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日本国憲法前文は誤訳では?
日本国憲法前文は英語の原文を日本語訳したもの、と解釈しての質問です。 "We desire to occupy an honored place in an international society~" 上記は、日本国憲法前文の英語表記を一部抜粋したもです。日本語の条文では、「われらは、~国際社会に於いて、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」です。 これは誤訳ではないでしょうか? "desire"は「強く望む、希求する、乞ひ願ふ」と訳した方がよいと思います。「~したいと思ふ」と訳すのなら、"want to~"だと思うのです。
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誤訳というのは desire を「…したいとは思わない」のように、伝えたいことが別の意味に変化してしまっていることを言います。この場合は、口調の差はありますが、誤訳とは言えません。ニュアンスの差の範囲内です。 「want to」 と 「desire」 の意味を比較するときに、日本語の「…したい」と「強く望む」を比較してはいけません。なぜなら「want to = …したい」も「desire = 強く望む」もどちらも誤りだからです。言葉を数学の等式のように扱ってはいけません。 実はこれが今の日本の学校英語の大きな誤りで、二つの言葉を = で結ぶという勉強法が広く浸透しています。例えばwill = be going to という、入試の定番の問題です。このような勉強をしていると(教師の側から言えば、勉強させていると)、言葉に対して鈍感になってしまうということです。このような英語同士でさえも、二つの単語には意味の差があり、使い分けを正しくしないと、へんてこな英語になってしまいます。 英語同士で差があるなら、英語と日本語の間にも差があり、差があるもの動詞を比較しても、正しい比較にはなりません。 これからも様々な英文に触れ、日本語訳をせずに英文が読み取れるように頑張ってください。
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- wy1
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日本国憲法の法律上の原文は”日本語”です。従って、原案と称する英語文?は相手にする必要がありませんよ。例え翻訳だとしても、英語の憲法を正文としている分けではありません。あなたの前提自体が可笑しいと思います。
お礼
ありがとうございます。憲法前文(英語表記)の一部を引用したのは、英語カテでの質問の題材として挙げただけです。憲法論議の意図はありません。
日本国憲法前文の該当部分は以下のような経緯があります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E5%89%8D%E6%96%87 >GHQ草案 >日本国民ハ平和ヲ維持シ且専制、隷従、圧抑及偏狭ヲ永遠ニ払拭セントスル国際社会ニ伍シテ名誉アル地位ヲ占メンコトヲ庶幾フ。 この時点では「庶幾フ(こいねがう)」です。英語のものが、desireとなっています。 これ以降は、草案をベースとして、日本語での憲法の制定作業に入っています。 >憲法改正草案要綱 >日本国民ハ平和ヲ維持シ且専制、隷従、圧抑及偏狭ヲ永遠ニ払拭セントスル国際社会ニ伍シテ名誉アル地位ヲ占メンコトヲ庶幾フ。 この時点でも「庶幾フ(こいねがう)」です。 >憲法改正草案 >我らは、平和を維持し、専制と隷従と圧迫と偏狭を地上から永遠に払拭しようと努めてゐる国際社会に伍して、名誉ある地位を占めたいものと思ふ。 ここで「思ふ」と変わっています。以降、帝国憲法改正案でも、現在の日本国憲法でも「思ふ」となっています。 そして現憲法の英訳紹介では、草案と同じく、desireが使われています。 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_e_laws.htm 現日本国憲法は、草案では英文のものも検討対象でしたが、以降は策定、発布に至るまで、日本語でのものだけが対象となります。 その憲法がどうかということは、英語カテで論じられるような問題ではありません。 しかし、英語との対応については、お示しの部分のみならず、現憲法が誤訳か否かを問う余地はありません。 憲法として討議されたのは「憲法改正草案要綱」以降、日本語のものだけです。同じく修正され、採択されたのも日本語のものであって、それらについて、GHQの英語草案は何ら効力はありません(GHQその他の影響については私では論じられません、すみません)。 しかし、上記の英文紹介のほうについては、その文章は憲法としての機能はありませんが、現憲法の内容を英語で伝えるものです。 それについての該当部分が、desire toよりwant toが適切である、とお考えであれば、それは充分に意見、批判、あるいは批評たりえると思います。
お礼
ありがとうございます。憲法論議の意図はありませんが、1946(昭和21)年2月に作成されたマッカーサー草案には、私が挙げた英文とまったく同じ記述があり、"desire'は「欲求ス」と訳されています。憲法前文だけは、英文を日本語訳したものでしょう。 私としては、日本語の「~したいと思う」願望と、「庶幾フ」の渇望とは大変な相違だと考えます。 それに相当する英語が"want to"と"desire to"だと考えるのです。 憲法の英文紹介があるのは存じませんでした。教えて下さいまして、深謝致します。
- juichikumi
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日常語としても 'desire' には、たしかに 'strongly wish' の意味がありますが、文語では、つまり憲法として使われるような《正式》な文章では、もっと軽い感じになる動詞です。したがって、若き理想に満ちた米国の草稿作成者たちの英文を訳したものとしても、誤訳ではないと言い切っていいでしょう。
お礼
ありがとうございます。意味合いの僅かな違いであって、誤訳ではないということですか。
- marbleshit
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ご賢察に全面的に賛成するものでありますが、 日本語という言語は奥ゆかしいのです。 英語的に「強く希求するものである」 等と表現すると、脅しのようなニュアンスになることを避けるため、 敢えて「思ふ」と斜に構え、角が立たないように智慧を振り絞った、 島国根性ならではの詭弁の一種といえます。
お礼
ありがとうございました。「奥ゆかしい」は外国語には翻訳し難いです。
お礼
ありがとうございます。誤訳ではなく、ニュアンスの差ですか。そのニュアンスの差が読んだり聞いたりする側には大きいですね。マッカーサーが'I shall return.'ではなく、I will return.'と言っていたら、印象が全然違ったでしょう。 学生の頃は英語には悩まされました。いつも赤点寸前の劣等生でしたもので。(その癖音楽は英語圏の国のものしか聞かなかったりする。) 英文を和訳せずに読み取るのは私には至難です。 機会がありましたら、またご指南下さい。