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昔の名前のつけ方
山田風太郎の小説を読んでいて、江戸時代の男性の登場人物で、采女という名前(苗字ではない)が出てきました wikipediaで采女を調べてみると、朝廷に使える女官の事だとわかったのですが それならば何故男の名前として采女という名前が出てくるのでしょうか また、その他にも江戸時代の名前と言えば、熊五郎だとか、八兵衛、お縫、修理ノ助など、 子供の将来への期待をこめて名前をつける現代の私から見ると何を考えているのかわからない名前がよくありますが その当時の人々はどういう理由で名前をつけていたのでしょうか 解答お願いします
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>大名や地位の高い剣豪などの名前と比べ、安直な名前に思えていましたが 幼名は竹千代、などやはり縁起や長寿を願ったような名前が付いていますよ? 家康はいみなであり、普段使う名前ではありません。 幼名以降の名前も変化しています 高い地位の人はいみな、字、姓や氏などかなり複雑な名前で 時期によっても変化しますので調べてみるとおもしろいですよ ここで述べると長ったらしい話になるので割愛しますが…。 いずれにしても親が長寿や立身出世、安定した願いをこめてつけたというのは 今の時代と変わらないのではないでしょうか。 今は生きること、食べることへの危機感がないので 愛されるような名前とか、風光明媚だったり人との関係とか自然を入れる人も多いですね。 心、愛、優、空、海…が近年好まれてると思います。 これも人とのつながりが生きていくのに重要な時代だからというのもあると思いますけど いずれにしても子供の幸せ、健康、安泰を願っていることとは変わりませんね。 昔はそれを病魔や悪鬼を避けるために縁起を担いだというだけで。 秀吉の子供などは、捨て子はよく育つという縁起をかついで捨丸としたところ早死にしたので 次の子には縁起物を拾ったという拾丸、という名前が付いています。 縁起だけじゃなくて実際にわざと捨てて拾う真似までして。 これも今の感覚で漢字だけ見ると捨てたの拾ったのってなんだ?と思うかもしれませんが やはり子の長生きを願った縁起が担がれています。 庶民でも厄年の子や病弱な子などを一度捨てて拾う形式を取る場合もあるというので そのあたりも庶民も同じじゃないでしょうか。 はたから見ると奇妙でも、現代でも画数が悪いといって奇妙な字を名前に使ってみたり 改名したり、普段使いに別の字を使ったりする人もいますから。
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- toshineko
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このケースの「釆女」は、仮名(通称)と考えられます。 諱の使用を避ける為に便宜的に用いた代わりの呼称です。 武士は苗字と諱(本名)のほかに仮名(通称)を持っていることが普通でした。 例としては、石田三成家臣の島「左近」、忠臣蔵の大石「内蔵助」、必殺仕事人の中村「主水」が仮名にあたります。 釆女は確かに朝廷に仕える女官のことですが、それを支配し管理する役人は男で、宮内省釆女司に属する官僚です。 http://www.sol.dti.ne.jp/~hiromi/kansei/o_shi_uneme.html 小説の内容自体は存じ上げませんが、おそらく朝廷から正式に釆女正や釆女佑に 叙任されたわけではないとおもわれます。
- fumkum
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采女は女官ですが、それを管理する采女司の職員は男性です。長官が采女正(うねめのかみ)。四等官のスケはなく、ジョウは采女佑(うねめのじょう)、サカンが采女令史(うねめのさかん)です。 では名前に采女と付くことですが、これは「百官名」と言います。武士などが名乗った官職風の名を言います。鎌倉時代以降武士も官名を名乗ることが徐々に広まり、また、官名を僭称したり自称することも多くなるとともに、疑似官名をつくったりしましたが、官職名の一部を略したものを百官名と言います。この采女は采女正(佑・令史)の「正(佑・令史)」の部分を省略し、ありそうでない官名風のなにしたものです。 質問の中の修理ノ助についても百官名です。修理ノ助の「修理」は「修理職(シュリシキ)」という令外の官庁ですが、この「スケ」は修理亮(シュリノスケ)で正式な官名は「亮」と書きます。「修理ノ助」はありそうでない官職名となります。 なおこのような百官名は、名字の次、諱(いみな)の前につけます。大名や上級の旗本などは正式な官職に任命され(官途-カント)、浅野内匠頭長矩(内匠頭が官途)のように名乗りますが、それ以下の階層の武士が権威づけや先祖からの代々の受け継ぎなどにより名乗ることが多かったようです。しかし、時代が下るにつれその傾向が拡大されていきます。 八兵衛の「兵衛」はやはり律令の武官である左兵衛府・右兵衛府の下部に実際にあった官名です。兵衛はともかく八兵衛となると百官名とは言い難く、庶民にも多い名となります。 熊五郎は5番目の男子で熊のように強くなってもらいたいとの気持ち、お縫は裁縫が上手な女性になってもらいたいとの親の気持ちが込められているように思います。 現代の名付がいろいろな理由でされるように江戸時代でも名前の付け方は千差万別な傾向にあったと思います。 なお、農民の名前が代々受け継がれる(世襲される)傾向があったのは、検地で耕作人の名が検地帳に記載されるために、権利関係の継承をはっきりさせるためとの説があります。この名前の世襲が商人、役者などにも広まったとも言います。 采女司 http://www.sol.dti.ne.jp/~hiromi/kansei/o_shi_uneme.html#Shi 百官名(右弁官局の中に采女を記述。修理は令外官に記述) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E5%AE%98%E5%90%8D 修理職 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%AE%E7%90%86%E8%81%B7 左右兵衛府 http://www.sol.dti.ne.jp/~hiromi/kansei/o_fu_hyoe.html#Hyoe
- srafp
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飽くまでも私見です。 > wikipediaで采女を調べてみると、朝廷に使える女官の事だとわかったのですが > それならば何故男の名前として采女という名前が出てくるのでしょうか 確か『采女』には別の意味合い(まじない)があってと記憶しているのですが、思い出せないので周辺知識を書きます。 今でも「男の子」は「女の子」に比べて生存確率が低いのですが、医療や栄養状態が今より悪い頃は、ワザと「女の子」の名前をつけることで、『この子供は女の子ですから、間違って男の子の様に早死にさせないで下さいね』と言う習わしはある。 同様に、昭和30年代まで残っていたまじないとして、7歳になるまではワザと女の子の格好をさせておくというものもあった[映画化で有名になった『3丁目の夕日』にも、どの回だったかは定かではありませんが描かれています]。因みに、私は祖母から聞いただけなので証拠は持っていないが、昭和天皇もご幼少の頃は女の子の格好をしていたという話です。 > また、その他にも江戸時代の名前と言えば、熊五郎だとか、八兵衛、お縫、修理ノ助など、 > 子供の将来への期待をこめて名前をつける現代の私から見ると > 何を考えているのかわからない名前がよくありますが ・とても変な名前 上記の続きになりますが、子供が早死にするのは魔(鬼)がくる為だという考えから、幼名に汚物の名称を付ける事があります。 ・動物系の名前 熊とかトラの様な強い動物の名前を入れることで、『その力(加護)を得て、丈夫に育て』という親心からつけられた名前がありますよ。 ・技能とか工具系の名前 技能名や工具名を名前に入れることで、『手に職をつけて、食事に困る様な事が生じないように』という親心から付けられた名前があります。『お縫』は多分、裁縫ですね。 また、『鍋』とか『網』の字は、「食事を作る鍋がある」⇒「食事を毎日作る」とか、「網がある」⇒「いつでも魚が取れる」といった感じて、食事や食材に困らないようにとの願いからつけられていることがあります。 ・数字系の名前 「太郎」「二郎」「三郎」「四郎」「五郎」等の全てがそうだとは言わないが、これは、いつ死ぬか判らないから多産となっていたので、一々考えるのが面倒だから番号を振ったという説が有力。
詳しくはないのですが私が過去に読んだり聞いたりした話では 昔は乳幼児死亡率も高く7歳までは預かり物、というような時代だったので 男の子には「熊」「虎」「荒」などの強そうなものの名前を借りて病魔が近寄らないようにするとか 女の子のような名前をつけて、病魔に目をつけられないようにする… というおまじない的な意味もあったと聞いたことがあります。 八、は八番目の子供だったかもしれないし末広がりの八を縁起を担いでつけたのではないでしょうか。 兵衛は江戸より前から男の名前に付けるものとしてありましたね。 お縫なら縫い物がうまくなるようにとか、そういう願いがあったのでは。 また女は呼びつけやすいような短い名前が多いと聞いたこともあります。
お礼
家康や政宗など、大名や地位の高い剣豪などの名前と比べ、安直な名前に思えていましたが、当時にもきちんとした理由があったのですね 回答ありがとうございました
お礼
糞や犬などのわざと下劣な名前をつけて魔を払う、という話を子供の頃本で読んだことがありましたが、江戸時代にもそれが続いていたとは知りませんでした 確かに三丁目の夕日でもそのようなエピソードがあったのを思い出しました しかし女の名前をつけることで生存確率を高めようとする、という考えにはいたりませんでした 回答ありがとうございます