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【ペルソナ】ユング、またはギリシア思想において
「ペルソナ」(仮面)について教えてください。 ユングやギリシア悲劇(?)がよく語っていると思うのですが (自信なし/汗)、これについて詳しい新書、あるいは、 ユングの著書などがありましたら、教えてください。 また、現在心理学においてペルソナはどのように考えられて いるか、簡単に教えてください。 よろしくおねがいします。
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ユングの名前が心理学の教科書に登場するのは、人格心理学の一学説としてです。ユングの「ペルソナ」は、確か彼の言う「アーキタイプ(原型)心理学」の用語だったと思いますが、ほとんど顧みられていません。 心理学の概念として、難しい割に実りが少なく、科学的根拠が薄弱というのがその理由でしょう。また、神秘主義や超心理学などのオカルトに親和性があったのも事実で、宗教学からは重宝されたこともあるようですが、心理学からはそのために敬遠されている部分もあります。また事実かどうか知りませんが、一部の人は、ユングがナチスに協力した、とも考えているようで、それも敬遠の原因かと思われます。ユングの思想の中には、確かに20世紀を席巻した全体主義に通じるようなものも無いではないのです。ユングは、ニーチェ以上に迂闊な人で、フロイト以上に形而上学的な人で、しかも神秘家だったので、学問的にはとっつきにくい人だったようです。心理学より哲学、哲学より思想という感じの人です。 ただし、河合隼雄さんのようにユングの分析概念を用いて臨床的な活動を行ってらっしゃる方がおられることも事実ですので、全く無意味な学説、というわけでもなさそうです。要は「使いよう」ということでしょうか、評価の難しい学者だと思います。 参考文献は、河合隼雄さんの「ユング心理学入門」が良いのではないでしょうか?ユング本人の著作は、以上のような理由から、非常に難解なので、入門書から読まれたほうがいいと思います。新書では、河合さんの「コンプレックス」が岩波に入っています。 ギリシア悲劇との関連では、歴史学や人類学の書籍に当たるほうが正確でしょう。
お礼
回答ありがとうございます。 とてもわかりやすかったです。たまたま、図書館で河合隼雄訳のユング心理学(スノー)を手に取ったところです。「ユング心理学入門」がいいのですね。 ギリシア悲劇は仮面をつけた役者によって演じられるとどこかで聞いたので、質問してみました。