハッとしました。 実は同じような題材で絵を描いて賞を受賞した経験のある者です。 40年以上前の話ですが… 幼少のころ、私は絵の得意な子供でした。 小学校に入学して間もなくから校内はもちろん市や県の主催する絵画展で必ずと言っていいくらい受賞していました。 母は喜んで賞状を額に入れて飾ってくれたのですが、そのうちに飾りきれなくなりました。 小4の時だったと思います。母が近所の絵画教室に私を連れて行きました。 まずは水彩画で自由に好きな絵を描いてみなさいと言われ、アトリエの外の庭を写生しました。 先生は目を見張って次から油絵を描いてみましょう、と。 そして間もなくのころ、まだ3枚目くらいの油彩作品でしたが、ある有名な展覧会に応募するための作品を描かされたのです。 うろ覚えですがやはり「郷土を描く」という題材だったと思います。 ですがそれは、住んでる地域とは遠く離れたある土地のお祭りの絵を絵葉書を見て描かされたのです。 幼心になんで知らない土地の知らないお祭りの絵を描くんだろうか?と思いました。 そしてそれが受賞したのです。有名な全国展のジュニアの部です。 まあ何だか凄い凄いともてはやされた気がします。 私はまあちょっとは気を良くしましたが、それがどんな事なのか当時はわかってなかったかも? 今にして思えば「やらせ」みたいなものだったかもです。 それでもまあ何と言うのでしょうか。その後も各種絵のコンクールでは受賞を重ね、その中の一つの経験という認識しか私にはありませんでした。 悪い事だとか邪道だとか、あまり考えませんでしたね。 たしかに静物画とか写生画と言うなら実物を見て描くのが本当だろうと思います。 しかし時間をかけて描く場合は写真を使うこともよくあることです。 絵の題材を探しに外を歩き、ここを描こうと思った場所を写真に撮る。 その行為には一定の価値があると思いますよ。 だって自分の目でその場所を見ているのは事実ですから。 その写真を手がかりに自分の目に焼き付けた風景を再現するという作業になると思います。 ラフスケッチを描いてきて家でそれをキャンバスに描くという作業と変わりないと思います。 それなら私も多々やりました。 ところで天才児、大人になればただの人とはよく言ったもので。 今の私はちょっと絵心のあるただの人です。 表現方法は心得ていても私には表現したいものと言うのがなかったようです。
お礼
ありがとうございました。 時間をかけて模写をすることにも、一定の価値があると思いあらためることができました。
- xxi-chanxx
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>郷土の写真を撮るのは夏休みの(親の?)宿題だったのですが 本当だったら夏休みの宿題を郷土の絵にしたかったのが先生の本音なのかも知れないですね。 写真を見て絵を描くことよりも、写真を撮るのが親の宿題だと感じている方が私には疑問です。 それこそ小学3年生の郷土が学校区であるなら、お子さんに撮りに行かせれば済む事。 郷土の写真に見栄を張ることもないですしね。
お礼
ありがとうございました。 ごもっともなご意見です。 ただ、子供の夏休みの宿題の項目はよく読んだのですが、今回の写真撮影については事前の保護者会でも連絡が無く、プリントの隅にお知らせがあったので、親に対する要望なのだと感じました。 夏休み中に気がついていれば、場所の選定から撮影のアングルまで付き添ってできたのにと、自分の落ち度を悔やむばかりです。
困りましたね。 最近の教師は、先の回答者さんの言にもありますように、力の無い事なかれ主義者が多くなっています。 しかし、これは教師本人の資質だけではなく、現在の教育行政の中で、そのように追い込まれているのが大半です。どうでもいいような報告書を作成しろだの、研究課題を逐一上程しろだの、本来生徒達に向かわねばならない力を、管理者の要求に向かわせられているのです。増して初等教育の教師は、なかなかに専門性から遠く、どの様に文部省が要求するものに即していかねばならないか、その勉強する時間も限られているのが現状です。 そこで本題に戻りますが、美術教育に関わる小生も、風景画を描く時、やはり現場にて描くのが最良と思いますが、種々勘案しますと、写真から起こすのも決して間違いではなく、強いて述べれば条件をつけ、自身の目で見つめる必要があります。写真と同時に、少なくとも30分位佇み、白描でスケッチさせることが必要でしょう。そのくらいであれば、親御さん方も、子供さんの手伝いが出来ると思うのですが。 絵画は必ずしも現場主義主体ではありませんが、空間認識を自身の目に焼き付ける時間は、やはり必要であると思います。質問者さんが絶句したお気持ちもまさしく正解の内です。
お礼
ありがとうございました。 今回は時間が無くて、子供との撮影ができなかったのが、最大の反省点です。 学校側には、ぜひとも本当の写生の機会を設けていただきたいと思いますが、今回の模写も先生方の狙いがあると思いますので、一生懸命とりくめればと思いました。
- neo-pp
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アートの業界に携わる者です。 率直な感想としてはNo01さんの意見に同意ですが 少しアートの勉強という観点で考えた場合 確かに写生といえば外で実際に景色を観ながらというのが 一般的ですが、あながちカメラで撮ってからというやり方もダメでは無いかも。。と思ったりもします。 と言いますのも写真を撮るという事を 実際に作品を作る過程の一部として考えた場合 画角や構図を決める重要な作業と考える事もできるのです。 これが外で景色を観ながらの一般的な写生ですと 子供の場合、とりあえず目に映ったものを そのまま描いて結果的にキャンパスに収まったものが 構図となる場合が多いのですが、写真を撮るという 過程を踏むことによって構図を考えるという 意識が働きやすくなります。 まあ、実際に先生がそこまで考えているかといったら わかりませんが、仮に私がこの課題を出されたら 写真を撮る過程の重要さを考えざるを得ません。
お礼
専門家のご意見ありがとうございました。 写真の模写からも学べるものは多いと思いあらため、見守りたいと思います。
- trajaa
- ベストアンサー率22% (2662/11921)
クラスの人数が不明だが 一郎君は学区内の東の方の田んぼへ 花子ちゃんは北の方の河原へ 勝夫君は、街中の神社に 良子さんは、町外れの運動公園に こんな感じで、それぞれが感じる郷土の場所が散らばっている場合どうやって引率しましょうか? 他の教員にサポートを依頼したってとても手が回りませんね 行き帰りの交通事故や写生中のトラブルをどうやって回避しましょうか? それに、それぞれの感じる郷土という場所を決めるのは、いつどんな感じで行いますか? クラス全員で地区内をグルグル歩き回りますか? それなら、家庭内で相談をして候補になりそうな場所を幾つか見て自分で感じるポイントを見つけた方が効率的ではないですか? これが、郊外の牧場に行ってクラス全員で『牧場での風景』と言った対象物を限定した写生大会なら引率してその場でと言うのも妥当だけど それぞれが感じる郷土というのもは、人それぞれが違ったモノを感じるのだから仕方がない それともクラス全員が特定の場所や建物を「郷土」だと感じるような特殊な人々なのか?
お礼
ありがとうございます。 おっしゃることにも一理あるなと思いました。 郷土の写真を撮るのは夏休みの(親の?)宿題だったのですが、夏休み明けまでプリントの案内を見落としておりまして、あせっておりました。 「教育的に・・・」という正論半分、先生に面倒をおしつけられればという私の本心・・・。 戒めになりました。
- kyoromatu
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引率・監督が面倒くさいい・・事故にでも遭った場合の責任とかまで担任教師が考えた かどうか判りませんが、いずれ違和感は感じざるを得ません
お礼
ありがとうございます。 おおかたそんなところだろうと思いますが、教育の放棄だ!!と思ってしまいました。
お礼
丁寧なご回答ありがとうございます。 模写からも学ぶことは多いですね。 今回は親の私が夏休み中の作業を忘れて(見落とし)いたばかりに時間が無くて、子供が学校へ行っている間に私が近所の風景を撮影し、その中から子供に選ばせました。 場所決めから撮影のアングルまで子供とともに取り組めば、この課題ももっともっと生きたものになったと反省しています。